
犬と暮らしたいと思っても、「毎月の飼育費が実際にいくらかかるか」が分からず、不安になる人は多いようです。この記事では、小型犬から大型犬までサイズ別の月々の目安額に加え、初期費用・毎月の固定費・年に数回の医療費・突然の出費まで整理し、年間・生涯で必要になるお金のイメージを解説します。節約のコツや、犬を迎える前に準備しておきたいお金と心構えも紹介するので、無理のないライフスタイルで愛犬との生活を始めたい人は参考にしてください。
犬の飼育費は月いくら?まず結論を確認しよう

「犬を飼うと毎月どのくらいお金がかかるのか」は、多くの飼い主や、これから迎えたい人が最初に気にするポイントです。結論を先に整理すると、一般的な家庭犬1頭あたりの平均的な飼育費は、月2〜3万円前後がひとつの目安と考えられます。
根拠として、ペット保険会社アニコム損害保険株式会社が行った「ペットにかける年間支出調査」が役立ちます。2019年調査では、犬1頭にかかる年間費用の平均は306,801円とされており、アニコムは記事内で「犬は約30万円」とまとめています(※1)。
2019年のアニコム損害保険株式会社のペットにかける年間支出調査によると、犬の飼育にかかる年間費用は306,801円。犬は約30万円…(※1)
この数字を12カ月で割ると、月あたり約25,000円(2.5万円前後)です。ライフスタイルや犬種、健康状態によって増減はありますが、「フード・日用品・病院・トリミングなどを一通りそろえた場合の平均値」として参考にしやすい金額といえます。
さらに、体格や暮らし方によっても費用は変わります。サイズ別のざっくりした目安は次の通りです。
- 小型犬:月1.5〜2.5万円前後(フード量が少なく、トイレシートの消費もやや少なめ)
- 中型犬:月2〜3万円前後(フード・予防医療・グッズが小型犬より高くなりやすい)
- 大型犬:月2.5〜4万円以上も想定(フード量・薬用量・グッズのサイズ増で負担が増えやすい)
ここからは、アニコム損保の年間支出データ(※1)をもとに、小型犬/中型犬/大型犬ごとの月あたりの目安を、もう少し具体的に見ていきます。
小型犬の月間費用の目安
トイ・プードルやチワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬は、体が小さいぶん、フード・おやつ・薬の量が少なくて済みやすい傾向があります。一方で、室内飼いが中心になるため、トイレシートやケア用品、トリミング代はかかりやすくなります。
アニコムの調査(※1)では、犬全体の年間支出平均は約30万円ですが、小型犬でも一般的に次のような項目にお金がかかります。
- ドッグフード・おやつ
- トイレシートなどの日用品
- ワクチン、フィラリア・ノミダニ予防などの動物病院費
- トリミング・シャンプー
- しつけ教室やドッグランなどのサービス利用
アニコムは、犬の費用のうち「ケガや病気の治療費」は年間44,869円と報告しています(※1)。
アニコムの年間支出調査の項目別で見ると、犬の「ケガや病気の治療費」は44,869円…(※1)
この治療費を月あたりに直すと、約3,700円ほどです。ここにフード代・日用品・トリミングなどを加えると、小型犬でもトータルで月1.5〜2.5万円ほどになるケースが多くなります。
【小型犬・月あたり費用イメージ】
- フード・おやつ:4,000〜6,000円
- トイレシート・消耗品:2,000〜3,000円
- 定期的な病院費(予防・通院の平均):3,000〜5,000円
- トリミング(1〜2カ月に1回と仮定):3,000〜6,000円換算
- その他(おもちゃ、しつけ、洋服など):2,000〜4,000円
合計すると、月約14,000〜24,000円が目安です。トリミングの頻度を増やしたり、洋服やおでかけに力を入れるライフスタイルを選ぶと、ここからさらに増えるイメージになります。
中型・大型犬の月間費用の目安
柴犬、コーギーなどの中型犬、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーなどの大型犬は、体格に比例してフード・おやつの量が増えます。予防薬やサプリメントも体重によって用量が変わるため、同じ薬でも大型犬のほうが高くなりがちです。
一方、短毛の犬種ならトリミング代は少なく済むなど、ライフスタイルによる差も大きくなります。
アニコムの調査(※1)では犬全体の平均値だけが出ていますが、年間支出306,801円(=月約25,000円)の中身を中型〜大型犬に当てはめると、次のようなイメージが考えられます。
【中型犬・月あたり費用イメージ】
- フード・おやつ:6,000〜9,000円
- トイレ用品・消耗品:2,000〜3,000円
- 定期的な病院費(予防+通院平均):4,000〜6,000円
- トリミング・シャンプー:2,000〜5,000円換算(自宅シャンプー中心なら抑えやすい)
- その他(おもちゃ、しつけ、ドッグランなど):3,000〜5,000円
→ 合計:月約17,000〜28,000円程度
【大型犬・月あたり費用イメージ】
- フード・おやつ:9,000〜15,000円
- トイレ用品・消耗品:2,000〜3,000円
- 定期的な病院費(予防+通院平均):5,000〜8,000円
- トリミング・シャンプー:2,000〜5,000円換算(短毛で自宅ケア中心なら低め)
- その他(おもちゃの消耗、しつけ、車移動の費用など):3,000〜6,000円
→ 合計:月約21,000〜37,000円程度
身体が大きい犬は、病気やケガをしたときの1回あたり医療費も高くなりやすい点にも注意が必要です。アニコムのデータでも、犬全体で「ケガや病気の治療費」が年間44,869円(※1)とかかっています。特にシニア期以降は、この部分が増えていく可能性があります。
犬種・サイズ別の費用比較表
ここまでの内容を、「犬の平均年間支出約30万円=月約2.5万円」というアニコムの一次データ(※1)をベースに、サイズ別の暮らし方も考慮して整理すると、次のような比較表になります。
| サイズ | 月あたりの目安 | 年間の目安 | 主な費用の特徴 |
|---|---|---|---|
| 小型犬 | 約1.5〜2.5万円 | 約18〜30万円 | フード・薬の量は少なめだが、トリミングや室内ケア用品の費用がかかりやすい |
| 中型犬 | 約2〜3万円 | 約24〜36万円 | フード量が増え、予防薬も体重に応じてアップ。トリミング頻度しだいで変動 |
| 大型犬 | 約2.5〜4万円 | 約30〜48万円 | フード・医療費が増えやすく、老後の医療費はさらに高くなる傾向 |
アニコムの調査(※1)が示す306,801円という年間平均は、あくまで「犬全体の平均値」であり、すべての家庭にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、「犬1頭あたり、月2〜3万円ほどかかるのが一般的なライン」という感覚を持っておくと、家計シミュレーションやライフプランを立てやすくなります。
次のセクションでは、この月額の中身を「フード」「医療費」「トリミング」などの項目ごとに細かく分け、どこを工夫すれば無理なく続けられるかを見ていきます。
※1 出典:アニコム損害保険株式会社「ペットにかける年間支出調査(2019年)」より。記事「猫は犬に比べてお金がかからないって本当?」内で、犬の年間支出306,801円や、ケガ・病気の治療費44,869円などの具体的金額が示されている。
犬を迎える前にかかる初期費用の内訳

「犬の飼育費は月2〜3万円くらい」と聞くと、どうしても毎月の出費に目が行きがちです。実際には、迎えるタイミングの初期費用も大きな負担になります。ここでは、犬本体の代金(生体価格)とは別に、最初にかかる主な費用を項目別に整理します。
生体価格を除いた初期費用だけでも、10〜15万円前後になるケースが多いと考えておきましょう。
犬の購入・譲渡費用
大きく差が出るのが、犬そのものの入手費用です。ペットショップやブリーダーから購入する場合と、保護犬を譲渡してもらう場合で、必要な金額や内訳が変わります。
- ペットショップ/ブリーダー:数万円〜数十万円
- 小型犬の人気犬種や流行の犬種は、30万円以上になることもある
- 血統や月齢、毛色によっても価格差が大きい
- 保護団体や行政からの譲渡:基本的には「生体は無償〜低額」だが、
- すでに行われているワクチン・不妊手術の実費や
- 団体の活動を支えるための「譲渡費用」として、1〜5万円程度を求められることが多い
ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」では、犬の生体価格が飼育開始時の大きな負担要因になっていると示されています。飼い始めをためらう理由として「購入費の高さ」が挙げられており(※2)、家計とのバランスを取りつつ、入手先の信頼性やアフターケアも含めて検討する必要があります。
ケージ・トイレ・食器など生活必需品
迎えたその日から必要になるのが、生活スペースやトイレ・食事まわりのグッズです。最低限、次のようなものはそろえておきたいところです。
- ケージ(サークル)
- クレート(ハウス用・移動用兼用でも可)
- トイレトレーとペットシーツ
- ベッドやマット
- フードボウル・水用ボウル、または給水器
- 首輪またはハーネス
- 迷子札
品質やデザイン、サイズによって価格は変わります。これらを一通りそろえると、少なくとも3〜5万円前後は見込んでおく必要があります。しっかりしたケージやクレートを選ぶと1万円台〜2万円台になることも多く、ベッドやトイレ、首輪・ハーネスなども合わせると、トータル8〜10万円くらいになるケースもめずらしくありません。
アニコム損害保険株式会社の年間支出調査でも、犬にかける費用の中に「ペット用品」の項目があります。ケージやベッドなどの初期の備品は、まとまった出費になりやすいことがうかがえます(※1)。最初から丈夫なものを選んで長く使うか、まずは必要最低限でスタートし、少しずつ買い足すか。家計と相談しながら決めるとよいでしょう。
散歩・お手入れグッズ
屋外での散歩や、日常のお手入れに使うグッズも、迎える前に用意しておくと安心です。
- リード(伸縮タイプとは別に、基本のリードを1本)
- お散歩用のうんち袋・マナー袋
- ウェットティッシュなど簡易ケア用品
- ブラシやコーム(被毛タイプに合うもの)
- 爪切り、犬用シャンプー
これらを一式そろえると、5,000〜1万円前後が目安です。トリミングに定期的に通う予定でも、自宅でのブラッシングや足拭きは欠かせません。ブラシやタオル類は早めに用意しておきましょう。
厚生労働省の補助犬関連資料では、補助犬の飼育に必要な費用の例として「エサ代、予防接種、シャンプーなどの衛生費、ハーネスやトイレシートなど」を挙げ、年間20万円程度と紹介しています(※3)。補助犬という特殊なケースではありますが、日々の衛生管理やグッズに一定のコストがかかる例として参考になります。
犬の登録・マイクロチップ費用
日本では、犬を飼い始めたら市区町村への登録と狂犬病予防注射が法律で義務付けられています。さらに、現在はマイクロチップ装着も推奨・義務化の流れになっており、初期費用に含めて考える必要があります。
市区町村への登録費用
狂犬病予防法により、犬を飼い始めたら30日以内(生後91日以上)に市区町村に登録しなければなりません。多くの自治体では、登録手数料は3,000円前後です。登録後、「鑑札」が交付され、首輪などに着けておく義務があります。
マイクロチップの登録費用
マイクロチップの装着自体は動物病院などで行い、装着料として数千円ほどかかります。さらに、装着したマイクロチップの番号と飼い主情報を登録する費用も必要です。
環境省の資料では、マイクロチップ登録について、「オンラインによる登録手数料は400円、申込用紙による登録は1,000〜1,400円」と示されています(※4)。オンライン登録のほうが費用を抑えやすいものの、パソコンやスマホ操作に不安があれば用紙での登録も選べます。
地震や水害などの災害時、あるいは迷子になったとき、マイクロチップ情報が頼りになるケースは多くあります。登録費用は数百〜千円台ですが、万一の備えとして優先度の高い出費といえます。
初回ワクチン接種費用
子犬を迎える場合、多くはブリーダーやショップで1〜2回目の混合ワクチンを済ませた状態で引き渡されます。その後も、月齢に応じて追加接種が必要です。
- 犬の混合ワクチン:1回あたり5,000〜1万円程度
- 子犬期は2〜3回の接種が必要なことが多い
アニコム損害保険株式会社の年間支出調査では、犬の年間医療費(ケガや病気の治療費)が44,869円と報告されています(※1)。ここには予防接種や健康診断なども含まれると考えられ、医療関連の支出が小さいとはいえないことが分かります。初年度はワクチン回数が多くなるぶん、医療費はやや高めに出ると考えておくと、家計の見通しを立てやすくなります。
このほか、狂犬病予防注射(年1回、3,000円前後+注射済票交付手数料)も必須です。初年度は
- 狂犬病予防注射
- 混合ワクチン2〜3回
- 健康診断
などを合わせて、1万5,000〜3万円前後を見込んでおくと安心できます。
以上を合計すると、犬本体の価格を除いた初期費用は次のようなイメージです。
- 生活必需品・お手入れグッズ:おおよそ5〜10万円
- 登録・マイクロチップ・鑑札:数千円〜1万円程度
- 初回ワクチンや健康診断:1万5,000〜3万円前後
これらを踏まえると、トータル10〜15万円前後を想定しておくと、大きなズレは出にくくなります。迎えたあとで「こんなにかかるとは思わなかった」とならないよう、毎月の飼育費だけでなく、初期費用も含めて準備しておきましょう。
※1 出典:アニコム損害保険株式会社「ペットにかける年間支出調査(2019年)」より。記事「猫は犬に比べてお金がかからないって本当?」内で、犬の年間支出306,801円や、ケガ・病気の治療費44,869円などの金額が示されている。
※2 出典:一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」。令和6年(2024年)調査の「生体価格とペット飼育阻害要因」の項目で、購入費用の高さが飼育のハードルになっていることが報告されている。
※3 出典:厚生労働省「補助犬の貸与について」。補助犬の飼育費用として、エサ代・予防接種・衛生費・ハーネスやトイレシートなどを含めて「年間20万円程度」としている。
※4 出典:環境省「マイクロチップ情報登録に係る手数料について」の資料。オンライン登録400円、申込用紙による登録は1,000〜1,400円であることが示されている。
毎月かかる費用の詳細と平均額

毎月かかるお金は、おおまかに言うと「小型犬で1.5〜3万円前後」「中〜大型犬で3〜5万円前後」が一つの目安になることが多いといえます。ただし、犬種・体格・住んでいる地域、ライフスタイルによって内訳と金額は変わります。項目ごとに把握しておくと、予算を立てやすくなります。
アニコム損害保険株式会社の「ペットにかける年間支出調査(2019年)」では、犬1頭あたりの年間支出は306,801円とされています(※1)。単純に12で割ると月あたり約2万5千円です。日常のフード代やトリミング、医療費などをすべて含めた平均像として参考になる数字といえます。
厚生労働省が補助犬ユーザー向けにまとめた資料では、「エサ代、予防接種、シャンプーなどの衛生費、ハーネスやトイレシートなどの費用」を合わせて年間20万円程度(=月あたり約1万6千円)と記載しています(※3)。補助犬は特別な医療やトレーニング費用が別枠でかかります。「毎月の基本的な飼育費」のイメージとしては参考になる数字です。
ここからは、一般家庭で犬と暮らすケースを想定し、毎月の主な項目ごとの目安を整理していきます。
ドッグフード・おやつ代
ドッグフード代は、毎月の支出の中でもっとも「犬の大きさ」に左右される項目です。一般的には次のようなイメージになる場合が多くなります。
- 小型犬(〜5kg程度):月3,000〜5,000円前後
- 中型犬(5〜15kg程度):月5,000〜8,000円前後
- 大型犬(15kg以上):月1万円以上になるケースが多い
プレミアムフードや療法食を選ぶと、表示カロリーが高くて給餌量が少なく済むこともあります。反対に1kgあたり単価が高くなり、月1万5千円以上かかることもあります。おやつ代も含めると、「体格×フードのグレード」で差がつきやすい項目と考えておくとよいでしょう。
アニコムの年間支出調査(※1)では、フードだけでなくおやつやサプリメントなども含め、「ペットフード・おやつ関連」が犬の支出の大きな割合を占めています。健康のためにフードの質を上げたい場合、家計のどこまでをフードに回すかも考えておく必要があります。
トイレシートなどの日用消耗品
トイレシート、うんち袋、ウェットティッシュ、シャンプータオルなど、日々使い捨てる消耗品も、毎月じわじわ効いてくる費用です。
おおまかな目安は次の通りです。
- 室内トイレ中心の小型犬:月1,000〜2,000円前後
- 中〜大型犬や多頭飼育:月2,000〜3,000円以上になる場合もある
厚生労働省が示す補助犬の飼育費(※3)でも、「トイレシートなどの費用」が毎年の飼育費(年間約20万円)の内訳として明記されています。補助犬は清潔な環境管理がとくに重要で、シート交換の頻度も多いと考えられます。一般家庭でも「ケチりすぎると衛生面でデメリットが出る」と意識しておいたほうがよいでしょう。
ペットシーツはまとめ買いで1枚あたりの単価を下げられることが多いため、ネット通販やドラッグストアのセールを活用すると負担を抑えやすくなります。
トリミング・シャンプー代
トリミング代は犬種によって差が大きく出る項目です。自宅シャンプー中心なら月の出費を抑えられますが、トリミングサロンを利用する場合は次のようなケースが多くなります。
- シャンプーのみ(小型犬):1回3,000〜5,000円
- カット込み(小型犬):1回5,000〜8,000円
- 中〜大型犬(ゴールデンレトリバーなど):1回1万円以上になることもある
月1回サロンに通うと仮定すると、次のような水準です。
- 小型犬:月5,000〜8,000円前後
- 中〜大型犬:月8,000〜1万5,000円前後
アニコムの年間支出調査(※1)では、「シャンプー・カット・トリミング料」は、猫に比べて犬のほうがはるかに高く、年間で数万円単位の差が出ています。トイプードルやビション・フリーゼなど、定期的なカットが必須の犬種が多いことが背景にあります。
自宅シャンプーをメインにして「2〜3回に1回だけプロにお願いする」といった工夫もひとつの方法です。皮膚トラブルのチェックや爪切り・肛門腺ケアだけをサロンに任せるスタイルなら、費用とケアのバランスを取りやすくなります。
ペット保険料
ペット保険は加入の有無で毎月の出費が大きく変わります。万一の医療費リスクを考えると、若いうちから検討しておきたい項目です。
一般的な小型犬・若齢で、通院・入院・手術をカバーする50〜70%補償タイプの保険に入る場合、
- 月2,000〜6,000円程度が一つの目安です。
アニコム損害保険の実際のプラン例では、犬の「70%補償プラン」で月額5,720円程度の保険料が紹介されていることもあります(犬種・年齢により変動)。アニコムの年間支出調査(※1)でも、犬の「ケガや病気の治療費」は年間44,869円と、猫の約2倍と報告されています。保険に入っていない場合、この額がそのまま自己負担になる可能性があります。そのため、
「毎月の保険料を払うか、万が一のときにまとまった治療費を払うか」
というバランスで考える必要があります。
高齢になるほど保険料は上がり、加入条件も厳しくなります。子犬〜成犬のうちから検討しておくと選択肢が広がります。
光熱費(冷暖房・電気代)
見落としがちですが、犬と暮らすとエアコンの稼働時間が伸びる分の光熱費も増えます。日本の夏は高温多湿で、熱中症対策として日中もエアコンをつけっぱなしにする家庭が多くなっています。
- 夏・冬のピーク時:月数千円〜約1万円前後の上乗せになるケースが多い
厚生労働省が示す補助犬の年間飼育費(約20万円)(※3)には、主にエサ代や衛生費、トイレシートなどが含まれます。光熱費は含まれていないと考えられますが、実際にはここに冷暖房代が加わっていると見ると現実に近いでしょう。
一人暮らしで日中不在の時間が長い場合も、真夏や真冬は「完全にエアコンを切る」のではなく、設定温度を調整したり、遮光カーテンやサーキュレーターを併用したりする工夫が重要です。犬の体調と電気代のバランスを取る工夫が求められます。
これらを合計すると次のようなイメージになります。
- 小型犬:フード3,000〜5,000円+消耗品1,000〜2,000円+トリミング5,000〜8,000円+保険2,000〜6,000円+光熱費上乗せ2,000〜4,000円 = 概ね1.5〜3万円前後
- 中〜大型犬:フード7,000〜1万5,000円+消耗品2,000〜3,000円+トリミング8,000〜1万5,000円+保険3,000〜6,000円+光熱費上乗せ3,000〜5,000円 = 概ね3〜5万円前後
アニコムの年間支出額(年間約30万円=月約2.5万円)(※1)や、補助犬の年間飼育費(年間約20万円=月約1.6万円)(※3)と照らし合わせても、大きく外れてはいない金額帯です。これらの平均値を踏まえ、自分の生活スタイルや希望する犬種に合わせて、少し余裕を持った毎月の予算を組んでおきましょう。
年に1〜数回かかる定期的な医療・予防費

日々のフード代などとは別に、犬には年に1〜数回、必ず発生する医療・予防費があります。この部分を「臨時出費」として考えるのではなく、あらかじめ年間予算に組み込んでおくことが大切です。
ペット保険会社アニコム損害保険の「ペットにかける年間支出調査(2019年)」では、犬1頭あたりの年間支出は306,801円とされています(※1)。この中には医療・予防関連の費用も含まれます。同社の別資料では、犬の年間予防費の平均が27,653円というデータもあり(※2)、単純に12で割ると、月あたり約2,300円前後を「予防のための積み立て」と考えておくと現実的です。
予防費の中身は「どの予防をどの程度行うか」で変わります。代表的な項目ごとに目安を整理します。
狂犬病予防接種(義務)の費用
日本では、犬の飼い主には毎年1回の狂犬病予防注射と、市区町村への登録が法律で義務付けられています(狂犬病予防法)。自治体の案内を見ると、集合注射・個別接種ともに1回あたりおおむね2,000〜5,000円前後に収まるケースが多くなっています。日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年度)」でも、予防注射の料金に病院ごとの幅があるとされています(※3)。このくらいのレンジで見込んでおくとよいでしょう。
狂犬病ワクチンは、日本国内では発生がない状態が続いています。ただし、国としては侵入防止の体制を維持しており、個々の飼い主による毎年の接種が前提になっています。費用としては年1回だけですが、「法律上必須の固定費」と考え、他の予防とあわせて毎月少しずつ積み立てておくと管理しやすくなります。
混合ワクチン接種の費用
パルボウイルスやジステンパーなど、命に関わる感染症をまとめて防ぐのが混合ワクチンです。2種〜9種混合まで種類があり、対応する病気の数が増えるほど料金も上がる傾向があります。アニコムや各動物病院の料金案内を総合すると、
- 小型犬〜中型犬:5,000〜10,000円/回
という価格帯がよく見られます。子犬期には複数回接種が必要ですが、成犬になってからは年1回または数年に1回の追加接種を勧める病院が一般的です。日本獣医師会の調査でも、ワクチン関連は病院によって料金差が大きいとされています(※3)。
費用感としては、成犬で年間5,000〜1万円程度(=月あたり約400〜800円)を目安に積み立てておくと安心です。多頭飼いの場合は頭数分のワクチン費用がかかるため、この項目だけで1万円を超えることもあります。
フィラリア・ノミダニ予防薬の費用
犬の命を奪うこともあるフィラリア症は、「蚊を介して感染する寄生虫」が原因です。日本では、一般的に蚊が出始める春〜初冬(おおむね4〜12月頃)に月1回の予防薬を投与することが推奨されています。予防薬には錠剤・チュアブル・スポットタイプなどがあり、体重によって金額も変わります。多くの動物病院の価格を参考にすると、
- 小型犬:年間1〜1.2万円前後
- 中〜大型犬:年間1.5〜2万円以上になるケースもある
といったレンジが目安です。月換算すると、小型犬で約1,000円前後〜、大型犬では2,000円前後〜と考えておくと、実際の見積もりと大きくはずれにくくなります。
同じ時期に行うことが多いのがノミ・マダニの予防です。フィラリアと一体型になったオールインワンタイプの薬も増えています。単独のノミダニ予防薬は、
- 1〜3カ月に1回投与で、1回あたり1,000〜2,000円前後
といった価格帯がよく見られます。フィラリア予防と組み合わせると、年間で1〜2万円前後(小型犬の場合)の出費になるケースが多く、体重が重くなるほど1回分の薬代も上がります。
アニコム損保の「年間予防費 平均27,653円」という数字(※2)には、こうしたフィラリア・ノミダニの予防費も含まれていると考えられます。おおよその予算としては、次の通りです。
- 小型犬:フィラリア・ノミダニなどで年間2万円前後(=月約1,600円)
- 中〜大型犬:年間2〜3万円以上(=月約1,600〜2,500円)
健康診断の費用
ワクチンや予防薬と比べると「必ず全員が受けるもの」ではありません。それでも、シニア期に入る前後(7歳前後)から、年1回以上の健康診断を勧める動物病院は多くなっています。日本獣医師会の診療料金実態調査(令和3年度)では、診察料・血液検査・画像検査などの個別料金が細かく掲載されています(※3)。これらを組み合わせた「健康診断パック」を設定している病院も多くなっています。
具体的な金額は病院や検査内容で変わりますが、
- 身体検査+血液検査中心のコース:1回1万〜2万円前後
- レントゲンや超音波検査まで含めた充実コース:1回2万〜3万円以上
といった設定が目安です。若い成犬のうちは簡易コースを1年おきに、シニア犬になったら毎年または年2回といった頻度を提案されることもあります。年1回1万〜2万円を目標に、健康診断用の積み立てをしておくと安心感が増します。
これらをまとめると、狂犬病予防接種・混合ワクチン・フィラリア&ノミダニ予防・健康診断などを合計した年間の医療・予防費は、アニコムの平均値(27,653円)(※2)から、その1.5倍程度に収まるケースが多くなります。月あたりに均すと2,000〜3,000円台です。毎月の生活費にこの分を上乗せし、「予防費はあらかじめ積み立てる」という考え方で家計を組み立てていくと、急な出費にも慌てずに対応しやすくなります。
※1 アニコム損害保険株式会社「ペットにかける年間支出調査(2019年)」:犬の年間支出額306,801円と報告。
※2 アニコム損害保険株式会社 公表データより:犬1頭あたりの年間予防費平均27,653円。
※3 公益社団法人 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年度)」:診療料金は動物病院ごとに獣医師が個別に設定し、予防注射・検査など各項目の料金に幅があると説明。
突発的・臨時でかかる費用に備える

毎月のフード代やワクチン代とは別に、犬と暮らしていると「たまに、でもまとまった金額」が必要になる場面が出てきます。去勢・避妊手術、病気やケガの治療、旅行や出張時のペットホテル利用、しつけ教室などが代表例です。これらの費用を事前にイメージしておくと、「犬の飼育費は月いくらあれば安心か」を具体的に考えやすくなります。
目安としては、これから紹介する突発費用に備え、毎月1万円前後を別枠で積み立てると、多くのケースで対応しやすくなります。
去勢・避妊手術の費用
生後半年〜1年前後で検討することが多い去勢・避妊手術は、一度きりとはいえ、まとまった金額が必要になる代表的な出費です。日本獣医師会が行った「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)」では、犬の去勢(オス)手術費用について、
「最も多い価格帯は15,000~20,000円未満」
と報告されています(※1)。避妊(メス)手術では、卵巣子宮を摘出する「卵巣子宮全摘出術」が一般的で、
「25,000~30,000円未満が最も多い価格帯」
とされており(※1)、オスよりメスのほうが高くなる傾向が明確です。
日本獣医師会は同じ調査の中で、診療料金についても触れています。
「獣医師の診療料金は…獣医師が各自で料金を設定し、競争できる体制を維持しなければならない」
と説明しており(※2)、動物病院ごとに差があることも示しています。実際には、体重の大きい中型犬・大型犬ほど麻酔量や手術時間が増え、2〜3万円台後半になることも多くなります。
一部の自治体では、飼い犬・飼い猫の繁殖制限や殺処分数の削減を目的に、去勢・避妊手術への補助制度を用意しています。たとえば三重県松阪市では「飼い犬・飼い猫の去勢・避妊手術費補助金制度」を実施し、
「メス1頭につき3,000円、オス1頭につき2,000円」を上限に手術費の一部を補助
する仕組みを設けています(※3)。金額は自治体ごとに異なりますが、似た制度がある市区町村は少なくありません。住んでいる地域の市役所・区役所のサイトで「犬 避妊 補助金」などと検索し、確認しておくと安心です。
去勢・避妊手術だけを見ると、2〜4万円程度を一度に用意するイメージになります。迎え入れてから1年以内に行うことが多いため、毎月3,000〜5,000円程度を積み立てておくと無理なく準備しやすくなります。
病気・ケガの治療費
予防をしていても、思わぬケガや病気で動物病院に駆け込むことはあります。ペット保険大手のアニコム損害保険株式会社が行った「ペットにかける年間支出調査(2019年)」によると、犬1頭あたりの年間支出額306,801円のうち、
「ケガや病気の治療費」は44,869円
と報告されています(※4)。ワクチンやフィラリア予防などの「予防費」とは別に発生した治療費の平均で、「1年で4万5千円前後は、何らかの病気やケガの診療に支払っているケースが多い」という実態が分かります。
年によって差は大きく、何もトラブルがなければ治療費がほとんどかからない年もあります。骨折や誤飲、緊急の開腹手術などが起きると、10万〜30万円単位の出費になることもあります。日本獣医師会の診療料金調査でも、個々の診療について「診療項目を細かく分けて示しており、実際に支払う金額は各項目を合算したものになる」と注意書きがあります(※2)。検査・入院・手術が重なれば、一気に高額になると理解しておきたいところです。
こうしたブレをならす意味で、「年間平均4万〜5万円」=月あたり4,000円前後を「病気・ケガ用の積み立て」として確保しておくと、安心感が高まります。保険に加入している場合でも、自己負担分や保険適用外の治療費に充てるつもりで、毎月の生活費とは別に取り分けておくとよいでしょう。
ペットホテル・ペットシッター代
旅行や出張、冠婚葬祭などで数日家を空けるときには、ペットホテルやペットシッターの利用を検討する場面が出てきます。料金は地域やサービス内容によって幅がありますが、一般的な目安として、小型犬で1泊3,000〜8,000円前後となることが多くなっています。
ペット保険会社や大手ペットサービス企業が公表している相場でも、小型犬の一時預かり・宿泊料金は次のように紹介されています。
「1泊あたり数千円〜1万円弱の価格帯が中心」
トリミング付き、個室タイプ、24時間スタッフ常駐など条件が良くなるほど、料金は上限に近づきます。中型犬・大型犬ではスペースやスタッフ数が必要になるため、1.2〜1.5倍程度の料金設定になることも多くなります。
自宅を訪問して世話をしてくれるペットシッターは、1回あたりの訪問(30〜60分程度)で2,000〜4,000円前後が目安です。宿泊はしませんが、環境変化のストレスを減らしたい犬には選びやすい方法です。
「年に1〜2回、数日間の旅行に出る」ライフスタイルなら、年間1万〜3万円程度を想定しておくと計画を立てやすくなります。月あたりに直すと1,000〜2,500円程度を「お預け費用」として積み立てておくと、急な用事にも対応しやすくなります。
しつけ教室・トレーニング費用
吠えグセや噛みグセ、トイレの失敗、散歩時の引っ張りなど、多くの飼い主が一度は悩むポイントに対して、プロのトレーナーに相談する方法もあります。アニコムの年間支出調査でも、犬の費用内訳として、
「しつけ・トレーニング料」が犬では数千円〜数万円かかっている一方、猫ではほとんど発生していない
と示されています(※4)。「犬と暮らすライフスタイルならではの支出」といえる費目です。
一般的なグループレッスンでは、月数回のコースで月1〜2万円前後が一つの相場です。個別レッスンや家庭訪問型では、1回あたり5,000〜1万円前後になることも少なくありません。問題行動の内容によっては、数カ月〜半年ほど継続して通うケースもあり、トータルでは数万円〜十数万円規模の出費となります。
しつけ教室に通う時期は、子犬期〜成犬初期の限られた期間であることが多くなります。「人生の中で集中的にお金をかけるタイミング」と捉えることもできます。「いつか必要になるかもしれない教育費」として、毎月2,000〜3,000円程度を積み立てておき、必要になったときにまとめて使うという発想で準備しておくと、いざというとき迷わず相談しやすくなります。
このように、去勢・避妊手術、病気・ケガ、預かりサービス、しつけ教室など、突発的・臨時でかかる費用は「いつ・いくら必要になるか」の予測が難しい一方で、実際に発生したときは数万円単位になることが多くなります。アニコムの調査が示す年間治療費約4万5千円(※4)や、日本獣医師会の手術費用の目安(※1)を踏まえると、次のような規模感を前提に考えておくとよいでしょう。
- 去勢・避妊手術…総額2〜4万円(若い時期に一度)
- 治療費…平均年間約4.5万円
- ペットホテル・シッター…年間1〜3万円
- しつけ教室…通う期間に数万〜十数万円
この水準を踏まえ、毎月1万円前後を「突発費用」用の口座や封筒に分けておくと、家計へのダメージを抑えやすくなります。「犬の飼育費は月いくらかかるか」を考える際、この積み立てもセットで組み込んでおくと、長く安心して暮らすための土台づくりになります。
※1 公益社団法人 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)」:犬の去勢手術費用は15,000〜20,000円未満、避妊(卵巣子宮全摘出術)は25,000〜30,000円未満が最多価格帯と報告。
※2 公益社団法人 日本獣医師会「小動物診療料金」:獣医師の診療料金は各獣医師が個別に設定し、病院ごとに格差があると説明。
※3 松阪市「飼い犬・飼い猫の去勢・避妊手術費補助金制度」:松阪市在住の飼い主を対象に、犬・猫の去勢・避妊手術費の一部(メス3,000円、オス2,000円など)を補助する制度を公表。
※4 アニコム損害保険株式会社「ペットにかける年間支出調査(2019年)」:犬の年間支出額306,801円のうち、ケガや病気の治療費は44,869円と報告。カテゴリ別支出として、しつけ・トレーニング料等が犬では発生している一方、猫ではほとんど発生していないことを示す。
犬の飼育費を年間・生涯トータルで計算すると?

年間費用の合計シミュレーション
月いくらかかるかを考えるとき、「年間トータル」で見たほうがイメージしやすくなります。客観的なデータに触れながら、全体像をつかんでおきましょう。
ペット保険大手のアニコム損害保険株式会社が行った「ペットにかける年間支出調査(2019年)」では、犬1頭あたりの年間支出額は306,801円と報告されています(※4)。この記事では「犬は約30万円、猫は約16万円」とまとめ、犬の内訳として「ケガや病気の治療費」は44,869円と紹介しています(※4)。治療費だけで年間約4.5万円というのは、思ったより大きいと感じる人も多いでしょう。
この306,801円を12カ月で割ると、月あたり約25,500円です。「犬の飼育費は月いくらかかるか?」という問いに対して、アニコム調査の平均像で答えるなら、月2万5千円前後がひとつの目安といえます。
平均額のままだと自分の生活に当てはめにくいため、主な項目ごとにざっくりシミュレーションしてみると、次のようなイメージになります。
| 項目 | 月あたりの目安 | 年間の目安 |
|---|---|---|
| フード・おやつ | 6,000~8,000円 | 72,000~96,000円 |
| ワクチン・健診積立 | 2,000~3,000円 | 24,000~36,000円 |
| ノミ・ダニ・フィラリア薬 | 2,000~3,000円 | 24,000~36,000円 |
| トリミング・シャンプー | 3,000~5,000円 | 36,000~60,000円 |
| トイレ用品・日用品 | 2,000~3,000円 | 24,000~36,000円 |
| しつけ・ペットホテル等 | 2,000~4,000円 | 24,000~48,000円 |
| 医療費(治療費積立) | 4,000~5,000円 | 48,000~60,000円 |
| ペット保険 | 2,000~4,000円 | 24,000~48,000円 |
| 合計(目安) | 23,000~35,000円 | 276,000~420,000円 |
この表の「医療費(治療費積立)」部分は、アニコムの年間治療費44,869円(※4)を参考に、毎月4,000〜5,000円ずつ取り分けておくイメージです。実際の支出は年によって上下しますが、「平均するとこのくらいは出ていく」と意識しておくと、急な出費にも備えやすくなります。
実務的には、次の3つに分けて考えると管理しやすくなります。
- 「毎月かかるもの」(フード・日用品・保険料など)
- 「年に数回のもの」(ワクチン、トリミング、旅行時の預かりなど)
- 「いつ来るか分からないもの」(ケガ・病気の治療費)
それぞれに毎月の“積立額”を決めておくと、家計管理がしやすくなります。たとえば、
- 現在の固定費:月18,000円(フード・日用品・保険など)
- 年払いや突発用の積立:月10,000円
という形で合計月28,000円を「犬の費用」として家計に組み込むと、アニコム調査の平均像に近いラインをカバーしやすくなります。
生涯費用(15年)の目安は200万円以上
年間で見ると30万円前後ですが、「平均寿命まで一緒に暮らすと合計いくらかかるか」も気になるところです。近年の統計では、小型犬〜中型犬の平均寿命はおおよそ14〜15歳前後とされることが多く、ここでは分かりやすく15年を目安として考えます。
アニコムの年間支出額306,801円(※4)が15年間続いたと仮定すると、
306,801円 × 15年 = 4,602,015円
となり、460万円超という数字になります。この中に「犬の購入代金」や「ケージ・ベッド・首輪・食器などの初期費用」は含まれていません。これらも加えると総額はさらに大きくなります。
もう少し堅実寄りの試算もあります。ファイナンシャル・プランナー(FP)がnote上で、豆柴を飼うにあたって「年間約60万円(月5万円)」を目安として試算している事例では、
- フード・日用品・トリミング
- 医療費・ペット保険
- ペットホテルやしつけ教室
- 予備費
などを手厚めに見込んだうえで、家計の中で無理なく続けられる範囲として年60万円と設定しています。これを15年続けると、
600,000円 × 15年 = 900万円
となり、アニコム平均(約460万円)よりかなり高くなります。ただし、このFPの事例は「安全側に寄せたゆとりある数字」であり、実際の支出が毎年60万円になるとは限りません。
それでも、両方の一次情報に共通して見えてくるのは次の点です。
- 「生涯トータルで200万円程度あればよい」という感覚では足りない
- 平均的な生活水準でも300万〜500万円規模は想定しておいたほうが安心
「犬の生涯費用は200万円以上」という目安は、かなり控えめなラインと考えておいたほうが現実的です。
実際の生活では、多くの犬で次のようなパターンが見られます。
- 若いころ:ワクチンや予防薬が中心で、治療費は少なめ
- シニア期:持病や通院が増え、医療費が一気に上がる
アニコムの年間支出306,801円(※4)は、年齢別の差をならした“平均”に近い数字と考えられます。シニア期には年間費用が40〜50万円を超えるケースもめずらしくありません。
その意味でも、「生涯トータルで最低でも200万円以上、できれば300〜500万円程度までを視野に入れておく」といった長期目線の準備が、大きな安心につながります。
犬種・サイズ別の生涯費用の差
同じ「犬」でも、犬種や体格によってかかるお金は大きく変わります。一般的には次のような傾向があります。
- 大型犬ほどフード代・医療費が高くなりやすい
- 小型犬は1回あたりの費用は抑えやすいが、長生きするぶんトータルは安いとは限らない
たとえば、ドライフードの給与量は体重にほぼ比例します。
- 5kg前後の小型犬:1カ月のフード代が3,000〜5,000円前後
- 25〜30kgクラスの大型犬:1カ月で1万円を超えることが多い
同じ「去勢・避妊手術」や「全身麻酔を伴う検査・処置」でも、体重が重いほど薬剤量が増え、診療費が高くなります。日本獣医師会の調査でも、手術費用は犬のサイズや病院によって差があるとしつつ、犬の去勢手術の最多価格帯は15,000〜20,000円未満、避妊手術は25,000〜30,000円未満と報告されています(※1、※2)。大型犬では、このレンジより高くなるケースも少なくありません。
アニコムの年間支出調査(※4)では、「しつけ・トレーニング料」「シャンプー・カット・トリミング料」「遊べる施設」「洋服」など、犬ならではの費目でまとまった支出が発生していると指摘されています。大型犬はトリミング料金も高めに設定されることが多く、シャンプー1回でも小型犬の倍近い金額になることもあります。
これらを踏まえ、ざっくりとしたサイズ別の生涯費用イメージをまとめると、次のようになります(15年換算・生体代や初期費用を除いた「日常の飼育費+医療費」の目安)。
| サイズ・タイプ | 想定寿命 | 年間の目安レンジ | 生涯費用の目安(15年換算) |
|---|---|---|---|
| 小型犬(チワワ・トイプー等) | 14〜15年 | 25〜35万円前後 | 約375〜525万円 |
| 中型犬(柴犬・コーギー等) | 13〜15年 | 30〜40万円前後 | 約450〜600万円 |
| 大型犬(ラブラドール等) | 10〜13年 | 35〜50万円前後 | 約350〜650万円(寿命差あり) |
「大型犬は寿命がやや短いぶん、生涯費用は抑えられるのでは」と考える人もいるかもしれません。実際には1年あたりの支出が高くなりやすく、結果として300万円台後半〜600万円超になる試算も多く見られます。とくに次のようなケースでは、その傾向が強く出ます。
- 関節疾患や腫瘍など、大型犬に多い病気で高額治療が続いた場合
- ペット保険も手厚いプランを選び、その分保険料が重なった場合
小型犬は1回あたりのエサ代や薬代は少なめですが、長生きしやすく、シニア期が長くなることもあります。前述のFPによる豆柴の試算のように、「暮らしをかなり充実させる」前提でシミュレーションすると、小型犬でも生涯800〜900万円クラスになる計算もあり得ます。
まとめると、次のような感覚を持っておくと、今後の計画を立てやすくなります。
- 「犬種・サイズが違えば、月いくらかかるかも、生涯いくらかかるかも大きく変わる」
- 一般的な平均像としては、生涯200万円では足りず、300〜500万円をひとつのレンジとして考えておく
自分の愛犬の犬種・体格・健康状態を踏まえ、ここで紹介した一次情報の数字を“たたき台”にして、自分なりの年間・生涯シミュレーションを組み立てていくことが大切です。
犬の飼育費を賢く節約する方法

犬との暮らしにはお金がかかりますが、やみくもに削ると健康や安全に悪影響が出るおそれがあります。「どこなら無理なく節約できるか」を見極めることが大切です。
アニコム損害保険が行った「ペットにかける年間支出調査」では、犬の年間費用は約30万円、そのうち「ケガや病気の治療費」は44,869円、「シャンプー・カット・トリミング料」や「しつけ・トレーニング料」なども数千~数万円かかっているとされています(2019年調査)(※1)。医療費と美容・サービス費が大きな割合を占めるため、ここを上手にコントロールできれば、毎月の「犬の飼育費」を抑えやすくなります。
以下では、愛犬の健康や快適さを損なわずにできる、現実的な節約ポイントを紹介します。
セルフグルーミング・ブラッシングで美容代を抑える
アニコム損保の年間支出調査によると、犬では「シャンプー・カット・トリミング料」が猫より明らかに高く、費用差の一因になっています(※1)。トリミングやシャンプーにかけるお金を工夫するだけでも、年間コストは変わってきます。
トリマーの利用をすべてやめる必要はありません。次のような工夫でペースを落とし、月あたりの支出をならすことは十分可能です。
- ブラッシングを自宅でこまめに行う
・毛玉やもつれを防ぐと、トリミングサロンでの作業時間が短くなり、追加料金を避けやすくなる。
・換毛期に抜け毛をしっかり取ることは皮膚トラブル予防にもつながり、結果として医療費の節約にも役立つ。 - 短毛種なら自宅シャンプーをメインにする
・月1回サロンでシャンプーしていたのを「2回に1回は自宅」に変えるだけでも、年間で数千〜1万円以上の差になる。
・滑りにくいマットを敷いた浴室と、犬用シャンプー・吸水タオルがあれば、慣れれば30〜40分程度で終えられることも多い。 - プロに任せる部分を絞る
・顔周り・足裏・肛門まわりのカットなど、失敗しやすいところだけ定期的にサロンで整えてもらう。
・日常のブラッシングや部分的なシャンプーは自宅で行うスタイルなら、安全と節約のバランスを取りやすい。
とくにトリミング犬種(トイ・プードル、シュナウザーなど)は、カット頻度を少し伸ばすだけでも年間数万円の違いになることがあります。「プロ:自宅ケア=1:1」など、自分の手入れできる範囲を探っていくとよいでしょう。
ドッグフードのまとめ買い・コスパ重視の選び方
ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」では、犬の支出項目としてフード費のウエイトが大きいことが示されています(※2)。毎日発生する固定費なので、ここを賢く管理するかどうかで、「犬の飼育費は月いくらかかるか」が変わりやすくなります。
節約のポイントは、「安さだけで選ばないこと」と「単価を下げる工夫」を両立させることです。
- 大袋・まとめ買いで1kgあたりの単価を下げる
・同じ銘柄でも、1kg袋と3kg袋では1kgあたりの価格が大きく違うことがある。
・開封後の劣化も進むため、小型犬で食べきるまでに時間がかかる場合は、2〜4週間程度で使い切れるサイズを目安にする。 - 公式サイトや定期購入の割引・ポイント制度を活用する
・メーカー公式サイトや通販サイトの定期便は、5〜10%程度の割引やポイント還元がつくケースが多い。
・合わなかった場合の解約条件(回数縛りなど)は事前に確認しておくと安心できる。 - 栄養バランスと原材料を確認しつつ、妥当な価格帯を探す
・獣医師の推奨や総合栄養食の表示があるか、給与量とカロリーのバランスが適切かをチェックする。
・プレミアムフードにこだわりすぎて他の項目を圧迫するより、「続けやすく、健康維持に必要なライン」を見つけるほうが長期的には得策になる。
食費は、健康を守るための“投資”でもあります。安さだけを追うのではなく、「その価格でどの程度の品質と安心が得られるか」という視点で見直すと、ムダを削りつつ、結果的に医療費リスクも下げやすくなります。
ペット保険の比較・見直しで保険料を最適化する
アニコム損保の年間支出調査では、犬の「ケガや病気の治療費」が年間44,869円と、猫の約2倍であると報告されています(※1)。犬では医療費が家計への大きな負担になりやすいことが分かります。
医療費のリスクに備える方法のひとつがペット保険です。ただ、「なんとなく有名だから」「とりあえずフルカバーで」と選ぶと、月々の保険料がふくらみがちです。次のポイントをもとに、いまのプランが適切か一度見直してみる価値があります。
- 補償割合・補償上限を見直す
・通院・入院・手術すべてを70〜90%カバーする手厚いプランは安心感が高いが、その分保険料も高くなる。
・貯蓄状況や愛犬の年齢・持病の有無によっては、「50%補償+高額医療に備えるタイプ」に切り替えて、月々の負担を抑える選択肢もある。 - 免責金額や自己負担額を確認する
・1回あたり一定額は自己負担になる免責ありプランは、軽い診察では自費になる代わりに、保険料が安めなことが多い。
・「皮膚トラブルや外耳炎などの軽い通院は自費で対応し、大きな病気だけ保険でカバーしたい」家庭には向きやすい。 - 年齢制限や更新時の条件も確認する
・高齢になると新規加入できない、あるいは保険料が急に上がる商品もある。
・「シニア期まで継続した場合の保険料推移」をシミュレーションし、複数社で比較することが大切になる。
毎年の更新時に、複数社の見積もりを取り、補償内容と保険料のバランスを見比べる習慣をつけておくと、「何となく高いプランを続けていた」というムダを避けやすくなります。
予防ケアを徹底して医療費を最小化する
犬の年間支出で「ケガや病気の治療費」が大きな割合を占めるというアニコム損保の調査結果は、裏を返せば「予防で防げる病気を減らせば、大きな節約になる」とも読めます(※1)。
予防医療は一見出費ですが、重症化した場合の高額な治療費を考えると、長期的には家計を守るための対策といえます。
- ワクチン・フィラリア・ノミダニ予防は“必須の固定費”として確保
・これらを怠ると、命に関わる感染症や寄生虫症にかかり、入院や長期治療で数万円〜十数万円の支出になるおそれがある。
・地域や病院によって費用差があるため、引っ越しや動物病院の見直し時には料金も含めて比較しておきたい。 - 年1回の健康診断で早期発見を目指す
・シニア期には年2回の健診をすすめる獣医師も多い。検査費用はかかるが、腫瘍や内臓疾患を早期に見つけられれば、治療も少ない負担で済む可能性が高まる。
・持病のある犬では、かかりつけ医と相談し、最低限必要な検査内容と頻度を決めておくと、ムダな検査を減らしつつ安心を確保しやすい。 - 日常の体調チェックを習慣化する
・食欲・排泄・飲水量・歩き方・皮膚や被毛の状態など、毎日の変化に早く気づければ、軽症のうちに診てもらいやすい。
・通院回数や薬代を抑えられるだけでなく、愛犬の負担も軽くできる。
予防に使うお金は、「いざというときの治療費」と「愛犬のつらさ」を減らすための先行投資と考えると、優先順位をつけやすくなります。
電力会社の見直しで光熱費を削減する
補助犬の貸与に関する案内では、盲導犬などの飼育費として「エサ代、予防接種、シャンプーなどの衛生費、ハーネスやトイレシートなどの費用」を合わせて年間20万円程度とされています(※3)。これは一例ですが、犬の飼育費には光熱費も含まれると考えておく必要があります。
近年の電気代高騰もあり、「犬がいるからエアコンを止められない」「留守番中も冷暖房をつけている」という家庭では、電気代の負担が大きく感じられることもあります。愛犬の熱中症リスクを考えると、夏場の冷房や真冬の暖房を極端に削ることはできません。ただ、次のような工夫で「快適さは保ちながらムダな電力」を減らすことはできます。
- 設定温度を“犬にも人にも無理のない範囲”で見直す
・環境省は夏の冷房の目安として28℃、冬の暖房の目安として20℃を示しています。犬種や年齢、持病によって適温は変わりますが、真夏に24〜25℃設定で冷やしていた場合、28℃前後に上げてサーキュレーターで空気を回すだけでも、電気代が抑えられる可能性があります。 - 断熱・保温グッズを併用する
・夏は遮光カーテンやすだれ、冬は断熱シートやペット用の保温マットを活用することで、エアコンの効きをよくし、設定温度を少し控えめにできます。
・犬がよく過ごす場所を中心に対策すると、コストパフォーマンスも上がります。 - 電力会社・料金プランの見直しを検討する
・昼間に家を空け、夜間に犬と過ごす時間が長い家庭では、時間帯別料金プランに変えることで電気代が下がることもあります。
・ペット世帯向けキャンペーンを行う電力会社もあるため、一括比較サイトなどで一度シミュレーションしてみる価値があります。
電気代は「犬のためだから仕方ない」とあきらめてしまいがちです。設定温度や断熱、料金プランの工夫など、健康を守りながらできる工夫は多くあります。犬の飼育費を無理なく抑えるには、こうした固定費を“質を落とさずにスリム化する”発想が欠かせません。
犬を飼う前に知っておきたいお金の準備と心構え

犬との暮らしは楽しい一方で、毎月のごはん代や医療費、住まいの条件など、お金の負担も現実に発生します。ここでは「毎月いくらあれば安心か」「どのくらい貯金しておけばいいか」を、実際の相談事例や記事を踏まえて整理します。
月いくら稼いでいれば犬を飼える?収入の目安
犬の飼育費は犬種や体格、住んでいる地域によって差があります。中型〜大型犬では、「月3〜5万円」が一つの目安と考えられます。Yahoo!知恵袋のゴールデン/ラブラドール飼育者の回答では、ラブラドールレトリバーについて次のように述べられています。
ご飯やおやつ代 (毎月3万円~4万円)…通院&薬代(毎月4000円)…ゴールデンレトリバーならば月一程のトリミング費用が必要です。月1万以上します。ちなみにペット保険に加入するなら、これらに毎月の保険料がプラスされます。
フード・オヤツだけで3〜4万円、さらに医療費やトリミング、保険料などが積み上がっています。小型犬ならここまで高額にならないケースも多いですが、「犬 飼育費 月 いくら」で調べている段階では、少し余裕を見ておいたほうが安全といえます。
家計としては、「手取り月収の1〜2割以内に犬関連の出費が収まると安心」という考え方があります。月3〜5万円の飼育費を賄うには、手取り20万円以上が一つの目安になります。家賃や自分の生活費を払ったあとに、毎月安定して3万円前後を犬に回せるかどうか、確認しておきたいところです。
とくに一人暮らしで大型犬を検討している場合、前述の知恵袋回答者も次のように指摘しています。
私が住んでる県は、そもそも大型犬と暮らせる家が少ないです。狭すぎる家では犬にストレスどし、やっと見つけても家賃めちゃくちゃ高いか古いか…
「フード代+医療費」だけでなく、「住居コストの上乗せ」も考える必要があります。手取り20万円ぎりぎりで犬を迎えると、家賃か犬のどちらかを削らざるを得ない状況に陥りやすいといえます。将来の昇給見込みや同居人の有無なども含め、少し長い目線で試算しておきたいところです。
突発的な医療費のための貯蓄額の目安
毎月のごはん代とは別に、もっとも差が出やすいのが「突発的な医療費」です。ケガや急な病気で、一度に数万円〜十数万円かかることも珍しくありません。ペット保険比較サイト petfamilyins では、犬の診療費について次のように説明しています(内容要約)。
手術や入院が必要な場合、治療費が10万円を超えるケースも少なくありません。特に大型犬では金額が高くなりやすく、20万〜30万円規模の出費になることもあります。
こうしたリスクを踏まえ、同サイトでは次のように提案しています(要約)。
突発的な医療費に備え、50万〜100万円程度の予備資金を用意しておくか、あるいはペット保険に加入して自己負担額を抑えることが望ましいでしょう。
現実的な方針としては、次のような段階的な考え方もあります。
- 日々の生活費とは別に、「犬のための緊急資金」を最低10万〜20万円
- 数年かけて、可能であれば50万円前後まで積み増していく
とくに若いうちから大型犬を迎える場合、シニア期の医療費が高額になりやすいと考えられます。「今は元気だから」と油断せず、毎月数千円〜1万円を“犬用貯金”として別口座に積み立てておくと、いざというときに心強く感じられます。
ペット保険加入のメリット・デメリット
医療費への備えとしては、「貯金」に加えて「ペット保険」も選択肢です。先ほどの知恵袋回答者は、次のように書いています。
ちなみにペット保険に加入するなら、これらに毎月の保険料がプラスされます。アニコム70%に加入中です。手術になった時の手術特化型の保険(こちらはアイペット)にも加入しています。(5歳現在で通院保険→5720円、手術保険→2080円)
このケースでは、月額約7,800円を保険料として支払っています。保険料は犬種・年齢・補償内容によって変わりますが、「月数千円〜1万円前後」が一つの相場です。
ペット保険の主なメリットは次の通りです。
- 高額な手術・入院費が発生したとき、自己負担を大きく減らせる
- 「お金がないから治療をあきらめる」状況を避けやすい
- 毎月一定額を払うことで、医療費を“ならす”ことができる
一方で、デメリットもあります。
- 健康なうちは「掛け捨て」で終わる可能性がある
- 年齢が上がると保険料が徐々に高くなる
- 補償対象外の病気や条件がある
petfamilyins でも、ペット保険について次のような趣旨で説明しています(要約)。
すべての診療費が補償されるわけではなく、慢性疾患や高齢期には更新が難しくなるケースもあります。保険と貯蓄をバランスよく組み合わせることが大切です。
「毎月の固定費はできるだけ抑えたい」なら貯蓄中心、「急な高額出費が怖い」なら保険+貯蓄というように、自分の性格や家計状況と相談しながら決めていくのが現実的です。
賃貸・マンションでの追加コストも忘れずに
犬と暮らすには「お金」だけでなく、「住まい」の条件も無視できません。とくに賃貸・マンションでは、次のようなポイントを押さえておく必要があります。
- ペット可物件は、同条件のペット不可物件より家賃が高めになりやすい
- 敷金・礼金が1〜2カ月分上乗せされることがある
- 大型犬不可、小型犬のみ可など、サイズ制限がある
先ほどの知恵袋回答者が述べていたように、
そもそも大型犬と暮らせる家が少ないです。…やっと見つけても家賃めちゃくちゃ高いか古いか…
という状況は、多くの地域で共通していると考えられます。小型犬でも、
- ペット可にした時点で家賃が数千円〜1万円上がる
- 退去時のクリーニング費用が高めに設定される
といった追加コストが発生しがちです。
さらに、犬の吠え声や足音が原因で近隣トラブルになり、引っ越しを余儀なくされることもあります。その際には次のような費用がかかります。
- 引っ越し代
- 新居の敷金・礼金・仲介手数料
- 新しい環境に合わせたグッズの買い直し
まとまった一時費用が必要になるため、「最初から犬と暮らしやすい物件を選ぶこと」自体が、長期的には節約につながります。
これから犬を迎える場合は、次の手順で「お金と住まい」をセットで考えるとよいでしょう。
- 現在の家賃と、ペット可物件の家賃差を調べる。
- 敷金の上乗せ分・更新料なども含めて、年間いくら増えるか試算する。
- そのうえで、「手取り20万円で足りるか」「もう少し収入アップを待つか」を検討する。
犬は一度迎えたら10年以上一緒に暮らす家族です。「今払えるか」だけでなく、「この先も払い続けられるか」という視点を持つことが、結果的に犬を守ることにつながります。
まとめ
犬の飼育費は、小型犬でも月1〜2万円前後、中型・大型犬ではそれ以上になるケースが多く、生涯で見ると200万円を超えることが一般的です。初期費用・毎月の固定費・年数回の医療費・突発的な出費をそれぞれ把握したうえで、無理のない収入と貯蓄計画を立てることが欠かせません。
トリミングの工夫やフードの選び方、ペット保険や予防ケアの活用などで、健康を損なわずに賢く節約することもできます。費用面の心構えをしっかり持ち、最後まで責任を持って愛犬との暮らしを楽しめるよう、準備を整えておきましょう。
よくある質問

Q1. 犬の飼育費は「最低いくら」あれば足りますか?
A. 小型犬でも「月1万円ぴったり」で収めるのはかなり難しく、最低ラインとしては月1.5万円前後を見ておくのがおすすめです。
この記事で紹介したデータや相場から逆算すると、
- フード・おやつ:3,000〜5,000円
- トイレシート・日用品:1,000〜2,000円
- ワクチン・予防薬の積立:2,000〜3,000円
- 突発的な医療費の積立:2,000〜3,000円
ここまでで月8,000〜1.3万円程度になります。さらに、
- トリミング(犬種によっては必須)
- ペット保険
- しつけ・おもちゃ・お出かけ費
などを加えると、「健康でトリミングも最小限」という前提でも月1.5万円ほどは見ておいたほうが安全です。大型犬・トリミング犬種・持病がある犬では、2〜3万円台が現実的なラインになります。
Q2. 一人暮らしで犬を飼う場合、月いくらぐらいを想定すべきですか?
A. 小型犬でも「飼育費2〜3万円+家賃や光熱費の上乗せ」を見込んでおくと無理が出にくくなります。
一人暮らしでは、
- フード・日用品・予防費・医療費積立:月1.5〜2.5万円
- ペット保険(加入する場合):月2,000〜6,000円
- 夏冬の光熱費の上乗せ:月2,000〜5,000円
- ペット可物件の家賃差:月数千円〜1万円程度(物件による)
といった追加コストが重なります。合計すると、「犬関連の出費」として月3〜5万円程度を見込んでおくと安心です。
一般的には、手取り月収の1〜2割以内に犬の費用が収まると家計が安定しやすいとされます。手取り20万円前後なら、「小型犬1頭+貯蓄をしながら」ギリギリ続けられるかどうかのラインと考え、家賃や他の固定費も含めて慎重に見積もることをおすすめします。
Q3. 「月2〜3万円」とありますが、節約したらもっと安くできますか?
A. トリミング頻度やお出かけ費用を抑えれば、平均よりは安くできますが、予防医療やフードの質を削りすぎるのはおすすめできません。
節約しやすいのは、次のような項目です。
- トリミング:
- 自宅シャンプーを取り入れて、サロン利用を2回に1回にする
- カットが少なくて済む犬種を選ぶ
- フード:
- 大袋・定期便・ポイント利用で単価を下げる
- 高すぎるプレミアムフードから、栄養バランスのよい中価格帯に見直す
- サービス費:
- ドッグカフェやテーマパーク利用を減らし、近場の公園中心にする
一方で、次の項目は削らないほうが結果的に節約になります。
- 混合ワクチン・狂犬病予防
- フィラリア・ノミダニ予防
- 明らかに調子が悪いときの受診
これらを削ると、重症化して数万〜十数万円の治療費がかかるリスクが高まります。「予防と健康を守る支出」は維持しつつ、「頻度やグレードを調整できる支出」を見直すのが現実的な節約のコツです。
Q4. 老犬になると、月いくらぐらいまで医療費が増える可能性がありますか?
A. 犬全体の平均では「年間治療費約4.5万円」ですが、シニア期はこれより多く、年間10万〜20万円以上になるケースもあります。
アニコム損害保険の調査では、犬の「ケガや病気の治療費」は年間44,869円(=月約3,700円)と報告されています。ただしこれは全年齢平均で、若い犬と高齢犬をならした数字です。
シニア期に増えやすいのは、
- 関節疾患(膝・股関節・椎間板ヘルニア 等)
- 心臓病や腎臓病などの慢性疾患
- 腫瘍(がん)や内臓疾患
といった、長期通院や継続投薬・手術が必要になる病気です。この場合、
- 毎月の通院・薬代:月5,000〜2万円
- 検査・手術・入院が重なった年:年間10万〜30万円
といった水準になることもあります。
そのため、若いうちから、
- 毎月4,000〜5,000円を「医療費積立」として別に取っておく
- ペット保険で高額治療に備える
などの準備をしておくと、シニア期の家計負担を和らげやすくなります。
Q5. 犬を迎える前に、貯金はいくらあれば安心ですか?
A. 初期費用とは別に、「緊急医療費として最低10万〜20万円、できれば将来50万円程度を目指す」イメージがおすすめです。
記事内で整理したように、犬本体を除いた初期費用(ケージ・グッズ・登録・初回ワクチン等)だけで10〜15万円前後かかることが多くなります。これに加えて、
- 誤飲や骨折などで一度に数万〜十数万円の治療費
- 手術・入院で20万〜30万円規模になるケース
も現実的にあり得ます。
そのため、
- 迎える時点で「初期費用10〜15万円+緊急用10〜20万円」
- 以降も毎月5,000〜1万円ずつ“犬用貯金”を積み増し、将来的に50万円程度を目標
という2段階で考えると安心感が高まります。ペット保険に入る場合も、「免責分や保険適用外の費用」に備えて一定額の貯金はあったほうが安全です。
Q6. 小型犬と大型犬では、結局どれくらい月の飼育費が違いますか?
A. 平均的には、小型犬で月1.5〜2.5万円、中型犬で月2〜3万円、大型犬で月2.5〜4万円程度が目安です。差が出やすいのはフード・医療費・トリミング代です。
記事内でまとめたサイズ別のイメージは次の通りです。
- 小型犬:月1.5〜2.5万円
- フード・おやつ:4,000〜6,000円
- 予防・通院:3,000〜5,000円
- トリミング:月換算3,000〜6,000円 など
- 中型犬:月2〜3万円
- フード・おやつ:6,000〜9,000円
- 予防・通院:4,000〜6,000円
- トリミング:月換算2,000〜5,000円 など
- 大型犬:月2.5〜4万円
- フード・おやつ:9,000〜15,000円
- 予防・通院:5,000〜8,000円
- トリミング:月換算2,000〜5,000円 など
大型犬は、
- フード量が多く、フード代が小型犬の2〜3倍になることがある
- 体重に比例して薬や麻酔量が増え、1回あたりの医療費が高くなりやすい
といった理由で、月数千円〜1万円以上の差が出やすくなります。どのサイズ・犬種を選ぶかで「犬 飼育費 月 いくらかかるか」は大きく変わるため、迎える前にしっかりシミュレーションしておきましょう。
