ペットとして飼われることの多い犬と猫。
メディアやSNSなどでは、「犬派」と「猫派」に分かれて討論になることもしばしば見受けられますね。新型コロナウイルス感染症の影響で、私たちは在宅ワークや家の中にいる時間が多くなり、ペットを迎える人が急上昇している世の中になりました。
しかし、可愛いからと衝動にかられてペットを家に迎えた結果、想像していたのと違うと手放してしまう無責任な飼い主も増えていることが社会問題にもなっています。
ペットを迎えようとしているならば、命の尊さを考えて迎えられる環境であるか、生涯家族として大切に育てていけるかを想像してみましょう。
そのうえで、ペットを迎える決断をしたならば、さぁ犬と猫どっちにする?と迷われるかもしれません。または、もう決まっているかもしれませんね。
この記事では、人気のペットである犬と猫ではどちらが自分のライフスタイルや環境、性格なども含めて一緒に暮らしやすいか、それぞれ特徴を検証していきます。
鳴き方や体の大きさ、毛並みといった外見の違いのほかに、もともとの習性からみていきましょう。
犬と猫、それぞれの習性
犬と猫はそれぞれ対照的な習性をもっています。
犬の祖先はオオカミと言われ、猫はライオンと同じ分類の動物です。一言でいうと野生の世界では、狩り仕方が犬の場合は群れで、猫は単独で獲物を捉えます。
猫の祖先はヒョウのような捕食動物が起源と言われます。野生の猫が人に飼われるようになったのは、ネズミなどを瞬時に捉える特性を生かして人間の居住地の害獣駆除のために飼い慣らされたのが始まりでした。
ペットの犬も猫もそんな習性をもっています。家族の一員として迎える前に本来の習性を知っておくことで、共に生活するイメージがしやすいのではないでしょうか。
犬の習性:群れを作って生活する
犬の祖先、オオカミは群れを形成して獲物を捕まえたり、群れのなかで外敵から身を守ったりして生活してきました。その遺伝子が現代の犬にも受け継がれ、オオカミと同じように群れで生活をする習性をもっています。
家庭犬である犬は、一緒に暮らす家族が群れの仲間になります。いつも仲間である家族と一緒にいて散歩や遊びを共にし、家族の愛情を感じられることが犬にとって最大の幸せです。そのため、留守番などで犬がひとりぼっちになると寂しくて不安になり問題行動を起こすこともあります。
さらに群れにはリーダー格の犬がいて、ほかの犬はリーダーに従って行動していた習性があるので、犬は一緒に暮らす家族を自分の群れと認識します。なので犬は従うリーダーを決めて、ほかの家族は一人ひとり順位づけをするといわれているのです。
「飼い主=リーダー」には従順であり、共に行動すれば、旅行や引っ越しなどの環境の変化にも馴染みやすいでしょう。犬は人(群れ)と行動をともにしたいので、長時間1人でいることは苦手なのです。
猫の習性:単独行動をする
猫を飼っている人たちが、猫の魅力に惹かれる理由のひとつが、自立した性質をもっていることす。
犬はあまり自分で自分の体のケアはしませんが、猫は自分で毛づくろいをしたり、自分で遊んだりするなど、人の目を気にすることなく自分がやりたいことは何でも自由気ままにやるといったマイペースな性質の特徴があります。
ネコ科のライオンを想像すると猫の特質が理解できるように、集団行動をせず、単独で狩りをしますね。野生の時代から、他者と協力したり、リーダーに服従するといった行動はみられず単独行動をして過ごしています。
一緒に暮らす家族に順位をつけることはなく、みんな対等に見ている傾向があります。猫は飼い主の機嫌をうかがうそぶりはあまりなく、甘えたい時に甘えて、飼い主が遊んであげようとした時には寄ってこないこともあるくらいです。
飼い主にべったりの犬と比べて、自由気ままな猫はまた、猫愛好家の人たちとって放っておけない存在になるのでしょう。そのマイペースな特徴を活かして、猫カフェなども流行っていますね。
犬と猫の行動の違い
犬と猫の身体能力も対極的です。
犬は群れで行動しながら獲物を捕らえるために養った持久力をもっています。
一方、猫は一瞬で標的を捕まえる瞬発力に優れています。
それぞれの行動を活かした遊びやスポーツ競技もペットと一緒に楽しむことができますよ。
さて、犬と猫どちらの特性があなたに向いているでしょうか?
犬は持久力がある
犬はオオカミの時代、狩りをするために長時間走ることができた動物です。生きて行くための手段として、優れた身体能力が備わったのです。小型犬から大型犬まで、本気を出せば人が追いつかないくらいすばしっこく、機敏に動きます。
その犬の特性を活かしたアジリティ(機敏性)競技も世界で開催されています。
この競技は、飼い主と犬が息をピッタリ合わせて、コース上に置かれたハードル、トンネル、シーソーなどの障害物を定められた時間内に、次々とクリアしていく競技です。
犬は運動が大好きでアクティブな動物ですから、普段から散歩やドッグランで走らせることが必要になります。
猫は瞬発力がある
猫は一瞬で獲物を捕らえるために、骨や筋肉はバネのようにやわらかく、瞬発性の高い筋肉がついていて、しなやかな体つきをしています。身軽に高いところへ飛べるジャンプも得意で、タンスの上などかなり高いところまで登ることもできます。
瞬時に獲物を捉えるために、足音を立てずに忍び寄る柔軟性も持ち合わせているのも特徴的ですね。瞬発力に優れている分、疲れやすく持久力はないので、長い距離を走ったりするのはの苦手です。そして普段は散歩よりもじっとして、丸まっていることが好きです。
このように、猫は瞬発性があり、ジャンプしたり、器用に木に登ったりする能力に優れています。外へ散歩に行かない分、部屋で十分にひとりで遊べるキャットタワーなどの用意が必要になります。
しつけに関する違い
仔犬、仔猫を迎えて最初のトレーニングがトイレです。
犬と猫では、トイレの種類も覚え方も違います。
それぞれの性質をよく理解したうえで、トイレトレーニングをできるだけ早く覚えさせることがしつけのコツです。
ぜひ、参考にしてみてください。
犬はトイレトレーニングが必要
犬は一定の場所でトイレをする習性がなく、通常仔犬を迎えたその日から一番初めに覚えさせるのがトイレトレーニングです。
市販で犬用のトイレシートが販売されていますので用意しておきましょう。ケージやサークルのなかのトイレシートの上で排泄ができたら、餌をあげるなどして褒めてあげます。
はじめは失敗も多いので、繰り返して覚えさせる飼い主の忍耐強さが必要になります。
失敗しても何度も繰り返し、犬がシートの上で排泄したらとにかく大袈裟に褒める!ことがトイレトレーニングの成功につながります。
また犬はソファなどのフカフカな場所にオシッコをしたがる習性があるので、トイレを完璧に覚えるまではサークル内に犬用トイレを置き、慣れさせていきます。
猫のトイレトレーニングは楽
猫は獲物に自分の存在を知られないようにするため、縄張り内でトイレの場所を決め、排泄物に砂をかけて隠す習性があります。そのため、猫のトイレである猫砂を愛猫が安心する場所に置いてあげると、早くて1度でトイレを覚えてくれることもあるでしょう。
但し、猫のトイレの置き場所は重要です。猫の習性上、人がバタバタと出入りする廊下や玄関、洗濯機やドライヤーなど騒音のある場所では不快に感じて排泄を嫌がります。また、寝床から遠いところや排泄したのを気づきいにくい場所も不適切です。
猫はきれい好きなので、一度排泄したトイレにすることを嫌いますので、こまめに掃除ができる場所に置くことがポイントになります。トイレは猫や人が食事をする場所から離れたところに置くほうが衛生的ですし、猫も安心して排泄できるでしょう。
まとめ
犬と猫、どちらをペットに迎えるかは、一緒に生活するうえでやはり日々の運動方法が重要になってきます。
あなたがペットと共に運動したいなら運動が得意な犬が適切です。ランニングやハイキングが好きな犬種も多く、旅行などへも同行させやすいでしょう。
一方で、猫は機敏な動きはするものの普段は運動量が少ないです。しかしストレスにならないよう一緒に遊んであげるのも大事です。部屋の中で羽毛のおもちゃなどを使ってじゃれたり、ジャンプ力を活かしてキャットタワーで遊べる環境づくりも猫には必要になります。
また、犬と猫を一緒に飼っている家もありますから、そういった選択も犬と猫の違った特性を日々楽しめるかもしれません。
例として動物愛護協会によれば、猫は夜行性の動物なので、愛犬が静かにいびきをかいている夜に愛猫が本領を発揮してひとり遊びを楽しむといった傾向があるようです。
ぜひ犬・猫それぞれの特性を理解して、ペット選びを楽しんでみてください!