
愛犬が人やほかの犬、ぬいぐるみなどにマウンティングしてしまい、「やめさせたいけれど、どう対応するのが正解なのか分からない」と悩む飼い主さんは少なくありません。叱るべきかどうか、去勢・避妊で本当に減るのか、放っておくと問題行動に発展しないかなど、不安も多い行動です。この章では、犬のマウンティングの原因と放置した場合のリスクを整理し、ケース別のやめさせ方や日常でできる予防法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
犬のマウンティングとは?基本を正しく理解しよう
マウンティングの定義と見た目の特徴
犬のマウンティングは、一般的に「相手の上にまたがり、腰を前後に振る行動」を指すとされています。しつけサイト「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」でも、
犬の行動のひとつで、対象の上にまたがって腰を振る行動のことを「マウンティング」と言います。その姿が犬の交尾行動にも似ていることから、見た人が驚いてしまうことも少なくありません。
と説明されています。多くの専門家やトレーナーも、ほぼ同じように定義しています。
見た目の特徴としては、次のような様子がよく見られます。
- 後ろ足で立ち、前足で相手の腰や背中を抱え込む
- リズミカルに腰を前後に振る
- 無言で淡々と続けることもあれば、興奮してハァハァと呼吸が荒くなることもある
腰を振る様子が交尾によく似ているため、初めて見ると性的な意味だけに思えてしまいがちです。ただし、行動学的には「すべてが性行動とは限らない」点が重要です。性的な意味だけではなく、遊びの延長、興奮のはけ口、ストレス、相手との関係性など、複数の理由が重なって表れる行動だと考えられています。
ドッグランなど公共の場では、マウンティングはトラブルの原因になりやすい行動です。市町村が運営するドッグランの利用案内では、ほぼ必ず「他の犬への迷惑になる行動をさせない」「飼い主がきちんと管理する」といった注意書きがあります。浦安市のドッグラン案内でも、利用時間やマナーが細かく定められており、周囲への迷惑を避けるよう強く求められています(浦安市公式サイト「浦安公園ドッグラン・浦安ドッグラン」より)。こうした公的施設のルールからも、「放っておいてよい行動ではない」と位置づけられていることが分かります。
マウンティングの対象はさまざま(犬・人・物)
マウンティングの相手は、犬同士だけに限りません。前述のしつけ解説サイトでも、
犬がマウンティングをする対象は、なにも犬に限りません。対象は犬のほかにも、飼い主や子どもなどの「人間」や、ぬいぐるみなど「物」であることもあります。同種の動物でなくても、動物でなくても、マウンティングの対象になります。
と説明されています。実際にはかなり幅広い対象に対して行います。
よく見られるパターンは次の通りです。
- 他の犬:散歩中・ドッグラン・多頭飼いの家庭などでよく起こる
- 人:家族の腕や足、子どもにしがみついて腰を振ることがある
- 物:クッション、毛布、ぬいぐるみ、ペットベッド、飼い主の足元のクッションなど
同じマウンティングでも、「誰(何)に対してやっているか」で意味合いが変わる場合が少なくありません。例えば、
- 他の犬に繰り返し行う:相手との距離感が分からない、興奮しやすい、社会性の不足などが疑われる
- 飼い主の足や腕にする:構ってほしい、興奮がおさまらない、習慣になっている可能性
- ぬいぐるみやクッションにする:性ホルモンの影響や、ストレス・退屈のはけ口になっているケースが多い
どの場合でも、「相手が嫌がっているのにやめない」「しつこく続ける」ようなら、やめさせる練習が必要です。特にドッグランや公園では、地域の条例や施設のルールでマナーが求められています。自治体の案内にも「近隣の方のご迷惑になりますので、おやめください」といった形で、他者への配慮が繰り返し書かれています(浦安市公式サイト ドッグラン案内より)。
オスだけじゃない!メス犬もマウンティングをする
マウンティングという言葉から、「オス犬だけの行動」と思い込んでしまうことも少なくありません。しかし、先ほど引用した専門サイトでは、次のように説明されています。
「マウンティング=交尾行動」という印象が強いため、マウンティング行動をするのはオスの犬だけで、マウンティングされるのはメスの犬だけだと思いがちです。しかし、オス同士でマウンティングをすることも全く珍しいことではありません(むしろオス同士のほうが多いです)。また、メス犬もマウンティングをすることがあります。
つまり、
- オス同士でマウンティングする
- メス犬が他の犬や物にマウンティングする
といったケースは、行動学の現場では決して珍しくありません。
メス犬がマウンティングする理由も、性的なものだけとは限りません。
- 遊びの中で興奮が高まり、勢いでまたがってしまう
- 相手との関係で優位に立とうとする
- 不安やストレスがあり、繰り返すうちにクセになっている
こうした要素が重なっていると考えられています。避妊手術をしていてもマウンティングが続く例も多く、「メスなのにどうして?」と驚く必要はありません。
大切なのは、オス・メスに関わらず次の点を冷静に見ることです。
- 相手や周囲が困っていないか
- 頻度が増えていないか
- 興奮しすぎてケガやケンカにつながっていないか
性別だけで「うちの子には関係ない」と決めつけず、「どんな状況で、どの相手に対して、どのくらいの頻度で起きているか」を見極めると、その後のやめさせ方や対策を立てやすくなります。
犬がマウンティングをする理由・原因

犬のマウンティングにはいくつかのタイプがあり、「全部が性的な意味ではない」点は一次情報でも共通して示されています。行動の背景を知ると、「うちの子はどのパターンかな?」と判断しやすくなります。
行動学の現場でよく挙げられる理由は、主に次の4つです。
- 性的衝動・発情
- 上下関係・示威行為(優位性アピール)
- 興奮・ストレスの発散
- 遊びの延長
以下のチェックポイントと合わせて、どれに当てはまりそうかを見ていきましょう。
性的衝動・発情によるマウンティング
まずイメージしやすいのが、性衝動に基づくマウンティングです。行動学の記事でも、「性的行動としてマウンティングをしているかの判断としては、性成熟の時期に始まったかどうかが目安になる」と解説されています(※kairosdog「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」)。同記事によると、
早い子で生後4カ月、遅い子で1歳半~2歳頃に始まります。それ以前にはマウンティングをするところを見たことがないばあいは、性的行為の可能性が高いでしょう。
とされており、生後4か月〜1歳半(遅くて2歳)あたりで急に始まったマウンティングは、性的要素の関与を疑いやすくなります。
性的マウンティングが疑われるサインには、次のようなものがあります。
- 性成熟期(生後4か月〜1歳半頃)から急に増えた
- 特定の犬や、人・物に対して執着して何度も行う
- 匂いをしつこく嗅いでからまたがることが多い
- オス犬がメス犬に対して行う場面でよく見られる
このタイプは、去勢や避妊で軽くなる例も報告されています。ただし、kairosdogの記事でも「避妊手術をしていてもマウンティングが続く例も多い」と触れられており、必ずしも性だけが原因とは限りません。
上下関係・示威行為としてのマウンティング
犬社会では、相手より優位に立とうとする行動としてマウンティングが使われることがあります。一次情報の解説でも、「上下関係をつける」「示威行為」が理由のひとつとして挙げられています(※kairosdog、pet-med など)。オス同士のマウンティングが多いことも指摘されています。
オス同士でマウンティングをすることも全く珍しいことではありません(むしろオス同士のほうが多いです)。
という記述もあり(kairosdog)、同じ性別同士でのマウンティングは、性的というより「俺の方が上だよ」とアピールしているケースも少なくありません。
次のような特徴があれば、上下関係・示威行為の可能性が高まります。
- 特定の犬に対してだけしつこくまたがる
- 相手が嫌がって逃げようとしてもやめない
- 相手の背中や首の上に前足を乗せて体重をかけることが多い
- 家庭内でも、決まった家族にだけマウンティングする
こうした行動が習慣化すると、ドッグランなどでトラブルになりやすくなります。実際、ドッグランの利用案内や市の啓発ページでも、マウンティングは「他の犬とのトラブルの原因になるため、やめさせる配慮」が求められています。
興奮・ストレスの発散としてのマウンティング
行動学の専門家は、「マウンティングは興奮の表れとして出ることがある」とも説明しています(※kairosdog「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」)。同記事では、理由として
性的行動
上下関係をつける
遊びの一種
興奮の表れ
の4つを挙げ、性的なもの以外に「興奮の表れ」を独立した原因として扱っています。興奮の沸点が低い犬や、ストレスを抱えやすい犬では、このタイプが目立ちやすいと考えられます。
次のような様子があれば、ストレス・興奮の発散としてのマウンティングが疑われます。
- 来客・散歩前など、テンションが急に上がるタイミングで始まる
- 飼い主の腕や足、クッション・ぬいぐるみなど身近な物に突然またがる
- 叱ったり止めたりすると、余計に動きが激しくなる
- 1日の中で特定の時間帯(夕方など)に集中して起こる
このタイプは、性的成熟期に関係なく、子犬の頃から見られることもあります。運動不足や留守番の多さなどでストレスがたまっていると、「とにかく何かせずにはいられない」状態になり、手近な対象にマウンティングして発散している場合もあります。
遊びの延長としてのマウンティング
遊びの一部として出るマウンティングもあります。複数の一次情報(anicom、petfamilyins など)でも、理由のひとつとして「遊びの一種」と明記されています。kairosdogの解説でも同様の分類です。
遊びの延長で起きるマウンティングには、次のような特徴があります。
- 犬同士で追いかけっこやじゃれ合いをする流れで、勢いでまたがる
- お互いに体をぶつけ合ったり転がったりして、すぐ別の遊びに移る
- 相手の犬もそこまで嫌がらず、すぐ立ち上がってまた遊びを続ける
- 人の足やおもちゃにも、テンションが上がると一瞬またがることがある
遊び由来の場合、相手の犬の表情やボディランゲージを見ると判断しやすくなります。尻尾がゆったり振れていたり、すぐに立ち上がって遊びに戻っていれば、深刻なケンカや支配行動にはなっていないことが多いと考えられます。
一方で、遊びであっても回数が多かったり、相手が小型犬・子犬で明らかに困っている様子があれば、飼い主がいったん止めてクールダウンさせる必要があります。
このように、マウンティングの背景はひとつではありません。次のポイントを組み合わせて見ることが重要です。
- いつ頃から始まったか(年齢)
- どんな状況で出やすいか
- 相手は誰(犬・人・物)か
- 相手の反応はどうか
性的なものだけと決めつけず、愛犬の様子を冷静に観察しながら「うちの子はどのタイプに近いかな?」と整理してみてください。その方が、その後のやめさせ方を選びやすくなります。
マウンティングをやめさせるべき理由と放置するリスク

マウンティングは「どの犬にも多少はあるから」と軽く見られがちです。しかし、放置すると問題行動として定着しやすく、トラブルやケガにつながるおそれがあります。ここでは、なぜ早めにやめさせる必要があるのか、具体的なリスクを整理します。
習慣化すると修正が難しくなる
一度「してもいい」と学習してしまった行動を、あとからやめさせるには時間と根気が必要です。
犬の学習理論では、「行動は繰り返すほど強化される」とされています。アメリカ獣医行動学会(AVSAB)も、問題行動への対応について「早期の介入が望ましい(early intervention is recommended)」と繰り返し強調しています(AVSAB Position Statement, 2007 など)。マウンティングも同じで、次のようなクセとして定着しやすくなります。
- 興奮したらとりあえずまたがる
- イライラしたらまたがる
このクセが定着すると、
- 飼い主が制止しても、すぐ別のタイミングで繰り返す
- 環境が変わる(来客・ドッグランなど)ほど頻度が増える
といった状態になりがちです。
特に、人の足やクッションに対して日常的にマウンティングしている場合、「相手が嫌がっていない=許される行動」と犬が受け取ってしまうこともあります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は問題行動全般について、「犬にとって“成功体験”になる行動は繰り返されやすい」と説明しています(RSPCA, Understanding dog behaviour)。マウンティングも「止められなかった経験」を重ねるほど、やめさせるハードルが上がると考えられます。
吠え・噛みつきなど攻撃行動に発展する可能性
マウンティングは見た目はじゃれ合いのように見えても、相手の犬にとっては大きなストレスになることがあります。嫌がっている相手にしつこくまたがると、やがて吠えや唸り、噛みつきといった防御行動に発展するおそれがあります。
行動学の研究では、犬同士のいさかいの多くは「一方が相手のボディランゲージ(嫌がるサイン)を尊重しなかったとき」に起こるとされています(Overall, Clinical Behavioral Medicine for Small Animals)。マウンティングをやめさせないままにすると、次のような悪循環が起こりかねません。
- 相手の犬が反撃し、ケンカになる
- 自分の犬が反撃されてケガをする
- 自分の犬が「どけば噛まれる」と学習し、先に吠えたり噛んだりするようになる
実際に、Yahoo!知恵袋でも「マウンティングを注意してもやめさせられず、最終的に相手の犬に噛みついてしまった」という相談が寄せられています(『犬のマウンティング 私の家で飼っている雑種の雄犬ですが…』という投稿)。このケースでは、
- 以前からマウンティングや遠吠えが増えていた
- 飼い主がうまく止められず、行動がエスカレートした
- ついに噛みつきという形で表面化した
という流れが報告されています。「最初はマウンティングだけだった」行動が「攻撃行動」に発展した例といえます。
他の犬や人にケガをさせるリスク
マウンティングそのものでも、相手にケガをさせるリスクがあります。次のようなパターンは特に危険度が高いと考えられます。
- 体格差のある犬同士(大型犬→小型犬など)
- 高齢犬や持病のある犬へのマウンティング
- 子どもや高齢者への飛びつき・しがみつき
大型犬が小型犬に激しくまたがると、
- 腰や首への負担
- 転倒や打撲
- 関節・椎間板へのダメージ
などにつながる可能性があります。日本獣医生命科学大学の研究でも、ドッグランなどオフリード環境では「犬同士の衝突や追いかけっこに伴う転倒」が外傷の一因として報告されています(日本小動物獣医学会誌 論文など)。マウンティングも同様に、激しくしがみついたり押し倒したりすることで、目に見えないダメージを与えてしまうおそれがあります。
人に対するマウンティングも、膝の弱い高齢者や小さな子どもにとっては危険です。勢いよく飛びついてまたがろうとした結果、
- バランスを崩して転倒する
- 打撲や骨折につながる
といった事故も考えられます。「犬が楽しそうだから」と放置するのは避けたい場面です。
マナー問題として飼い主が責任を問われる場合も
マウンティングは、単に「犬同士の問題」ではありません。社会的なマナー違反として、飼い主が責任を問われる場合もあります。
多くの自治体やドッグランでは、利用ルールの中でマウンティングを明確に禁止・制限しています。例えば、千葉県浦安市の「浦安公園ドッグラン」「浦安ドッグラン」の利用案内では、詳細なルールの中で、
他の犬に対してマウンティング等の行為が見られた場合は、ただちにやめさせてください。
といった趣旨の注意が記載されています(浦安市公式サイト「ドッグラン」ページより)。大阪府八尾市が案内する福万寺町市民運動広場南面のドッグランでも、利用者向けの注意事項の中で、マウンティングを含む迷惑行為を禁止する内容が盛り込まれています(八尾市公式サイト「【4月1日~】福万寺町市民運動広場南面のドッグランの利用案内」)。
このように、公的なドッグランのルールとして「マウンティングはただちにやめさせる」ことが明文化されています。背景には次のような目的があります。
- ケガやトラブルの予防
- 他の利用者への配慮
- 犬たちが安心して遊べる環境づくり
つまり、「見かけたらやめさせるのが飼い主の責任」という考え方が前提になっています。
万が一、マウンティングが原因で相手の犬や人にケガをさせた場合、民法上は「動物の占有者(飼い主)が損害賠償責任を負う」とされています(民法第718条)。これは噛みつき事故だけでなく、飛びつき・転倒なども含まれると解釈されます。マウンティングが引き金になったトラブルでも、飼い主が責任を問われる可能性は十分にあります。
こうしたリスクを考えると、マウンティングを「恥ずかしいけれど笑って済ませるもの」とは見ない方が安心です。
- 早いうちにやめさせるべき行動
- 周りの人や犬に配慮するためのマナートレーニングのひとつ
と捉え直すことが大切です。次の章では、具体的にどのようにやめさせていくか、場面別の対処法を見ていきます。
【ケース別】犬のマウンティングをやめさせる方法

飼い主・家族へのマウンティングのやめさせ方
家の中で飼い主や家族に対してマウンティングをする場合、甘えや遊びの延長に見えることがあります。しかし、そのまま放置するとエスカレートしやすい行動です。早めに「やめてほしい」というサインを伝えるのが基本になります。
しつけスクール kairos dog は、マウンティングを止めるときの具体的な手順として、次の5ステップを挙げています。
- 怒りの表情を見せる
- 禁止の声かけをする
- 首輪への合図を入れる
- 後足に軽いチェックを入れる
- オスワリでカームダウンさせる
(しつけ教室 kairos dog「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」より要約)
家庭内でも、次のような流れで実践できます。
-
サインを見逃さず、早めに止める
またがろうとして前足をかける、腰を近づけてくるといった前ぶれの段階で介入します。マウンティングが始まってからでは興奮が高く、制止しづらくなります。「乗ろうとした瞬間」に対応することがポイントです。 -
短く低い声で「いけない」などの禁止合図を出す
高い声で騒ぐと犬が余計に興奮しやすくなります。落ち着いた低めの声で一言だけ伝えます。「ダメよ〜」と長く言うより、短くはっきりした合図のほうが伝わりやすくなります。 -
首輪・ハーネスを軽く持ち、後ろに引き離す
物理的に離すことで行動を中断させます。強く引っ張る必要はありません。マウンティングしようとしている方向とは逆側に、スッと体をずらすイメージで十分です。叩く・押し倒すなどの体罰は、恐怖心や攻撃性につながるため避けます。 -
オスワリやフセをさせてクールダウン
kairos dog も「オスワリでカームダウンさせる」ことを重視しています。マウンティングをやめさせた直後に座らせて落ち着かせる、という流れをセットで覚えさせることが勧められています。座ったり伏せたりして、呼吸が落ち着いてきたら静かにほめます。 -
構わない・遊びを中断する
その場で犬の相手を再開してしまうと、「マウンティングしても結果的にかまってもらえる」と学習しやすくなります。数分間は目を合わせず、家事をする、別の部屋へ移動するなど「つまらない時間」を作ります。こうすることで、「この行動をすると楽しいことが終わる」と伝えられます。
一度で完璧にやめさせるのは難しい行動です。毎回同じ手順・同じ言葉で根気よく繰り返すことが大切になります。
他の犬へのマウンティングのやめさせ方
他犬へのマウンティングは、ケンカやケガの原因になりやすい行動です。「しないでほしい行動」として、特に優先して教える必要があります。しつけ教室 kairos dog でも、他犬へのマウンティングについて次のように説明しています。
興奮が高まる前に止めることが非常に重要です。マウンティングの前兆(相手犬をじっと見つめる、執拗に追いかける等)の段階で介入し、禁止の声かけと首輪への合図でその場から離れます。
(しつけ教室 kairos dog「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」より要約)
具体的には、次のように進めるとよいでしょう。
- 前ぶれを観察して、早めに割り込む
- 一頭の犬だけをしつこく追いかける
- 相手の背中や腰のあたりを狙うように体を寄せる
-
尻尾を高く上げて、相手を上から見下ろすような姿勢をとる
こうした仕草は、マウンティングの前兆になりやすいサインです。この様子が見えたら、飼い主が間に入る、リードを軽く引いて注目を自分に向けるなど、事前に制止します。 -
禁止の声+リード操作でその場から離す
「いけない」など一言だけ伝え、同時にリードを短く持って相手犬から数歩離れます。kairos dog が紹介する「首輪への合図」と同じで、リードをチョンと動かし、犬の意識を切り替えるイメージで行います。 -
落ち着いてオスワリ→ほめる
相手犬から距離をとった場所でオスワリやフセをさせ、落ち着いてから静かにほめます。興奮したまま別の犬のところへ連れていくと、再びマウンティングしやすくなります。一度しっかりクールダウンさせることが重要です。 -
遊びを一時中断し、状況をリセットする
何度もマウンティングしようとする場合、その場での遊び自体を切り上げます。散歩コースを変える、一度帰宅するなどで興奮レベルを下げます。興奮度が高い状態では、どんな指示も通りにくくなります。「今日はここまで」と切り上げる判断も必要です。
ぬいぐるみ・クッションへのマウンティングのやめさせ方
ぬいぐるみやクッションへのマウンティングは、人や他犬に比べると直接的な危険性は低く感じられます。ただし、興奮グセとして定着すると、将来的に対象が人や犬に移ることもあります。やめさせたい場合は、次の手順で対応します。
-
見つけたら静かに対象物を取り上げる
無言でさっとクッションを取り上げる、別の部屋へ移動させるなど、マウンティングの対象を物理的に消します。「こらー!」「何してるの!」と大きな声を出すと、それ自体が刺激となって行動を強化してしまうおそれがあります。淡々と対応することを意識します。 -
代わりの行動を用意する
しつけ教室 kairos dog も、マウンティングの対処として次のように解説しています。
噛むおもちゃや引っ張りっこ遊びなど、発散できる別の行動を用意することが有効です。
(しつけ教室 kairos dog「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」より要約)
引っ張りっこロープや知育トイ、ボール遊びなど、「してほしい遊び」に誘導し、エネルギーの行き先を変えるイメージで対応します。
- 興奮がおさまったら、静かな状態をほめる
おもちゃ遊びで満足して横になる、自分からハウスに入るなど、落ち着いた行動を見せたタイミングで優しく声をかけます。興奮しているときではなく、「落ち着いているときにかまってもらえる」というパターンを増やすことが、長期的な改善につながります。
散歩中・ドッグランでのマウンティングへの対処法
散歩中の公園やドッグランでは、相手の飼い主やまわりの利用者への配慮が欠かせません。多くの自治体や施設が、利用ルールとしてマウンティングの禁止を明記しています。
例えば、大阪府八尾市の公式サイト「【4月1日~】福万寺町市民運動広場南面のドッグランの利用案内」では、
他の犬や人に対して、攻撃行動や過度なマウンティング行為が見られた場合は、ご利用をお断りすることがあります。
(八尾市公式サイト「【4月1日~】福万寺町市民運動広場南面のドッグランの利用案内」より要約)
といった内容が記載されています。公的なドッグランでも、「マウンティングはただちにやめさせる」ことが前提になっています。
具体的な対処の流れは次の通りです。
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リードを常に短めに持ち、前兆に気づきやすくする
ドッグランに入る前後や他犬とすれ違う場面では、リードを長くたるませず、犬の様子をすぐコントロールできる長さを意識します。相手犬をじっと見つめる、急にスピードを上げて近づこうとするなどの前ぶれを感じたら、足を止めてアイコンタクトをとります。 -
禁止の一声+リードで別方向へ誘導する
「いけない」「ストップ」など一言だけ伝え、体の向きを変えて別方向へ歩き出します。しつけ教室 kairos dog が紹介する「首輪への合図」と同様、リードを軽くチョンと動かし、犬の意識を切り替えることを意識します。 -
ドッグラン内では、飼い主が近くで見守る
ノーリードで遊べるドッグランでも、「放したままベンチでスマホを見る」のではなく、犬のそばで様子を確認します。マウンティングしそうな素振りが見えたら、すぐに呼び戻しの合図を出し、オスワリやフセでクールダウンさせます。 -
繰り返す場合はその日は撤収する
同じ場面で何度もマウンティングしようとする場合は、その日のドッグラン利用を切り上げます。「興奮が高まりすぎている状態では、トレーニングどころではない」と kairos dog も指摘しています。興奮しすぎた日は早めに切り上げる判断も、トラブル防止につながります。
愛犬が他の犬からマウンティングされそうになったら
自分の犬がマウンティングする側ではなく、「されそうになる」場面でも、飼い主の介入が必要です。相手の行動によってはケンカに発展する可能性があります。以下のように対処するとよいでしょう。
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相手犬と自分の犬の間に体を入れる
相手犬が背後から近づいてきたら、さっと間に入って自分の体でブロックします。相手犬を蹴る・押しのけるのではなく、「間に立って進路をふさぐ」ように動きます。 -
落ち着いた声で相手犬を制止しつつ、愛犬を呼び寄せる
「ちょっと待ってね」などの声をかけながら、自分の犬の名前を呼び、手元に呼び戻します。リードをつけていれば、素早く短く持ち直して距離をとります。 -
状況によっては場所を変える・離れる
相手犬の飼い主が気づいていない、あるいは制止してくれない場合は、その場から離れます。ドッグランの場合は一度柵の外に出る、散歩中なら反対方向へ歩き出すなど、「物理的に距離をとる」ことが最も確実な対策です。
マウンティングは、一度で完全になくなる行動ではありません。ただし、一次情報で紹介されている「禁止の声かけ」「首輪(リード)への合図」「オスワリでカームダウン」という基本ステップを、どの場面でも共通して繰り返すことで、少しずつ頻度を減らしていくことは十分に可能です。
しつけでやってはいけないNG行動

マウンティングをやめさせようとするとき、「良かれと思ってやってしまいがちだが、実は逆効果」という対応がいくつかあります。ここでは、代表的なNG行動と、その理由を一次情報も踏まえて整理します。
おやつやおもちゃで気をそらすのはNG
犬が他の犬や人、クッションなどにマウンティングしたとき、「おやつを見せて引きはがす」「おもちゃで気をそらす」といった対応は、日常でもよく見られます。ただし、行動学的にはマウンティングを強化してしまう可能性が高いと考えられます。
動物の学習の基本ルールとして、「ある行動をした直後に犬にとってうれしいことが起こると、その行動は今後も増えやすくなる(正の強化)」という原則があります。米国獣医行動学会(AVSAB)はポジティブトレーニングに関する立場表明の中で、問題行動に対しては「望ましい行動を強化する一方で、望ましくない行動にごほうびを与えない」ことの重要性を繰り返し強調しています(AVSAB, Position Statement on Humane Dog Training, 2019)。
マウンティングの最中におやつを与えると、犬からは次のように受け取られがちです。
「マウンティングすると、いいこと(おやつ・遊び)が起こる」
たとえ「引きはがすためのつなぎ」のつもりでも、犬にとっては「マウンティングとおやつがセットで起きる経験」が重なります。
また、犬のマウンティングは性行動だけでなく、「葛藤や興奮が関係する転位行動」として見られることが多いと説明されています。獣医師がヤフー知恵袋への回答の中で、「マウンティングは性行動や上下関係の関与として考えていくよりも、どちらかと言うと葛藤や興奮が関係する転位行動として見られることの方が多い」と述べています。
「そのため、性別、年齢に関係なく見られることはあるのです。」(ヤフー知恵袋・獣医師回答)
興奮状態のままおやつやおもちゃを与えると、「興奮したらマウンティング+ごほうび」という流れが強まります。今後も同じ状況で繰り返しやすくなるおそれがあります。
望ましいのは、「マウンティングが止まった瞬間」や「オスワリなど別の落ち着いた行動をとれた瞬間にだけ、ごほうびを与える」ことです。問題行動そのものにごほうびが重ならないよう、タイミングを意識してください。
感情的に強く叱るのはNG
マウンティングされると、恥ずかしさや焦りから「こら!!」「やめなさい!」と強く怒鳴りたくなる場面もあると思います。ただし、大声で叱ったり、体罰に近い止め方をしたりするのは避けるべき行動とされています。
ヤフー知恵袋のベストアンサーでは、マウンティングの相談に対し、獣医師が次のように注意を促しています。
「叱ることはうまくいかない。興奮状態では大胆な行動に出ることもある」
興奮している犬に対して怒鳴ったり、突き飛ばしたりすると、次のような弊害が出やすくなります。
- 犬の興奮レベルがさらに上がり、余計に制御しづらくなる
- 人の手や顔に対して防御的に噛みつくリスクが上がる
- 「飼い主=怖い存在」という学習だけが残り、問題行動の根本は変わらない
日本獣医動物行動研究会なども、体罰や威圧的なしつけは恐怖や攻撃行動につながるとして推奨していません。
さらに、前述の獣医師はマウンティングについて、性ホルモンの影響だけでなく学習や感情が関わることを説明しています。
「血液中の男性ホルモンは去勢手術後、約6時間程度でなくなるのですが、犬自身が性ホルモンが関係して出てきやすくなる行動を失うまでには、6~12ヶ月かかることもあります。また全くこういった行動がなくならないような場合も、中にはあるということです。」(ヤフー知恵袋・獣医師回答)
つまり、「去勢したのにまだやるなんてダメな犬だ」と感情的に叱っても、ホルモンと学習の両方の影響を受けている行動なので、叱責だけでスパッとなくなるとは期待しづらいのです。かえって、次のような「見えにくい問題」を増やすリスクがあります。
- 飼い主の前では我慢するが、目を離したときにこっそり行う
- 飼い主の接近そのものに不安や緊張を抱く
推奨されるのは、「落ち着いた声で短く制止し、物理的に離す → オスワリなどの代わりの行動をさせる → 落ち着けたことをほめる」という一貫した流れです。一次情報でも紹介されているように、「禁止の声かけ」と「首輪(リード)への合図」「オスワリでカームダウン」を毎回同じパターンで繰り返す方が、犬にとっても分かりやすく、安全性も高くなります。
飼い主が犬にマウンティングするのは絶対NG
中には、「犬がやるなら、逆に人が上になってマウンティングすれば上下関係を教えられる」という誤ったアドバイスも見かけます。しかし、人が犬に対してマウンティングすることは、行動学・福祉の観点から絶対に避けるべきとされています。
そもそも、マウンティングを「上下関係の主張」とだけ捉える見方は、現在では古いとされます。前述の獣医師も、
「マウンティングは性行動や上下関係の関与として考えていくよりも、どちらかと言うと葛藤や興奮が関係する転位行動として見られることの方が多いものです。」
と述べています。犬が葛藤やストレス、興奮を抱えているときに、さらに人が上から押さえつけるような形でマウンティングすると、次のような悪影響が懸念されます。
- 身体的な苦痛や恐怖を与える
- 人に対する不信感や防御的な攻撃性を高める
- 触られること自体への嫌悪感が強まる
アニコム損害保険など、国内のペット保険会社が提供するしつけ情報でも、「人が犬を押さえつけたり、マウンティングのような行為で力関係を示そうとする方法」は動物福祉の観点から推奨されていません。これは海外の学会や獣医行動学分野のガイドラインとも共通する見解です。
マウンティングをやめさせる目的は、「飼い主が優位に立つこと」を見せつけることではありません。
- 犬が落ち着いていられる環境と行動パターンを教える
- ストレスや興奮をため込みにくい暮らし方に整える
こうした点を目指す必要があります。身体を使って力でねじ伏せる方法ではなく、行動と環境を整えていくことが、長期的にも安全で確実な対応になります。
去勢・避妊手術はマウンティングに効果がある?

マウンティング対策として、去勢・避妊手術を勧める情報は多くあります。ただし、一次情報を見ていくと「完全になくなる」とは言い切れません。効くケースと効かないケースがある対処法のひとつと考えるのが現実的です。
去勢手術で改善が期待できるケースとそうでないケース
Yahoo!知恵袋のベストアンサーでは、獣医師の話として「去勢によってマウンティングがやむ可能性は五分五分だそうです」(犬のマウンティングに関する質問:q1352136308)と紹介されています。実際の回答では、
去勢によってマウンティングがやむ可能性は五分五分だそうです。
…さらに去勢によってほぼなくなりました(少しは残りましたが)。
と記されています。「効果があった犬」と「そうでもない犬」がいることが分かります。また、別の質問(去勢後の腰ふりについて:q1119649196)に寄せられた回答では、アメリカの調査結果として、
去勢手術で腰を振る行動が減少したのは約60%の症例で、そのうち約30%は急激に減少した
というデータが引用されています。一次情報ベースで見ると、次のようなイメージになります。
- マウンティングがはっきり減る犬:全体の約3割
- ある程度は減る犬:全体の約3割
- ほとんど変わらない犬:全体の約4割
この差が生まれる大きなポイントが「マウンティングの原因」です。行動学の観点では、次のように整理できます。
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性ホルモンの影響が強いマウンティング
発情に近い状態で、特定の犬や人・クッションなどにしつこく腰を振る、においに強く反応するなど、性的な興奮が目立つタイプです。この場合は、去勢により睾丸から分泌されるテストステロンが減ることで、行動が落ち着く可能性が比較的高くなります。 -
ストレス・興奮・遊びのエスカレートによるマウンティング
先に触れたように、獣医行動学の専門家は、マウンティングを「性行動よりも葛藤や興奮の転位行動として見られることの方が多い」と解説しています。このタイプは、去勢でホルモンが減っても、「興奮すると腰を振る」という学習パターンが残りやすくなります。
特に、去勢後もクッションや人の足に毎日のように腰を振っているケースは、前掲の知恵袋(q1119649196)のように実際に報告されています。
去勢してしばらくは腰をふることはなくなったのですが、また最近毎日のように腰を振るようになりました。
という記載からも、「ホルモンは下がっているが、行動のクセとして続く」パターンが読み取れます。
そのため、去勢・避妊はあくまで“原因の一部”に働きかける医療的サポートと捉えるとよいでしょう。
- 性的な興奮が強そうな場合 → 効果が期待できることも多い
- ストレス・遊び・要求が中心の場合 → 手術だけでは不十分なことが多い
このように考えておくと、期待と現実のギャップが小さくなります。
手術のタイミングと効果の関係
前述のアメリカの調査データ(「60%で減少、そのうち30%で急激に減少」)は、一般的に「若齢期での手術ほど効果が出やすい」という報告と同じ傾向とされます。行動学の分野でも、次のような点が指摘されています。
- 思春期前〜若いうちに去勢した犬では、性ホルモンに起因する行動の発現自体が弱く、マウンティングが習慣として固定されにくい
- 一方で、成犬になってから長期間マウンティングを続けてきた犬では、ホルモンが下がっても、学習された行動パターンとして残ってしまうことが多い
知恵袋q1352136308のベストアンサーでも、実際の症例を挙げたうえで、
興奮が激しいが、特に性欲が強いと思われました。こういう場合は去勢は効果があるのではないかという気がします(個体によって違うので…)
とコメントされています。「個体差が大きいので獣医師と見立てを共有すること」が大切だと分かります。
タイミングについて考える際のポイントは次の通りです。
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行動がエスカレートする前に相談する
「最近急にマウンティングが増えてきた」「発情期らしいそぶりが目立つ」と感じた段階で、かかりつけの動物病院に相談し、手術の適否と時期を検討します。 -
健康面のメリット・デメリットも一緒に考える
去勢・避妊には、前立腺疾患や子宮疾患の予防など健康面の利点があります。その一方で、肥満リスクやホルモンバランスの変化といった注意点もあります。マウンティング対策だけで判断せず、総合的なメリット・リスクを獣医師とすり合わせることが重要です。
手術後もマウンティングが続く場合の対処
一次情報からも分かるように、去勢・避妊後もマウンティングが続く犬は少なくありません。知恵袋q1119649196の質問者も、
去勢してしばらくは腰をふることはなくなったのですが、また最近毎日のように腰を振るようになりました。
と書いています。このような場合は、ホルモン以外の要因が関わっていると考えられます。手術だけに頼らず、しつけ・環境面からのアプローチを組み合わせることが欠かせません。
具体的には、次のようなステップが有効です。
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トリガー(きっかけ)を観察する
来客時、遊びが盛り上がった瞬間、退屈そうにしているときなど、マウンティングが出る直前の状況をメモしておきます。葛藤やストレスが原因なら、「不安な場面」や「興奮しすぎた場面」が見つかりやすくなります。 -
マウンティング前に別の行動を指示する
「おすわり」「ふせ」「マットで待つ」など、落ち着いた行動を練習します。マウンティングしそうな気配が出たら先にコマンドを出し、成功したら静かにほめてごほうびを与えます。 -
暇つぶし・ストレス発散の量を増やす
散歩の質を上げる、知育トイやノーズワークを取り入れるなど、日常的に心身のエネルギーを発散できるようにします。退屈やフラストレーションが減れば、転位行動としてのマウンティングも落ち着きやすくなります。 -
人側のリアクションを見直す
大きな声で騒いだり、体を押しのけるなどの反応は、犬によっては「かまってもらえた」と受け取られ、行動を強化してしまいます。安全を確保したうえで、静かに距離をとって行動が収まるのを待つなど、一貫した対応が重要です。
手術後もマウンティングが激しく、人や他犬への攻撃行動を伴う場合は、自己判断で叱り方を強める前に、
- かかりつけ獣医師
- 行動診療を行っている動物病院
- 認定行動カウンセラー(獣医行動学の専門家)
など、専門家に早めに相談してください。知恵袋q1352136308の相談例のように、「来客に吠えかかる・噛みつきも出ている」ケースでは、マウンティングだけでなく、恐怖や攻撃性への対応も含めた総合的なプランが必要になります。
去勢・避妊手術は、マウンティングを減らすうえで役立つこともあれば、ほとんど変化がないこともあります。「手術さえすればすべて解決」と期待しすぎず、ホルモン・しつけ・環境づくりをセットで考えることが、結果として愛犬にも飼い主にも負担の少ない対処につながります。
マウンティングしやすい犬の特徴を知っておこう
マウンティングはどの犬にも起こりうる行動です。ただ、「なりやすいタイミング」や「なりやすいタイプ」があると示されています。あらかじめ傾向を知っておくと、早めの予防やしつけにつなげやすくなります。
マウンティングが多い犬種・年齢・性別の傾向
まずは年齢のポイントを押さえておくと分かりやすくなります。犬の行動コンサルティングを行う Kairos Dog の解説では、性的な要素を含むマウンティングについて、
早い子で生後4カ月、遅い子で1歳半~2歳頃に始まります。それ以前にはマウンティングをするところを見たことがないばあいは、性的行為の可能性が高いでしょう。
(「犬がマウンティングする理由とやめさせる5つの方法」Kairos Dog)
と説明されています。おおむね生後4か月〜1歳半くらいの「性成熟期」に、初めてマウンティングが増えてくることが多いと考えられます。
性別に関しては、同じく一次情報で次のように書かれています。
マウンティング行動をするのはオスの犬だけで、マウンティングされるのはメスの犬だけだと思いがちです。しかし、オス同士でマウンティングをすることも全く珍しいことではありません(むしろオス同士のほうが多いです)。また、メス犬もマウンティングをすることがあります。
(同上)
つまり、オスに多い行動ではありますが、メスでも起こる行動です。特に未去勢オスでは、発情期前後に性ホルモンの影響を受けて行動が強まる場合があります。
犬種についての大規模な統計はまだ限られます。ただ、行動カウンセラーやトレーナーの現場報告では、次のようなタイプでマウンティング相談が目立つとされます。
- テリア系(ジャック・ラッセル・テリアなど)
- スパニエル系(コッカー・スパニエル、キャバリアなど)
- 牧羊犬タイプ(ボーダー・コリー、シェルティなど)
活動量が多く、興奮しやすい犬種に相談が集まりやすいという見方です。ただし、あくまで傾向であり、穏やかな小型犬でもマウンティングが問題化することはあります。
Yahoo!知恵袋の相談(q1119649196 など)を見ても、「若い未去勢オス犬が、成長とともにマウンティングが増え、来客への吠えや噛みつきも出てきた」というケースが複数報告されています。これは、
- 性成熟期(年齢)
- 性別(未去勢オス)
- 興奮しやすい気質
が重なったときに、マウンティングがエスカレートしやすい一例と考えられます。
子犬期の社会化不足が影響するケース
年齢やホルモンだけでなく、子犬期の経験(社会化)も、マウンティングの出やすさに関係すると指摘されています。Kairos Dog の記事では、
子犬期に他の犬との社会的接触がなかった犬に出やすい
という趣旨の説明があり、さらに、
犬同士での遊びの中で、相手に嫌がられたときにやめる経験を積めないと、マウンティングがエスカレートしやすくなります(要約)
といった内容が述べられています。つまり、
- 子犬の頃に他犬と遊ぶ機会が少なかった
- 犬同士の「やりすぎサイン」(うなり、逃げる、硬直など)を学べなかった
といった条件がそろうと、「相手が嫌がっているのにマウンティングをやめられない犬」になりやすいと考えられます。
Yahoo!知恵袋の相談でも、「子犬の頃、ほとんど他の犬と触れ合わず育ったオス犬が、成犬になってからドッグランでしつこくマウンティングしてしまう」といった内容が複数見られます。こうした事例からも、一次情報と現場の声が同じ方向を示していると分かります。
「うちの子はまだ子犬だから大丈夫」と感じていても、社会化期(おおむね生後2〜4か月頃)を逃すと、後から取り戻すのが難しくなるとされます。この時期に、
- ワクチン接種後、信頼できる子犬教室やパピーパーティーに通う
- 相性の良い先輩犬と短時間ずつ遊ばせる
といった形で、無理のない範囲で犬同士のコミュニケーションに慣らしておくことが、将来のマウンティング予防にも役立ちます。
興奮しやすい性格の犬に多い理由
マウンティングは、必ずしも「性行動」や「偉そうにしていること」だけが原因ではありません。Kairos Dog の記事でも、マウンティングの理由の一つとして「興奮の表れ」が挙げられています。
犬がマウンティングをしている姿を見て、人間が真っ先にイメージするとおり、たしかに性衝動に基づいて行うマウンティングもあります。性的行動としてマウンティングをしているかの判断としては…(中略)興奮度がその他のケースと比べて高いかどうかも参考になります。
(同上、要約)
実際の相談現場でも次のようなパターンは多く見られます。
- 来客があるとテンションが上がりすぎて、人の足にマウンティングする
- 散歩から帰宅直後に、家族やクッションに飛びついてマウンティングする
刺激で興奮したときの「出口」としてマウンティングが出ているケースです。
このタイプの犬には、次のような特徴が重なりやすいとされます。
- 音や人の動きに敏感で、すぐテンションが上がる
- 飼い主が動くと、毎回ぴったり後ろをついてくる
- 遊びが始まると、途中で自分から休憩を挟めない
興奮しやすい性格そのものを変えるのは難しい面があります。ただ、次のような工夫で、興奮の度合いをコントロールしやすくすることはできます。
- 日常的に「落ち着く練習」(マットで伏せて待つ、ゆっくり匂いを嗅ぎながら歩く散歩など)を取り入れる
- 来客前後や遊び終わりなど、興奮しやすい場面では事前にクレートやサークルで休ませる
こうした工夫で、興奮の波を穏やかにできれば、マウンティングの出る場面も減らしやすくなります。
まとめると、マウンティングしやすい犬には、次のような条件が重なっていることが多いといえます。
- 性成熟期の若い年齢(生後4か月〜1歳半頃)
- 未去勢オスで、活動的・興奮しやすいタイプ
- 子犬期に他犬と触れ合う機会が少なかった
こうした特徴に心当たりがあれば、問題が目立つ前から「落ち着く練習」や社会化の機会づくりを意識しておくと安心です。
マウンティングを予防するための日常ケアと環境づくり

マウンティングを「起きてから対処する」だけでなく、ふだんの生活の中で予防していくことも大切です。しつけ・ドッグトレーニングのサイト「カイロスドッグ」は、
マウンティングはすればするほど興奮のボルテージを上げ、興奮の沸点が低くなる
飼い主は愛犬の感情の上下に常に注意を払い、過剰な興奮をさせないようにする
と説明しています(※kairosdogの解説より要約)。マウンティングを「クセ」にしないよう、日常から興奮をコントロールしていく考え方が大切になります。
ここでは、今日から実践しやすい日常ケアと環境づくりのポイントをまとめます。
適切な運動量でストレスを溜めない
エネルギーが有り余っていたり、ストレスがたまっていたりすると、そのはけ口としてマウンティングが出やすくなります。十分な運動と、頭を使う遊びで、心身のバランスを整えることが大切です。
「その犬に合った」運動量を意識する
一般論としては、成犬であれば1日2回・各20〜30分以上の散歩がひとつの目安とされます。ただし、犬種や体格、年齢、持病などで適量は変わります。
次のような様子が続く場合は、運動量が足りていないか、質が犬に合っていない可能性があります。
- 散歩から帰っても家の中で大暴れする
- 夜になってもなかなか寝付かない
- ちょっとした物音に常に反応して走り出す
一方で、シニア犬や短頭種(フレンチブルドッグなど)は運動のし過ぎが体調不良につながることもあります。ハアハアと呼吸が荒くなりすぎないか、翌日に疲れを持ち越していないかを目安に、無理のない範囲で調整しましょう。
「興奮を上げすぎない」遊び方にする
ボール投げや追いかけっこなど、テンションが一気に上がる遊びは、適度なところで区切ることがポイントです。前述のカイロスドッグも、過度な興奮を繰り返すと、興奮のスイッチが入りやすくなると注意喚起しています。
おすすめの遊び方には次のようなものがあります。
- おやつを部屋のあちこちに隠して探させる「宝探し」ゲーム
- ロープおもちゃでの引っ張りっこ(途中で「ちょうだい」で一旦やめる練習を含める)
- 簡単なトリック(お手・おかわり・スピンなど)を組み合わせた、頭を使う遊び
「盛り上がったら必ず一度落ち着く時間を作る」ことを繰り返すと、興奮からのクールダウンが上手になっていきます。その結果、マウンティングの出る場面も減らしやすくなります。
飼い主との信頼関係を日頃から築く
マウンティングには「上下関係をつける」「相手をコントロールしようとする」という要素が含まれるケースがあります(※犬の行動解説サイトでも、性的行動以外の理由として上下関係・遊び・興奮が挙げられています)。
「言うことを聞かせる」よりも、「この人と一緒にいると安心」「指示に従うといいことがある」という信頼関係を土台にしておくことが大切です。結果としてマウンティングの予防にもつながります。
日常の中で「聞く耳」を育てる
次のような基本動作を、落ち着いた場面から少しずつ練習しておきましょう。
- 名前を呼んだら飼い主を見る
- 「おいで」でそばに来る
- 「おすわり」「ふせ」「まて」で一旦落ち着ける
これらはどれも、マウンティングを止めたいときの「代わりの行動」として役立ちます。ふだんから成功したら必ずほめる・ごほうびをあげることで、「飼い主の声を聞くこと=うれしいこと」というイメージが育ちます。
してほしい行動を「教えておく」
「ダメ」や「コラ」だけでは、犬には何をすればよいかが伝わりません。マウンティングしそうな場面では、代わりにしてほしい行動を、事前に練習しておくとスムーズです。
例としては、次のような組み合わせが考えられます。
- 来客がある → マウンティングする前に「マット」で伏せて待つ練習をしておく
- 子どもが走り回る → 犬には「おすわり」「ふせ」で待つことを教えておく
「興奮しやすい場面で取ってほしい行動」を先に教え、成功体験を重ねておくことが、結果的にマウンティングの予防にも直結します。
興奮のトリガーを把握して先手を打つ
カイロスドッグは、飼い主に対して、
愛犬の感情の上下に常に注意を払い、過剰な興奮をさせないようにする
ことを勧めています。マウンティングは、犬にとって「興奮の出口」となっているケースが多い行動です。興奮のトリガー(きっかけ)をつかんでおくと、予防しやすくなります。
どんなときにマウンティングが出やすいかメモしておく
例えば、次のようなパターンはないか、一度書き出してみると整理しやすくなります。
- 来客があったとき
- テレビやインターホンの音が鳴ったとき
- ドッグランや散歩で他の犬と遊んだあと
- 飼い主が家事やスマホでかまえないとき
「この後にマウンティングが出やすい」という流れが分かれば、その少し前の段階から対策を打てます。
先手を打って落ち着かせる
マウンティングが出やすいタイミングの前後には、次のような工夫が有効です。
- 来客前に、短い散歩や知育トイで軽く疲れさせておく
- 他犬と遊んだあとは、すぐに続けて遊ばせず、いったんリードをつけて「おすわり」「ふせ」でクールダウンさせる
- 興奮しやすい時間帯(帰宅直後など)は、あらかじめクレートやサークルで落ち着く時間を作る
「興奮がピークになる前に、少しガス抜き+落ち着く時間を挟む」イメージで調整していくと、マウンティングまで発展しにくくなります。
ドッグランや散歩でのマナーとして覚えておきたいこと
マウンティングは、家庭内だけでなく、ドッグランや散歩中に起きるとトラブルのもとになります。自治体のドッグラン利用ルールでも、マウンティングへの即時対応が明記されており、外出先では特に気をつける必要があります。
例えば、八尾市の「福万寺町市民運動広場南面ドッグラン」の案内では、
攻撃的な行為(…中略…)相手の犬に乗る行為(マウンティング)などが見られた場合は、直ちにやめさせてください
といった内容が記載されています(※八尾市公式サイトのドッグラン利用案内より要旨)。他の自治体のドッグラン規則でも、マウンティングを放置しないことがルールとして示されています。
「観客」ではなく「味方」としてそばにいる
ドッグランでは、犬同士の様子を離れて眺めてしまいがちです。しかし、マウンティングを含むトラブルを防ぐためには、次の点を心がけると安心です。
- 常に自分の犬の位置と様子を目で追える距離にいる
- しつこく追いかける・乗ろうとする・相手が嫌がっている様子が見えたら、すぐに呼び戻す
- 呼び戻しが難しい場合は、リードをつけるか、一旦ランの外で落ち着かせる
事前準備として「呼び戻し」と「落ち着く練習」をしておく
ドッグランや公園に行く前に、次のような基本を、家や静かな場所で練習しておきます。
- 名前を呼んだらこちらを見る
- 「おいで」で確実に戻って来られる
- 興奮したあとでも「おすわり」「ふせ」で落ち着ける
これらができると、いざというときに安全に対応できます。マウンティングだけでなく、ケンカの予防や事故防止にもつながります。
散歩中に他の犬とあいさつするときも、次のような配慮を心がけると、お互いに気持ちよく過ごせます。
- 相手の飼い主に「ごあいさつしてもいいですか」と確認する
- しつこく匂いをかいだり、乗ろうとしたりしたらすぐに距離を取る
このように、日常の運動量や遊び方、信頼関係づくり、興奮のトリガー把握、外出先でのマナーを意識することで、マウンティングは「起きてから困る行動」だけでなく、「起きにくい環境を用意しておく」対象になります。ふだんの生活の中で少しずつ整えていくことが、長い目で見た一番の予防策です。
まとめ
犬のマウンティングは、性的な衝動だけでなく、上下関係の誇示やストレス発散、遊びなど、さまざまな理由で起こる行動です。そのまま放置すると、吠えや噛みつき、トラブルにつながるリスクもあります。
日常の運動量や環境を整えつつ、冷静な対応と一貫したしつけで少しずつ改善を目指しましょう。不安が大きい場合は、去勢・避妊手術や専門家への相談も視野に入れながら、愛犬と安心して暮らせる関係づくりを心がけてください。
よくある質問

Q1. 犬のマウンティングは完全にやめさせないとダメですか?少しなら様子を見てもいいのでしょうか?
マウンティング自体は犬の自然な行動のひとつで、1〜2回の軽いマウンティングで相手も嫌がっていなければ、必ずしも「ゼロ」にする必要はありません。ただし、次のような場合は放置せず、やめさせる練習が必要です。
- 相手の犬や人が明らかに嫌がっている(逃げる・固まる・うなる など)
- しつこく何度も繰り返す
- 興奮しすぎて制御がきかない
- ドッグランや公園など、他人・他犬がいる場所で行う
「一度始まると止まらない」「頻度が増えてきた」と感じたら、早めにしつけで介入したほうが、その後の修正が楽になります。
Q2. マウンティングをやめさせたいのですが、具体的に何から始めればいいですか?
まずは「どんなときに・誰/何に対して・どのくらいの頻度で」マウンティングしているかをメモし、原因のタイプ(性衝動/興奮・ストレス/遊び/上下関係)を大まかに把握します。そのうえで、以下のステップから始めると取り組みやすくなります。
- 前ぶれに気づく練習:相手をじっと見る、背中に前足をかけるなど、「乗る前のサイン」を観察する
- 禁止の一声+物理的に離す:短く低い声で「いけない」などと伝え、首輪やリードでそっと相手から離す
- オスワリ・フセでクールダウン:離した直後に座らせる/伏せさせて、落ち着いたら静かにほめる
- しばらく構わない:すぐにまた遊ばせたり、かまったりせず、「マウンティングすると楽しいことが終わる」流れにする
これを、家の中・散歩中・ドッグランなど、どの場面でも同じパターンで繰り返すことがポイントです。
Q3. 叱っても全然やめません。もっと強く叱ったほうが効果がありますか?
感情的に強く叱ったり、大声で怒鳴る・体を押し倒すといった方法は逆効果になりやすく、おすすめできません。
- 興奮がさらに高まり、余計に制御しづらくなる
- 防御的に噛みつくなど、攻撃行動のリスクが上がる
- 「飼い主=怖い存在」という学習だけが残り、根本の原因は変わらない
叱るよりも、
- 落ち着いた低い声で短く「いけない」と伝える
- 物理的に相手・対象から引き離す
- オスワリやフセなど「代わりの行動」をさせて、それができたらほめる
という「行動を切り替える」対応のほうが、安全で効果的です。強く叱る回数を増やすより、「前ぶれの段階で止める」「落ち着く練習を増やす」ことに時間を使ったほうが、結果的に早く改善しやすくなります。
Q4. 去勢・避妊をすれば、マウンティングは必ずおさまりますか?
去勢・避妊でマウンティングが減る犬も多い一方、「ほとんど変わらない」「一時的に減ったがまた戻った」というケースもあり、必ずおさまるとは言えません。
一般的には、
- 性ホルモンの影響が強いマウンティング → 減る可能性が比較的高い
- 興奮・ストレス・遊び・要求が中心のマウンティング → 手術だけでは大きく変わらないことも多い
と考えられています。また、成犬になって長く続けてきたマウンティングは、「クセ」として学習されているため、ホルモンが下がっても行動自体が残ることがあります。
そのため、去勢・避妊はあくまで対策の一つと捉え、手術をしてもしなくても、並行して
- 興奮を上げすぎない暮らし方(適切な運動・遊び)
- 「禁止の合図→離す→オスワリでクールダウン」の一貫したしつけ
を続けることが重要です。手術の可否やタイミングは、健康面のメリット・デメリットも含め、かかりつけ獣医師とよく相談してください。
Q5. メス犬なのにマウンティングします。これは異常ですか?
メス犬のマウンティングは珍しいことではなく、異常とも限りません。一次情報でも「メス犬もマウンティングをすることがあります」と明記されており、オス・メスどちらにも見られる行動です。
メス犬のマウンティングには、
- 遊びのテンションが上がりすぎた
- 相手との関係性(優位に立ちたい・距離感が分からない)
- 不安・ストレスの発散やクセ
など、性的な理由以外の要素が大きいこともよくあります。
見るべきポイントは性別ではなく、
- 頻度が増えていないか
- 相手や周囲が困っていないか
- 興奮しすぎてケンカやケガになっていないか
です。問題になりそうな場合は、オス犬と同様にやめさせるトレーニングを行い、必要であれば獣医師やトレーナーに相談してください。
Q6. 子どもにだけマウンティングします。危なくないですか?どう対応すればいい?
子どもは背が低く動きも読みにくいため、多くの犬にとって興奮や不安の対象になりやすく、マウンティングや飛びつきが起こりやすい相手です。転倒やケガのリスクがあるため、必ずやめさせるべき行動です。
対応の基本は次の通りです。
-
子どもと犬の接触を必ず大人が管理する
ふたりきりにしない・目を離さないことが大前提です。 -
マウンティングの前ぶれで介入する
子どもをじっと見る・後ろから近づく・前足をかけるなどの時点で、大人が間に入ってブロックし、犬を別の場所へ誘導します。 -
代わりの行動を教える
「子どもが立ち上がったらハウス」「子どもが走るときはマットで待つ」など、子どもの動きに対して取ってほしい行動をあらかじめ練習しておきます。 -
子ども側にもルールを伝える
走り回って犬を追いかけない、犬の上に乗らない・抱きしめない、食事中・寝ているときに触らないなど、「犬にとって怖い行動」をしないよう教えます。
マウンティングの頻度が高い、唸りや噛みつきも見られる場合は、早めに獣医行動学に詳しい獣医師やプロのトレーナーに相談し、安全対策を含めた計画的なトレーニングを行うことをおすすめします。
Q7. ドッグランでマウンティングしてしまいます。出入り禁止になるのが心配です…予防できますか?
多くの自治体や施設のドッグラン規約には、「マウンティングなどの迷惑行為は直ちにやめさせる」と明記されています。放置するとトラブルや出入り制限につながることもあるため、次のような予防と対策を徹底しましょう。
事前の準備
- 「おいで」「おすわり」「まて」など、基本指示を静かな環境で確実にできるようにしておく
- 興奮しすぎない程度に軽く運動してから行き、エネルギーが有り余った状態で入らない
ランの中でのポイント
- 犬のそばで常に様子を見守り、「観客」にならない
- 特定の犬をしつこく追う・背中に前足をかけるなど前ぶれが見えたら、すぐに呼び戻してクールダウンさせる
- マウンティングしそうになったら、「いけない」の一言+その場から数メートル離れてオスワリ・フセ
- それでも繰り返す日は、無理に居続けず一旦退場して散歩に切り替える
「今日は少し興奮ぎみだな」と感じたら、あえてランに入らず、匂い嗅ぎ中心の散歩にするなど、状況に合わせた判断も大切です。予防的な対応を続ければ、ランを気持ちよく利用し続けることにつながります。
