面白い! 偉人の犬の名前と秘話【西郷隆盛と愛犬】

春は愛犬とのお散歩が楽しい季節ですね! 一方で花粉症の季節でもあります。
実は犬にも花粉症があるのをご存じでしょうか?
犬の場合はくしゃみや鼻水は出ませんが、花粉がアレルギー物質となり、皮膚に症状が出るケースがあります。もしかして花粉症かも?と感じたら、早めにかかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。

本日のテーマは「面白い名前」です。とは言っても、もちろん人の名前ではありません。
偉人が飼っていた犬の名前をご紹介いたします。

犬と人間の歴史

犬と生活を共にするのは現代人に限った話ではありません。人間と犬との共同生活の歴史は長く、古くは1万5000年前まで遡ります。当時はまだ野生動物だった犬を、狩猟目的で家畜として飼い慣らしたのが、人間と犬との歴史の始まりです。

日本では、およそ1万年以上前にはすでに犬との共存が始まっていたとされています。狩猟のパートナーとしてだけではなく、家族としてとても大事に扱い、神様として信仰もされていました。

そんな長い長い犬と人間の歴史があるということは、歴史に名を残した偉人達も犬と共に生活していたのではないかということで調べてみました。

西郷隆盛と愛犬ツン

偉人と犬で真っ先に私たち日本人が思い浮かべるのは西郷隆盛ではないでしょうか?

西郷さんと銅像

西郷隆盛は1828年、現在の鹿児島県にあたる薩摩藩の下級武士の家に生まれました。
後に薩摩藩のリーダーとなった西郷隆盛は、坂本龍馬、木戸孝允と共に幕府を打倒し、明治維新の立役者となりました。

その後は新政府で政治に参加したり、薩摩へ戻り軍の士官を育てるために学校を創設しますが、新政府との隔たりが激しくなり、最後は西南戦争により49歳でその生涯を終えました。

西郷さんといえば上野にある西郷隆盛像です。
あれ? 西郷さんは薩摩の人じゃなかったっけ?
銅像が上野にある理由は、西郷さんが新政府軍として旧幕府軍に攻め入り見事勝利した場所が上野で、その功績を称えられて設置したのだとか。

ちなみに銅像が建てられたのは1898年で、西郷さんが西南戦争で亡くなった後のことです。そのため「逆賊となったのに軍服はおかしい」という声が上がり、軍人であるはずの西郷さんが浴衣姿で銅像となってしまったのです……。

西郷さんの愛犬の名前は?

愛犬家として知られる西郷隆盛は、その銅像でも愛犬を連れていますよね。みなさんは西郷さんの愛犬の名前を知っていますか?
銅像にもなっている西郷さんの愛犬の名前は……「ツン」です。

……ツン?

理由は至ってシンプル、耳が「ツン」と立っている犬だったためです。
(流石に安直すぎませんかね……笑)
でも、あの屈強な西郷さんが「ツン」と呼んでいるところを想像するとほっこりしますね。

この西郷さんの愛犬ツンは雌の薩摩犬です。ツンとたった耳が特徴の薩摩犬は、今では交配が進み、純潔の薩摩犬は1920年頃に絶滅したとされています。

ちなみに銅像の犬はツンではないんです。ツンは雌ですが、銅像の犬は雄です。銅像の犬は「サワ」という薩摩出身の軍人・仁礼影範が飼育していた犬です。銅像が建てられた時、すでにツンもこの世を去っており、代わりに雄犬のサワがモデルになったため、銅像も雄犬になったとされています。

ちなみに本物のツンの銅像は、藤川天神(西郷隆盛とツンが出会った神社)の参道脇に建立されています。

西郷さんとツンの出会い

新政府を作った西郷さんですが、次第に新政府との考え方の違いに隔たりが生まれ、薩摩へと帰ることになりました。今まで討幕運動など、激しい戦いの生活をしてきた西郷さんですが、故郷に戻ってからすっかり運動不足になってしまいました。

甘いものも好きだったことも重なり、西郷さんは医師から肥満と診断されてしまいます。これはいかんと運動をはじめた西郷さんは、山の中を散策したり、兎狩りをしてダイエットに努めていました。

そんなある日、藤川天神という神社の境内でツンと出会います。ツンは前田善兵衛という人の元で、兎狩りの手伝いをしていました。兎狩りが得意だと聞いた西郷さんは、その犬を譲ってくれないかと申し出ましたが、結果は「NO」。

そこで西郷さんは地元の有力者まで頼り、最後は前田善兵衛も「そこまでするか西郷隆盛」と、熱意に根負けしてツンを譲ったとされています。

え!? ツンは元々は西郷隆盛の犬じゃなかったの?

西郷隆盛と愛犬たち

愛犬家として知られる西郷隆盛は、東京にいる頃から10匹以上の愛犬たちと暮らしていました。それは薩摩に戻ってからも同じで、なんと西南戦争の際は一緒に出陣していたとか……。

最後は「犬だけでも助けたい」と首輪を外し、全ての犬を逃がしてあげたというお話が残っています。その後、西郷さんは新政府によって討たれ、犬は捕獲されました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
歴史に名を残す、後に偉人と呼ばれた人たちも、犬と共に生活してきました。
中にはちょっと面白い名前をつけられた子もいますが、それぞれにドラマがあり、時には偉人らしいエピソードも秘められています。

みなさんもぜひぜひ、偉人と愛犬の名前を調べてみてください!
思わぬ人が思わぬ名前をつけていたり、面白い、あるいはほっこりするドラマに出会えるかもしれません。

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