犬がスヤスヤと気持ち良さそうによく眠っている姿は本当に可愛いくて癒されますよね。
犬は時々寝ている時にむにゃむにゃ言ったり、小さく遠吠えをしたりピクピク動いたりすることがあります。そんな姿を目にすると、「犬も夢を見るのかな?」と思いますよね。
実際のところはどうなのでしょうか。夢を見ているのだとしたら、どんな夢を見ているのでしょうか。
犬が寝言を言う理由と、いびきをかいている時にどうすれば良いのかを解説していきます。
犬が寝言を言うのはどういうとき?
人間の寝言は意味不明なことを言っていることもあれば、何か話しかけられたのかと思うほど明瞭な場合もあります。
内容は必ずしも夢に連動しているわけではないようです。寝言は日常的なストレスなど、様々な要因が挙げられます。では、犬の場合はどうなのでしょうか?犬はどんなときに寝言をいうのでしょう。
基本的には、次のような理由が考えられます。
夢を見ているとき
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
人間は睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していると言われています。
夢を見るレム睡眠と大脳を休めるためのノンレム睡眠が90分ほどの周期で変動しています。つまり、レム睡眠の最中、脳は活発に動いていて私たちは夢を見て場合によっては寝言を言ったりもします。レム睡眠とノンレム睡眠の割合は、レム睡眠が約25%です。
犬も人間と同様、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していますが、割合が人間とは異なり、約70%がレム睡眠だと言われています。
つまり、犬はほとんど熟睡していないのです。
これは野生時代の習性の名残で、外敵から身を守るために浅い眠りが多くなっているとされています。
犬も人間と同様、レム睡眠中は脳が活発に動いていて、夢を見てその内容に連動した寝言を言っているようです。と言っても、犬は言葉を話すことができないので、実際に夢を見て寝言を言っているのかどうかを科学的に立証することは難しいので、断言はできません。
ただし、人間と犬は脳のメカニズムが似ていることから、犬もレム睡眠中に夢を見ているとされています。
特別なことや刺激的な事があっととき
犬が眠っているときに見せる不思議な行動には次のようなものがあります。
- 寝言(遠吠えなど)
- 尻尾を振る
- 耳や鼻をピクピクさせる
- 足をバタバタさせる
- 小刻みに動く
- 寝ぼける など
このような行動をとる正確な理由はわかりませんが、他の犬に会った、来客があった、旅行に行くなど、いつもと環境が変わった時などに寝言を言ったり、寝ぼけるような行動が多く見られると言われています。
普段と違うことが起きると、それを頭の中で整理しようと言う本能が働くのかもしれませんね。
犬が寝言を言う3つの理由
人間の場合、寝言を言うのは子どもの方が多いとされています。脳が大人に比べて未発達であることが理由のひとつです。また、レム睡眠時の寝言とノンレム睡眠時の寝言は寝言のタイプが異なるようです。
犬の夢や寝言に関しては、科学的に解明されていないことも多いので、理由は予想となってしまうところもありますが、次のような理由が考えられます。
記憶の整理
私たち人間は、日中に体験した出来事や感じたストレスを眠ることでスッキリさせています。
犬も人間と同様、睡眠によって脳の記憶を整理してリセットしていると言われています。
足がピクピク動くときは散歩の時の夢を、高い声で鳴くなどの寝言を言うときは遊んでいるときに夢を見ているのかもしれませんね。
脳の疲労を回復させている
これもまた人間と同様、眠ることは体の疲れを取るのと同時に、脳の疲労を回復させるためのものでもあります。
犬も日中起きている間に様々なことを考え、散歩や運動で疲れているので寝言を言うということは、睡眠によって疲労がしっかり回復されている証拠とも言えます。
寝言を言うこともまた、脳の疲労回復のための作業のひとつと言えるでしょう。
犬の睡眠習性によるもの
前述したとおり、犬の睡眠の70%がレム睡眠です。つまり、それだけ夢を見る時間が長いということでもあります。それは寝言を言う機会が多くなるということでもあります。
寝言を言っていたらどうしてあげたらいい?
小さな声で短く鳴く程度の寝言であればそのまま寝かせておいてもいいと思いやすいのですが、細く長く鳴く時間が長かったり、体がピクピクする時間が長いとつい心配になりますよね。
寝言を言っていたり、体をピクピクさせているときはどのように対処すればいいのでしょうか。
基本的には起こす必要はありませんが、場合によっては獣医師に相談した方がいいこともあるので、様子を観察してみてください。
起こした方がいいのか?
私たち人間も、余程いやな夢を見ている時でもない限り、眠っているときに起こされたら気分が良くないですよね。
犬も同様です。眠っているときに無理やり起こされたらいい気分はしないでしょう。
寝言を言っているということは、睡眠によって脳の疲労回復をしている証拠なので基本的にはそのままにしておくのが犬の健康のためにもいいとされています。
寝言を言うだけでなく、寝ぼけてビックリして飛び起きるようなことがあったときには、飼い主さんがそばにいて落ち着かせてあげましょう。
病気や怪我が原因の場合
寝言や遠吠えにはそのまま放置して良いものと注意したほうが良いものがあります。
ひとつは怪我や病気の痛みや苦痛で深い眠りにつけず、浅い眠りが続いてしまい寝言を言っていることも考えられる場合です。
このように原因がはっきりしている場合は、原因となっている病気や怪我が回復すれば自然とおさまっていくでしょう。
しかし、次の場合は早めに獣医師に相談したほうがいいでしょう。
- 寝言だけでなく、体が小刻みに震えていたり、痙攣に近い震えをしている
- 声が苦しそうな場合
また、下記のような場合は注意が必要です。
- 寝言ではなくいびきをかいている
- 呼吸が止まる
- 激しい動きをする
いびきは肥満や先天性の呼吸器の病気、気管虚脱という病気の可能性もあります。
ほかにも心臓肥大で気管が圧迫されていびきをかいたり、鼻の中のポリープや腫瘍で発症するいびきもあります。
呼吸が止まる、激しい動きをするなどの場合も、呼吸器や脳に何か病気があることが考えられます。
いびきには意外と大きな病気が潜んでいる可能性が高いので、寝言よりも注意が必要です。
寝ている時の行動に何か気になることがある場合は、注意深く観察するようにしましょう。
まとめ
犬が寝言を言っていると心配になり、起こしたくなるかもしれませんが、犬の寝言のメカニズムは基本的には人間と一緒です。
気持ち良さそうに寝ている場合は、寝言は気にせずそのままにしてあげましょう。せっかくいい夢を見ているところを邪魔されたくないですよね。
いい夢を見られるということは、気持ちよく眠れる環境が整っているということでもあります。睡眠環境が快適であれば、体も脳もリラックスすることができます。
そのためにも普段から良質な睡眠が取れるように睡眠環境を整えてあげましょう。
逆に寝言や寝息が快適そうではない場合は、様子を観察して場合によっては獣医師に相談しましょう。
可愛い愛犬の様子です。日頃からよく観察しておくことが大切です。