「犬と一緒にいる時、子どもの咳やくしゃみが止まらない」
「犬と一緒にいると、いつも目がかゆそう」
お子さんのこのような症状にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしこうした症状がある場合は、アレルギー疾患の一種である「犬アレルギー」の疑いがあります。犬アレルギーは犬の毛やダニなどが原因となり、喘息のような咳や発疹などの症状を引き起こすことが多いです。つらい症状が続く犬アレルギーですが、犬の体や部屋の環境を清潔に保つことで、発症を抑える効果が期待できます。
本記事では、
- 子どもが犬アレルギーかもしれないと不安になっている
- 犬アレルギーと診断されたとしても愛犬との生活は諦められない
とお考えの方が安心して犬と暮らせるように、犬アレルギーの症状や注意したい5つのポイントをご紹介します。「どんなことに気を付ければよいのか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。
犬アレルギーの症状とは
- 咳
- 鼻水
- くしゃみ
- 皮膚の発疹(じんましん)
- 皮膚のかゆみ
- 目のかゆみ
- 目が腫れる
- 目が充血する
特に重症の場合は、
- 下痢
- 吐き気や嘔吐
- 呼吸困難
- めまい
などの症状が発症するといわれています。
もしお子さんが犬と触れ合ったあとにこのような症状を発症した場合は、犬アレルギーを疑った方がよいかもしれません。症状がひどい場合には、すぐ病院に連れて行くようにしましょう。
子どもが犬アレルギーを発症する原因とは
- 遺伝的な要因
- 環境的な要因
の二種類が考えられます。
もし両親や家族に犬アレルギーを持つ人がいれば、子どもも犬アレルギーを発症する可能性が高くなります。これが遺伝的な要因です。そして、犬由来のアレルゲンに触れる機会が多いと犬アレルギーを発症する可能性が高くなるといわれています。
主にこれらのものが、犬由来のアレルゲンです。
- フケ
- 犬の毛
- 唾液
- 尿に含まれるたんぱく質が乾いて空気を漂うもの
犬と一緒に暮らしていると、犬由来のアレルゲンに触れる機会が多くなってしまい、犬アレルギーを発症する可能性が高くなります。これが環境的な要因です。
環境的な要因が発症の原因となっている場合は、犬由来のアレルゲンに触れる機会を減らすことで、発症を抑える効果が期待できるでしょう。
犬アレルギーがある子どもがいる場合に注意したい5つのポイント
お子さんが犬アレルギーである場合は、犬と一緒に暮らしていくうえで以下の5つのポイントに注意しましょう。
- 犬の体を清潔に保つ
- 掃除の徹底
- 寝室をペットの立ち入り禁止区域とする
- 空気清浄機の活用
- 手洗いうがいを頻繁にする
大原則は「犬との接触を避けること」ですが、一緒に暮らしていくうえでどうしても難しい場面もあるでしょう。その場合は、上記の5つのポイントに気を付けることで、症状の悪化を抑えることができます。
ここからは、5つの注意点について詳しく見ていきましょう。
犬の体を清潔に保つ
犬アレルギーの発症を抑えるためにも、できるだけ犬の体を清潔に保つことを心がけましょう。犬アレルギーは、環境的な要因の場合は犬由来のアレルゲンである毛やフケが原因で発症します。そこで、こまめにシャンプーやブラッシングを行うことで、空気中に浮遊する毛やフケを減らすことが可能です。
目安としては、週に1度はシャンプーやブラッシングを行うと、浮遊する毛やフケを抑える効果が期待できるでしょう。
「週に1度も犬をシャンプーする時間がない」という場合は、濡れた暖かいタオルで体を拭いてあげるだけでも浮遊する毛やフケを減らすことができます。合間を見つけて、犬の体を常に清潔にしてあげましょう。
掃除の徹底
部屋の掃除の徹底も、大切なポイントのひとつです。
犬の体を清潔に保つことで、新たに浮遊する毛やフケを抑えることが可能です。しかし、すべての毛やフケの浮遊を防ぐことは難しいでしょう。すでに浮遊している毛やフケの対処も必要です。
- こまめに掃除機をかける
- カーペットを片付ける
- 壁の拭き掃除
- 毛やフケが付着しそうな家具を減らす
- 犬のケージを常に清潔な状態にする
このように掃除を徹底することで、すでに浮遊している毛やフケを取り除くことが可能です。特に床や壁は毛やフケが付着しやすいので、こまめに掃除するようにしましょう。
寝室をペットの立ち入り禁止区域とする
「寝る時は、愛犬も一緒に寝室で寝ている」という家庭も多いのではないでしょうか。家族である愛犬とは、寝る時も一緒に過ごしたいですよね。しかし、犬アレルギーのお子さんがいる場合は寝室で犬と一緒に寝ることは避けた方がよいでしょう。特に、子どもの寝室はペット立ち入り禁止区域にしておくことをおすすめします。
犬アレルギーの発症を防ぐ一番の方法は、「犬との接触を避けること」です。犬と一緒に寝ることは、一晩中犬由来のアレルゲンを体に浴びていることと同じです。愛犬と一緒に寝ることができないのは寂しいですが、犬アレルギーの発症を抑えるためにも寝室は愛犬が立ち入れないようにしましょう。
空気清浄機の活用
空気清浄機の活用も、部屋の環境を清潔に保つためにおすすめです。空気清浄機を活用することで、室内の空気をできる限り換気することができます。浮遊している毛やフケなどのアレルゲンの付着や吸い込みを抑えることができるので、有効な方法であるといえます。
特に風量の強い空気清浄機を活用することで、より効果を発揮することができるでしょう。
手洗いうがいを頻繁にする
手洗いとうがいは、犬アレルギーの発症を抑えるうえで特に大切です。自分の手や口に犬由来のアレルゲンが付着している可能性があるので、手洗いとうがいで綺麗に洗い落としてください。
特に、犬を触った手で顔や目を触らないように心がけましょう。アレルギー症状が発症しやすくなる可能性があります。無意識に触ってしまうことを防ぐためにも、犬を触ったらすぐに手洗いをすることがおすすめです。
そして、うがいをすることで口に付着しているアレルゲンを吸い込む前に洗い落とすことができます。犬を触ったらすぐに手洗いとうがいを心がけて、お子さんの体も清潔な状態が保てるようにしましょう。
犬アレルギーを発症しやすい犬種
人が、犬アレルギーを発症しやすくなる犬種は存在するのでしょうか。
実は、犬種による大きな差はありません。どの犬種であっても、犬由来のアレルゲンを持っていることに変わりはないからです。そのため、たとえどの犬種を飼っていたとしても、犬アレルギーを発症する可能性はあります。
しかし、犬アレルギーの発症を防ぐために行う対策は、犬種によってやりやすさが異なる場合があるでしょう。たとえば、長毛種よりも短毛種の方が毎回のシャンプーやブラッシングはしやすくなります。
特に長毛種はシャンプーが大変なので、毎回プロのトリマーに任せているという方も多いのではないでしょうか。そのうえで頻繁にシャンプーに連れて行くとなると、どうしても費用がかさんでしまいますね。
このように、対策のしやすさに差はあるかもしれませんが、犬種によって犬アレルギーを発症しやすくなる差はありません。犬種で選ぶのではなく、今飼っている愛犬に対しての対策をしっかりと考えていきましょう。愛犬や飼い主さんにとって負担が少ない対策が、きっと見つかるはずです。
まとめ
本記事では、犬アレルギーの症状や注意したい5つのポイントについてご紹介しました。犬アレルギーになると、咳や鼻水など不快な症状があらわれます。風邪と似たような症状なので、「風邪かな?」と勘違いすることもあるかもしれません。
そのため、症状があらわれた場合は「犬と触れ合った時に症状がひどくなることはないか」ということを確認するようにしましょう。すぐに犬アレルギーであることに気付くためにも、犬アレルギーの症状に対する家族の知識や理解が必要です。
そして、もしお子さんが犬アレルギーだと診断されたとしても、愛犬も大切な家族の一員です。お子さんにとっても愛犬が家族の一員であることは変わらず、一緒にいることで癒しや楽しみなど、貴重な経験を得られているのではないでしょうか。
お子さんが犬アレルギーを発症したからといって、愛犬を安易に手放すと決めずに、アレルゲンを減らす工夫をしながら家族全員で楽しく過ごせるように環境を整えましょう。
- こまめに掃除機をかける
- カーペットを片付ける
- 壁の拭き掃除
- 毛やフケが付着しそうな家具を減らす
- 犬のケージを常に清潔な状態にする
このような工夫を行いながら、愛犬やお子さんが無理なく行える対策を見つけていきましょう。