人間と同様、犬にも皮膚炎や食物アレルギーがあります。愛犬が痒がっているのは飼い主も辛いですよね。犬のアレルギー検査もありますが、アレルギー検査で本当に正しい結果が出るのか不信感を抱いている方も多いでしょう。
「犬のアレルギー検査は無駄」という記事を読んで不安になっている方に向けて、アレルギー検査は本当に無駄なのかについて解説します。
結論から述べるとアレルギー症状の出ている犬に対してアレルギー検査は必要です。
この記事では、犬が持っているアレルギーの種類や見分ける方法などについて解説しており、記事を読めばアレルギー検査に行く必要性がわかります。記事を参考にして犬にアレルギー症状がみられる場合は検査に出向きましょう!
犬に対するアレルギー検査は必要
愛犬の皮膚が赤くなっていたり、強く痒がるなどアレルギー症状が出ているならばアレルギー検査を受けましょう。犬が持つアレルギーの種類を特定し、その結果に応じた薬を処方してもらう必要があるため、アレルギー検査は無駄ではありません。
アレルギー検査をしない場合は、どのアレルギーを持っているかがわからないまま治療することになります。アレルギーの種類が分からなければ、どの薬を処方するべきかが定まりません。検討違いの治療を行っていてもいつまでもアレルギーの症状が改善することはありません。
そのため、アレルギーの症状が出ている場合はアレルギー検査を受け、なにがアレルゲン(アレルギーを引き起こさせる物質のこと)となっているのかを調べることが治療の最短ルートです。
犬のアレルギー検査の方法は、動物病院などで採血を行い病院から検査センターに血液を送ることで行われます。一般的には結果が出るまで1週間〜2週間かかるようです。
アレルギー検査は数種類あり、検査の種類によって調べることができるアレルゲンが変わります。そのため、診察や問診である程度目星をつけてアレルギー検査の種類を絞らなくてはいけません。問診時にできるだけ細かく伝えられるように愛犬の様子を日々観察しておく必要があります。
アレルギー検査の費用は動物病院によって違いはありますが、種類を絞れば約20,000円~30,000円程度のようです。
犬のアレルギーの種類
アトピー性皮膚炎とは環境アレルゲンに対するアレルギーのことです。花粉、ダニ、カビ、ハウスダストなどがアレルゲンとなります。食物アレルゲンによるアレルギー反応はアトピー性皮膚炎に含まれません。
犬アトピー性皮膚炎は
- 腋窩(わきの下)
- 大腿部内側(内また周囲)
- 四肢の屈曲部
における痒みを伴う慢性の皮膚炎(発疹、発赤、脱毛など)が特徴的です。アレルギー検査を行い、環境アレルゲンに対するIgE(アレルゲンが侵入してきたときにからだを守る抗体)が検出されると、アトピー性皮膚炎と診断されます。
環境アレルゲンが悪さをするピークは、それぞれ季節によって異なります。症状の程度に季節性がある場合は、花粉やダニをアレルゲンとするアトピー性皮膚炎の可能性がより高いといえます。
アトピー性皮膚炎は、遺伝が関与するため他の犬にはうつりません。
- 柴犬
- フレンチブルドッグ
- シーズー
- ウェストランドホワイトテリア
などでよくみられます。
アトピー性皮膚炎の治療は、かゆみや症状を緩和するための薬物療法を行います。また、スキンケアも皮膚を保護してくれる成分が入ったシャンプーで洗うことや抗原や刺激物を洗いながすことで効果的です。
食物アレルギー
食物アレルギーは食物アレルゲンが原因のアレルギーです。
- 牛肉
- 乳製品
- 小麦
- 子羊(ラム)肉
- 鶏卵
- 鶏肉
- 大豆
- とうもろこし
などがアレルゲンになりやすいとされています。食物アレルギーの症状の出方は、大きく分けて2つのケースがあります。
1.目や口の周り、背中に皮膚炎が出る典型的なケース
→高確率で食物アレルギーの疑いがあります。
2.犬アトピー性皮膚炎による皮膚症状と似ているケース
→見た目だけでは、食物アレルギーなのか、アトピー性皮膚炎なのか区別することはできません。食物アレルギーとアトピー性皮膚炎が混合で発症している場合もあります。
また、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎と違って、IgEの反応によるものとリンパ球の反応によるものの2つのメカニズムがあります。したがって、食物アレルギーの可能性が疑われる場合、IgEとリンパ球の両方の検査を行わなければ見逃しを生じてしまう危険性があります。
食物アレルギーは多くの犬で確認されますが、好発犬種には、ボクサー、アメリカン・コッカー・スパニエル、スプリンガー・スパニエル、コリー、ダルメシアン、ジャーマン・シェパード、ミニチュア・シュナウザー、ダックスフンド、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、パグが挙げられます。
食物アレルギーの治療は、アレルゲンとして反応している食物を取り除き1〜2ヶ月で反応がみられるかを観察します。
アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの混合
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の症状が同時に出てくる場合は、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの混合型アレルギーを疑ってください。混合型の場合は、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の治療を合わせて行う必要があります。
犬のアレルギーの特徴的なサイン
- 子犬(1歳未満)の時から痒そうにしている
- 季節を問わず、一年中痒がっている
- 1日3回以上排便する(成犬の場合)
- 目・口の周囲、背中に痒みがある
があげられ、1つでも該当する場合は食物アレルギーの疑いがあります。反対に、1つもあてはまらないが、経過的にアレルギーが疑われる場合は犬アトピー性皮膚炎を疑ってください。
まとめ
犬でよくみられるアレルギーは「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」の2つが挙げらます。皮膚の痒みなどがみられる場合は、アレルギー症状を愛犬が抱えていると考えて良いでしょう。
ただ、アレルギー症状だけでどのアレルギーを持っているかはわからないので、実際に獣医師のところへ連れていきアレルギー検査をすることをおすすめします。
愛犬が苦しんでいるならば一刻も早く助けてあげたいですよね。アレルギー検査をして正しい治療を行い愛犬を痒みから救ってあげましょう。