全身麻酔や手術の影響で、手術後の愛犬は体力が落ちて気分も落ち気味になります。
少しでもポイントを抑えたケアで、愛犬の心体の両面を改善していきましょう。
術後のエサの量と運動量を調節する
手術が終わってから約5〜6時間後に麻酔が切れるといわれています。
エサを与えるなら、麻酔が切れるのを待ち、エサの量は、いつも与えている量の半分くらいに減らし、嫌がるようなら無理にあげる必要はないでしょう。お水も少しずつ与えます。
散歩も極力控えて自宅で休みましょう。外でしか排泄できない時は、抱っこなど工夫し、なるべく運動は控えるようにするといいかもしれません。
術後抜糸まで傷口のケアと運動量のコントロール、そして薬の管理
麻酔が切れた翌日からの食事は、ふだんどおりの量をあげましょう。
食べる量が普段より少なければ、ウエットフードに替えると愛犬の食欲がよくなることもあります。
病院によっては、術後に薬を処方したりすることも。ウエットフードやチーズでお薬をおおうことで、苦みをカバーすれば与えやすくなると思います。
愛犬が傷を気にして舐めてしまうと、菌が入り化膿することがあります。抜糸の判断は傷口の炎症がなくなるまでは、エリザベスカラーなどをつけて保護しましょう。
また、運動したりすると傷口がよれて痛みが出てしまい、抜糸までは、過度な運動は避けて、散歩しても激しい動作はさせたいように、またドッグランなど興奮しやすい場所には連れていくのはやめておいた方がいいかと思われます。
抜糸するまでの注意点
1)傷口をなめさせてはいけない
犬の唾液の中には雑菌が含まれます。傷口をなめさせると化膿する可能性があります。
2)傷口は濡らしてはいけない
抜糸ができていない状態で、傷口は濡らさず、シャンプーは手術の前日に済ませ、雨の日は自宅で療養するのが良いでしょう。
3)傷口に負担をかけてはいけない
運動を少し抑え、傷口が広がらない環境を整えてあげることが大切。興奮させず、散歩以外の外出は控えるなど気を配りましょう。
抜糸後は傷口の炎症がなくなるまでエリザベスカラーなどを着用させる
傷がふさがったとはいえ、油断は禁物です。
しばらくは、犬が傷口を気にしてなめてしまうこともあります。ほうっておくと炎症を起こしますので、傷口の炎症がひくまでは、エリザベスカラーなどを着用させましょう!
シャンプーは、炎症がひいた抜糸3日後なら行ってもいいです。それまでは極力患部を濡らさないでください。
どうしても愛犬のニオイが気になるなら、濡れタオルで傷口以外の部分を拭くといいでしょう。
抜糸がなしの手術を受けた場合は、病院に確認してからシャンプーの時期を決めるといいでしょう。
去勢手術後の心のケア
愛犬にとって病院のなかで手術をするということは、メンタルにもかなりダメージが大きいです。そんなとき、主人の対応ひとつでその後の関係性がもっとよくなることもあります。
手術前日、当日はなるべくふだん通りに
「怖くなよ!」「大丈夫だよ!」などと大げさに心配し、声をかけると飼い主さんのいつもと違う態度を察して犬の不安が増すので、手術前に落ち着かなくなります。愛犬の不安をあおらず、必要以上の言葉をあえてかけず、診察室から退出するときは何もなかったように出ていきましょう。
手術後は穏やかに見守り、リラックス
手術後すぐは、愛犬にもメンタルダメージが多少あります。
病院で寝泊まりし、置いてけぼりにされたショックで、エサが食べられなくなる犬もいます。スキンシップなどこまめにとってリラックスさせ、食欲があれば好物のおやつを与えたりして愛犬の気持ちを盛り上げて行きましょう。
翌日になっても落ち込みが激しく、いつもと違う様子が見られたら、獣医師に相談をしていきましょう。
術後翌日以降は普段どおりの接し方で
愛犬の痛々しい状態に、ついつい甘やかしてしまいます。「今だけ、その時だけ」の接し方は愛犬を混乱させることにも。愛犬の様子が安定したあとも、ずっとそばにいたりしてると、その後愛犬を留守番させるのが難しくなってしまう恐れもあります。
普通であれば、術後2日後からは愛犬に留守番をさせ出かけても大丈夫です。
抜糸後、1週間の療養、病院にいい印象を与えよう
去勢手術をきっかけに、病院が嫌いになる犬もいます。そうなると、診察のたびにストレスを感じて、健康維持も心配になります。
お散歩コースに病院を入れて立ち寄るなどして、病院の前でおやつを与え、愛犬の好物なお散歩とおやつをセットにすれば、病院の印象を少しずつ変えられるかもしれません!少しでもなれさせることを意識していきましょう。
術後の食事の変化について
愛犬は去勢手術をすると、発情のストレスがなく気持ちが安定します。
手術前より食欲が増したり、エネルギー消費量が変わったりして、同じ量を食べていても太りがちです。
術後の愛犬の食欲が増えても、エサは今まで通りの量を!
1カ月の間に愛犬の体重が増えているようであれば、医師に相談し、食事内容の見直しを行いましょう。
手術後、愛犬の性格が変わる可能性
去勢手術後、性ホルモンが減少します。オスの闘争心、独占欲が減少、ほかの犬とケンカを頻繁していた犬は、ケンカの回数は減ると言われています。
ただ、それ以外の性格は大きく変わらないといわれています。
術後臆病になって物音に敏感に反応するなど、臆病になったように見えることもありますが、それは外泊での影響です。犬の性格は変わりません。
去勢手術まとめ
愛犬が初めての【去勢手術】に向かうとき、飼い主さんのなかには去勢手術に抵抗感がある人もかなりいると思います。
術後がどうなるか、心配な人もいるかと思います。
だとしても正しく愛犬のケアをすれば、犬も人も手術前よりも暮らしやすくなることにもなりますから、心配し過ぎないようにして愛犬と向き合うのが一番いいと思います。愛犬と今後も長く向き合う上で去勢手術は飼い主と愛犬の生活の中の一部なのかもしれません。