ごはんをたべるというのは人と同じく犬にとっても欠かせないことです。
老犬になると食欲が減り、睡眠時間が多くなるのでごはんを食べずにずっと寝ている、食べないことにより体力が衰え、痩せてきてしまったりと心配ですよね。
ごはんを食べない原因を探り、愛犬にしてあげられることを見つけていきましょう。
①老犬がごはんを食べない理由
以前のように元気にごはんを欲しがったりせずに痩せていくのを見るのは辛いですね。
なぜ老犬になると食べなくなるのか。
- 趣向が変わる、こだわりが強くなる
今まで大好物だったごはんでも味覚や嗅覚の低下により食べられなくなってしまったり、体調が悪いと食べたい物に変化あることも。
- 食欲の低下
老犬になると胃や腸の消化機能の低下や、膵臓と肝臓の機能低下などが原因となり、食欲そのものが低下している場合もあります。
- 基礎代謝の低下
足腰や関節が弱くなり、普段からのお散歩などでも運動量が減少してしまい基礎代謝の低下によりお腹が空きにくくなってしまいます。
- 痛みなど
いつもの姿勢で食べることが辛くなったり、口の中に痛みがあって食べるに食べられないということも。何が原因でごはんを食べないのか日々の観察が必要となります。
②老犬がごはんを食べないときにできる工夫
ごはんを食べない理由を観察し食べられるように工夫をしましょう。
老犬の場合、ごはんを食べないと短期間に衰弱してしまう場合があるので注意が必要です。
- 普段あげているごはんを温めてみる
ドックフードを温めてあげると香りが強くなり食欲促進になります。
冷たいまま食べさせるよりも消化がよく、胃にやさしくなります。
電子レンジで人肌程度の温度に温めましょう。
缶の場合は鍋で湯せんで、温めることができます。
そのまま温めてしまうと破裂などの危険があるので、必ず少しだけ開封した状態で湯せんし、取り出しの際のやけどにも注意しましょう。
- スープなどで食べやすく
出汁や白湯などのスープでフードを食べやすく柔らかくし、一緒に食べれば水分も補給できます。
食欲不振だけではなく、水分を取らない時にも有効です。
- ドックフードを変えてみる!
今食べてくれないタイプとは違うタイプのフードをあげてみましょう。
ドライタイプならウェットタイプに、ウェットタイプでしたらパウチや缶などのレトルトタイプに変えるなど興味を持ってくれるものを試しましょう。
- トッピングしてみる
香りの強いふりかけなどで食欲をかきたてるトッピングをしてみましょう。
食いつきつきがよくなるかもしれません。
トッピングを食べるだけで終わってしまっても食べてくれたことを褒めてあげましょう!
ふりかけ以外だと・すりおろしりんご・さつまいも・無糖ヨーグルト・小魚・かつお節なども試してみて諦めずに食欲を刺激してあげましょう。
- 食器や食器の高さを変えてみる
ドックフードだけではなく食器にも注目してみましょう。
愛犬に対してお皿が深すぎたり浅すぎたりしないか、愛犬が食べやすい食器を用意しましょう。
食べる姿勢の高さを見て、食器台や食器そのものの高さを調整しましょう。
③寝たきり状態での食事
寝たきりになってしまうと多くを食べることが難しくなります。
少量で栄養補給できる高カロリー高タンパクなごはんをあげましょう。
手作りの場合は・牛バラ肉・豚バラ肉・鶏もも肉などもおすすめです。
食べさせる時のポイント
手作りで食べさせる場合は、食材が柔らかくなるまで煮込んだり蒸したりミキサーにかけたりして食べやすくなるようにしましょう。
市販のフードなども1度ミキサーでペースト状にし、スプーンで少量ずつ、口の横や犬歯のうしろあたりからゆっくり差し込みましょう。
自分で食べたいようであればお皿を口元に置いてあげましょう。
油さしなどを用意して流動食のように食べさせてあげることも有効です。
食べさせる時の注意
寝たきりになっている状態で食べさせる時に、気をつけなければいけないことは、「誤嚥」(ごえん)です。
老犬になると機能の低下により、食べたものが食道を通らずに気管に入ってしまいむせてしまう症状です。
寝たままの状態や顔だけ上に向ける姿勢をすると、上手く飲み込めずにむせてしまいます。
飲み込みやすいように上半身を起こしてあげて食道から胃までがまっすぐになるように座らせてあげましょう。
丸めた毛布やクッションなどを使用して支えてあげると姿勢を維持しやすくなります。
座らせてあげることも難しい場合は上体を起こして、頭を上にする意識で与えてあげましょう。
食事の前に姿勢を変えてマッサージしてあげたりして筋肉をほぐしてあげましょう。
食事をあげるまえにペースト状にしたごはんを人差し指などで舌の上に置いてあげて「今からごはん食べるよっ」という食事前に舌の運動をしてあげるのも効果的です。
④ごはんを食べれなくなってしまってからの余命
これまでの食べないではなく「食べられない」という時期がやってきます。
食事をすることが生きることに繋がるので点滴処置などを受けていない場合、余命は短く3日~7日程、多少の差はありますがその子の体力次第となってしまいます。
最後の症状
吐いてしまったり、下痢を繰り返してしまったり、痙攣してしまうという症状がみられます。
医師に相談する
病院での点滴でまだ回復できるかもしれません。かかりつけの病院へ連れて行ってあげましょう。
症状や状態を診てもらい病院としてできることを飼い主さんのご希望やお話のもと提案してくれるでしょう。
最後の食事
まずはスポイトなどで水を飲ませてあげたり、水に濡らした綿などで口元を拭いてあげて脱水症状にならないようにしてあげましょう。
健康食や処方箋ではなく、最後は大好きな家族と大好きだった食べ物を与えて安心できる時間を与えてあげましょう。
最後に
元気なうちは健康を意識したごはんを心掛けて、歳を重ねて食事が難しくなってきたら食べやすく少量で高カロリーな食べ物で栄養補給を意識しましょう。
老犬になってからはその子が喜んで食べてくれるかどうかということも大事です。
大切な家族との時間を楽しみましょう。