犬の寿命は犬種にもよりますが大体10~13年と言われています。10年以上一緒に暮らす事になる犬は家族の一員ですよね。
そんな飼い主の皆さんであれば一度は考えなければいけないのが去勢です。
今回はそんな犬の去勢と費用について紹介していきます。
そもそもなぜ去勢をするのか
犬の去勢をするのには大きく分けて2つの理由があります。
病気の予防、治療の為
子宮卵巣疾患や睾丸腫瘍、乳腺腫瘍などは3回目の発情期までに、去勢を行う事で発生率が減ると言われています。
また、生殖器から出る性ホルモンは他の病気を悪化させることがあります。
性ホルモン性脱毛や、オスの尿路形成術に伴う去勢など、病気の治療の為に強制を行う事があります。
子供が増えてしまうから
よく連想される理由がこれかと思います。
外で飼っている犬などに多いのですが、知らぬ間に違う犬と交尾を行っていて妊娠してしまう事があります。
犬は一度の出産で平均5匹の子供を産み、世話をできずに保健所に持ち込まれ殺処分される事例も少なくありません。
全ての犬を飼う事ができるのであれば問題はありませんが、望まない繁殖を防ぐ為にも去勢をするという方も多いようです。
去勢手術にかかる費用
犬種などによって金額が変わる事がありますが、小型~中型犬の場合は15,000円~30,000円が相場と言われています。
大型犬の場合は使用する麻酔や薬の量が多くなるため、小型~中型犬よりも高くなります。
また上記は去勢手術単体での金額になりますが、去勢手術以外にも術前検査代や入院費、退院時に処方される薬や、抜糸などが追加でかかる事もあります。
その為、術前検査~退院後まで全て含めると、小型~中型犬で30,000円~50,000円程、大型犬で50,000円~70,000円程が相場です。
さらに費用がかかる可能性があるので注意
犬の健康状態や術後の状態によってはさらに費用がかかる可能性があります。
例えばオスの犬の場合、精巣を取り除くのですが、その精巣が陰嚢と言われている場所の中ではなく、下腹部や皮下に留まっている状態の、”停留睾丸”の場合は通常の手術と異なるため費用が高くなります。
また、心臓病などの持病を持っていたり、老犬の場合は全身麻酔によるリスクを減らすため、検査を増やしたり、薬を増やす事があり、検査や薬が増えればその分費用も高くなります。
去勢手術に保険は使えるの?
基本的には、犬の去勢手術はペット保険の補償対象外となっています。
なぜ保険対象にならないのかというと、「ペット保険=ケガや病気の治療費を補償するため」で、健康体である犬にする去勢手術はペット保険の補償対象外となるのです。
ただし、病気やケガの治療の為に去勢手術が必要な場合は、ペット保険の対象とされる事もあります。
ペット保険の補償対象外になるものは他に、
- 妊娠、出産に関わる費用
- 予防接種やワクチン接種
- 健康診断費用
- 保険契約前にかかっていたケガや病気
- 予防接種で防げる病気の治療費
などがあるので、覚えておくと良いです。
どの項目が補償対象外なのかは保険会社によって変わってきますので、契約前に確認を行い、契約をしている場合は問い合わせる事が大切です。
去勢手術の助成金、補助金
犬の去勢手術に対して、助成金や補助金を出す制度があるのをご存じでしょうか?
犬を飼っている地域の地区町村が去勢手術の一部、あるいは全額を負担してくれる事があります。
これは望まない繁殖による、捨て猫や捨て犬を減らす為に導入された制度です。
制度内容は「地域」や「犬か猫」、「オスかメスか」で金額が変更しますので、いくつかの地域の2022年度の場合を紹介をします。
茨城県水戸市
茨城県水戸市では犬の去勢手術を行う時3,000円の助成金が出ます。
助成金を受け取る為には
- 販売目的の犬ではない事
- 去勢手術を受けた後も水戸市に住所を有する事
- 市税を滞納していない事
- 水戸市に犬の登録をしており、令和3年度の狂犬病の注射済票の交付を受けている事
- 令和3年度に手術したものである事
上記全ての条件を満たす必要があります。
三重県松阪市
三重県松阪市では犬の去勢手術を行う時1匹につき3,000円の助成金が出ます。
助成金を受け取る為には
- 犬の飼い主が松阪市の住民である事
- 犬の登録が済んでいる事
- 令和3年度の狂犬病注射が済んでいる事
上記全ての条件を満たす必要があります。
愛媛県今治市
愛媛県今治市では犬の去勢手術を行う時1匹につき2,000円の助成金が出ます。
また、年度内に助成金を受けられるのは1世帯につき1匹までで、助成金を受け取る為には、
- 今治市内に住所を持っている飼い主が、市内で飼っている健康な犬である事
- 犬の登録と過去1年以内に狂犬病予防注射が済んでいる事
上記全ての条件を満たす必要があります。
愛知県名古屋市
愛知県名古屋市では犬の去勢手術を行う時
- オスの場合は名古屋市から1,600円、獣医師会から3,200円
- メスの場合は名古屋市から3,200円、獣医師会から6,400円の助成金が出ます。
助成金を受け取る為には
- 名古屋市内にて犬を所有しており、名古屋市内在住である事
- 犬の狂犬病予防注射が済んでいる事
上記全ての条件を満たす必要があります。
まとめ
去勢手術の費用以外にも手術前検査や入院費など、様々な費用がかかる事が分かりました。
各地域で助成金が出る理由としては望まない繁殖を減らすため、地域によっては助成金や補助金が出るので、一度お住まいの地域の制度を調べてみましょう。分からなけれが、市役所に問い合わせでみるのも良いかもしれません。
飼いきれないのに繁殖をさせてしまい、保健所で殺処分という事例があるのは、とても悲しい現実です。
これから生まれてくる犬の命を無駄にしない為にも、去勢手術の方法や費用、助成金の制度などを覚えておきましょう。