犬の去勢、避妊手術の違いは? なぜ行うの? メリット・デメリット

犬を飼っている方であれば去勢や避妊について1度は考えたことがあると思います。

去勢や避妊がなぜ必要なのか、去勢や避妊の違い、メリット・デメリットなどついて書いていきたいと思います。

去勢と避妊の違いは?

避妊と去勢、2つの言葉がありますが、基本的にはオスの生殖器を取り除くことを去勢と言います。

逆にメスの生殖器を取り除くことを避妊と言います。

言葉が少し違うだけで生殖器を取り除くという意味では同じです。

去勢、避妊手術を行うメリット

去勢、避妊手術を行う理由としてはいくつかありますが、その中でも代表的な理由を3つ紹介します。

①ケガや病気の治療、または予防の為

何かしらのケガや病気によって生殖器を取り除く必要がある場合があります。

また、病気になる前に取り除く事で事前に発症を防ぐ事もでき、オスの場合は、精巣腫瘍や会陰ヘルニアなど、メスの場合は、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などを予防する事ができます。

生殖器を取り除く事で、生殖器に関する病気を、また男性ホルモン、あるいは女性ホルモンが低下する事で、ホルモンが原因で起こる病気を予防することができるのです。

②落ち着いてもらう為

犬は子孫を残そうとする繁殖本能が大きくなる時期があります。それが発情期です。

オスであれば遠吠えをするようになったり、ホルモンバランスの変化からいらいらしたり、いう事を聞かなくなります。

メスであれば外形部から出血をしたり、一時的に食欲や元気がなくなります。

それ以外にも、例えば散歩をしていたら違う犬に覆いかぶさったり、時には人間相手に抱きついて腰を振る行動をする事もあります。

身内での出来事で終わればいいのですが、他人の飼い犬に迷惑をかけてしまったり、いらいらした結果、人間にケガをさせてしまう事もあります。

去勢、避妊手術を行う事で性ホルモンが低下して落ち着いた行動をするようになります。

③望まない繁殖を防ぐ為

去勢、避妊手術と聞くとこの理由を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

オスとメスで犬を飼っていて、知らない間に妊娠していた、なんて経験をした事がある方もいるのではないでしょうか。

そのまま飼う事ができたり、知り合いにもらってくれる方がいるのであれば特に問題はないのですが、残念ながら育てる事ができず、保健所に送られる方がいるのが現実です。

保健所に送られた犬は違う里親が迎えてくれる場合がありますが、里親が見つからなかった場合は殺処分となります。

2020年度の保健所での犬殺処分の数はおよそ4000匹。

年々数は減ってきていますが、それでもこのような悲しい出来事を防ぐ為に事前に、去勢、避妊手術を行う場合があります。

去勢、避妊手術のデメリット

去勢、避妊手術を行うメリットは上記の「去勢、避妊手術を行う理由」が、そのまま去勢、避妊手術のメリットとなります。

なのでここではそんな去勢、避妊手術のデメリットについて解説していきます。

①手術という行為がリスク

そもそも、体にメスを入れるという事はそれだけでリスクがあり、健康な犬が去勢手術後になんらかの異変があってもおかしくはありません。

例えばメスの場合であれば、手術によって尿道括約筋が弱くなることで失禁をしてしまう事があります。

また、手術後の傷口から感染などもありえます。

手術後は抜糸をするまで、雨の日の散歩を控えたり汚れないようにする必要があります。

②太りやすくなる

去勢、避妊手術を行うと性ホルモンのバランスが崩れるため、食事量が減ったり、運動量が減ることで太りやすくなる事があります。

太っている犬はぽちゃっとしていて可愛いかもしれませんが、太りすぎは病気の原因にもなりますし、特に老犬であれば、命の危機にもなりかねません。

去勢、避妊後はしっかりとした食事管理と適度な運動をさせるように心がけましょう。

③自信を無くしたりシャイになる事がある

これは特にオスに多いようですが、アグレッシブさに関連する男性ホルモンが減少してしまう事で、犬が自信をなくしてしまったりシャイになってしまう事があります。

元々臆病な性格の犬だと特に顕著に現れるようですので、臆病な性格の犬に去勢、避妊手術を行う場合は、事前に運動をさせたり、人や犬と交流をさせて自信をつけてあげるといいですね。

去勢、避妊手術の費用と助成金・補助金

去勢、避妊手術の費用

犬種によって料金が変わる事がありますが、小型~中型犬の場合は15,000円~30,000円が相場といわれています。

大型犬の場合は手術の際に使用する麻酔や薬の量が多くなるため、小型~中型犬よりも費用が高くなる傾向にあります。

また、上記料金は手術単体の料金となりますので、手術以外にも術前検査代や術後の薬代、抜糸など追加で費用がかかります。

術前検査~手術後まで含めると、

  • 小型~中型犬の場合は30,000円~50,000円程
  • 大型犬であれば50,000円~70,000円程

を目安にするとよいでしょう。

去勢、避妊手術の助成金・補助金

お住いの地域によっては都道府県、あるいは獣医師会が、手術の一部代金を補填してくれる事があります。

例をいくつか紹介していきたいと思います。

♦愛媛県名古屋市(令和3年度)

愛媛県名古屋市では

  • 去勢手術の場合は名古屋市から1,600円、獣医師会から3,200円
  • 避妊手術の場合は名古屋市から3,200円、獣医師会から6,400円

の助成金が出ます。ただし、この助成金を受け取るためには、

  • 市内において犬を飼っていて、飼い主が市内在住であること
  • 狂犬病予防法に基づく登録が住んでいること

この2つを全て満たしている必要があります。

♦茨城県水戸市(令和3年度)

茨城県水戸市では、犬の去勢、避妊手術を行う際に3,000円の助成金が出ます。

助成金を受け取るためには、

  • 販売目的の犬ではない事
  • 去勢手術を受けた後も水戸市に住所を有する事
  • 市税を滞納していない事
  • 水戸市に犬の登録をしており、令和3年度の狂犬病の注射済票の交付を受けている事
  • 令和3年度に手術したものである事

上記全ての条件を満たす必要があります。

♦愛媛県今治市(令和3年度)

愛媛県今治市では犬の去勢、避妊手術を行う際に、1匹につき2,000円の助成金が出ます。

また、助成金を受け取れるのは年度内に1世帯につき1匹までとなります。

助成金を受け取る為には

  • 今治市内に住所を持っている飼い主が、市内で飼っている健康な犬である事
  • 犬の登録と過去1年以内に、狂犬病予防注射が済んでいる事

上記全ての条件を満たす必要があります。

まとめ

犬の去勢、避妊手術はどうしても必要な場合と、人間と犬がお互いにストレスなく過ごすために行う場合があります。

飼っている犬と自分の環境を合わせて手術をするべきか否か、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

犬も大切な家族です。しっかりと考えてお互いの為になる選択ができるといいですね。

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