手作りドッグフードに必要な食材・NGな食べ物について解説!
Dogs with choice of food diet

そろそろ愛犬に手作りドッグフードを作ってあげたい、と考えていらっしゃる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

最近は、愛犬に身体によいものを食べさせてあげたい、おいしいものを食べさせてあげたいと、こだわりのドッグフードを手作りされる飼い主さんも増えています。ただし、ドッグフードは愛犬の口に入るもの。手作りドッグフードを作るには、正しい知識が必要です。

今回の記事では、手作りドッグフードに必要な栄養素やNGな食品を解説しています。参考にして頂き、愛犬に安心して与えてあげられる手作りドッグフードを作ってあげましょう!

手作りドッグフードのメリット・デメリット

市販のドッグフードには、犬たちに必要な栄養素がきちんと計算され、配合されているというメリットがある反面、使われている素材が分からないなどのデメリットがあります。

安心、安全を考えた手作りのドッグフードですが、気を付けなければいけないこともあります。ここでは、手作りドッグフードのメリット・デメリットについて解説します。

手作りドッグフードのメリット

手作りドッグフードの一番のメリットは、愛犬の体調や年齢に合わせた食事を与えてあげられること

たとえば、年齢によって必要な栄養素を考慮したドッグフードやアレルギー対応したドッグフードなど、市販のものを使用しても構いませんが、飼い主さんが手作りしてあげると、素材を選んだり、愛犬に合った栄養バランスを考えたりと、細かく管理できます

また、食事の中で十分に水分を摂取できることも、手作りご飯を与えるメリットの1つ。さらに、添加物を使用せず、ナチュラルな素材を中心にすることで、次のようなメリットも期待できます。

  • 被毛に艶が戻る、毛並みが良くなる
  • 口臭や体臭が減る
  • 腸内環境が改善され、体調がよくなる

食べるもので体調が変えられるのは、人間も犬たちも同じなのです。

手作りドッグフードのデメリット

手作りドッグフードのデメリットは、とにかく手間がかかること。たとえかわいい愛犬といえども、毎日のこととなると大変です。

しかし、手作りドッグフードは新鮮な状態で与える必要があるので、基本的に作り置きはできません。一度作ったら数時間以内に食べさせてあげるのがベストです。このように、保存しにくいところも、手作りドッグフードのデメリットといえます。

また、手作りドッグフードは、持ち運びにも不向きです。旅行等に持っていくこともおすすめできません。特に、暑い日の長時間の保存や持ち運びは避けましょう

さらに、ドッグフードを手作りするには、犬は人間と同じ食べ物で大丈夫なのかなど、栄養に関する知識も必要です。十分な時間の余裕がある飼い主さんが実践すべき健康法といえます。

手作りドッグフードに必要な食材・栄養素

人間と同じように、犬たちにも、十分に摂取すべき栄養素があります

愛犬の健康を考えて手作りするドッグフードですが、必要な栄養素をきちんとカバーしてあげなくてはいけません。ここでは、手作りドッグフードに必要な食材・栄養素について、ご紹介します。

穀物などの炭水化物

代表的な炭水化物として挙げられる、小麦やトウモロコシなどの穀類。

実は、もともと肉食動物である犬にとって、穀物に含まれる植物性タンパク質は、胃腸に負担の大きい食材なのです。さらに、小麦アレルギーをもつ子も少なくありません。そのため、手作りドッグフードの食材として、穀物は、あまり使わないようにしましょう

炭水化物を含む食材として、最も一般的に使用されるのは、白米です。白米は、消化しやすく、アレルギーも出にくい食材といえます。なお、白米より栄養価が高いとされる玄米や雑穀は、与えても問題はありません。ただし、消化しやすくなるよう、できるだけ柔らかくしてからあげましょう。

また、イモ類を使うのもよい方法です。特に、さつまいもは、甘く、愛犬たちの大好きな食材でもあります。喜んで食べてくれるでしょう。ただし、糖質が多く含まれているため、与えすぎには注意してください。

動物性タンパク源

犬の主食は、肉や魚などの動物性タンパク質。穀物などの植物性より、動物性たんぱく質の方が消化・吸収しやすい体質です。

このような体質に基づいて、一般的なドッグフードの素材は、「動物性タンパク:炭水化物:野菜類=6:2:2」の割合で配合されています。

動物性タンパクといえば、真っ先に思い浮かぶのが、牛肉、鶏肉、豚肉でしょう。これら肉類は、愛犬が喜んで食べてくれる代表的な食材です。しかし肉類は愛犬が喜んで食べてくれる半面、肉類に含まれる飽和脂肪酸は、皮膚の炎症を悪化させることがあります。アレルギーが出ているときは、使用を避けましょう。

皮膚炎などのアレルギーが出ているときは、不飽和脂肪酸を含む食材の使用をおすすめします。鹿、馬肉、
サーモンなどの魚に含まれる不飽和脂肪酸には、皮膚の炎症を押させる成分の「オメガ3必須脂肪酸」が含まれているため、アレルギーが出ていても安心です。

また、EPAやDHAなどのオメガ3は、免疫力を上げる効果もあるといわれています。鹿、馬肉、魚や魚油など、不飽和脂肪酸を含む食材は、積極的に取り入れてあげましょう

野菜・果物

ビタミンやミネラル、食物繊維など、重要な栄養素を摂るのに欠かせない、野菜や果物。手作りドッグフードで使う食材として、次のようなものがおすすめです。

  • ビタミンやカリウムを多く含む食材

緑黄色野菜(ニンジン、カボチャ、ブロッコリーなど)

  • 食物繊維を多く含む食材

イモ類、キノコ類、海藻類(わかめ、ひじきなど)

キノコ類は、腸内環境を整えたり、免疫力を上げたりする効果もあるといわれており、その成分はサプリメントなどにもなっています。是非、取り入れてあげてください。

果物は、ビタミンの摂取に欠かせない食材ですが、糖質を多く含みます。また、消化不良を起こし、下痢をすることもあるため、与えすぎには十分に注意しましょう。

手作りドッグフードの醍醐味は、愛犬にとってベストな食事を与えられること。ですが、最も大変なのが、栄養バランスのよい食事を作ることです。食べてくれるもの、好きなものばかり与えるわけにはいきません。

愛犬にとって必要な栄養素が取れるよう、食材にも気を配ってあげることが大切です。

使ってはいけない!手作りドッグフードにNGな食材

犬には、絶対に与えてはいけない、食べさせてはいけない食材があります。人間にとって、美味しいもの、
ありがたいものが、愛犬にとっては命にかかわるような毒物になることもあるのです。

ここでは、手作りドッグフードとしてはもちろん、愛犬に食べさせてはいけない食材について解説します。

【NG食材】チョコレート

チョコレートに含まれるカカオには、「テオブロミン」という苦み成分が含まれています。人間にとって、
テオブロミンは、リラックス効果やアンチエイジング効果など、健康効果が期待できる物質です。

しかし、犬には、このテオブロミンを分解する能力が低く、食べると重い中毒症状を引き起こすことがあります。中毒症状は、チョコレートを食べてから数時間から半日ほどで嘔吐・下痢などの初期症状が現れ、さらに症状が進行するとけいれん等の症状で、最悪死に至ることもあります。

万が一、愛犬がチョコレートを食べてしまった場合は、吐かせるなどせず、食べた量を確認し、すぐに病院へ
連れていきましょう

【NG食材】キシリトール

キシリトールは、歯の健康に良いといわれる成分です。しかし、犬はキシリトールを摂取すると、
重い中毒症状を引き起こすことがあります。中毒症状は、キシリトールを摂取してから1時間以内に嘔吐、脱力などの症状が現れ、酷くなると、数時間から数日以内に急性肝不全による、食欲不振、黄疸などの症状が現れます。

キシリトールによる中毒症状は、摂取してから比較的早いタイミングで出るため、万が一、愛犬が摂取してしまったときには、すぐに受診してください。なお、キシリトールは、ガム以外にも、さまざまな食品や
デンタルケア商品に含まれているため、誤飲には気を付けましょう。

【NG食材】玉ねぎ・にら・ネギ

血栓予防効果なども期待でき、人間にとっては健康に良い食品とされる玉ねぎやにら、ネギ、にんにくといったネギ類も、犬が食べると中毒症状を引き起こします

ネギ類に含まれる香味成分「アリルプロピルジスルフィド」という有機硫黄化合物は、犬の赤血球を破壊
(溶血)し、溶血性貧血を引き起こす可能性があり、酷くなると、死に至る可能性もあります。

中毒症状は、数日経ってから現れます。血尿、横断、歯肉が白っぽくなるなどの症状が出たら、できるだけ早く病院へ連れて行きましょう。なお、アリルプロピルジスルフィドは、加熱しても成分が変化しないため、
加熱調理したからといって与えてはいけません。また、ネギ類を含むスープなども危険です。

【NG食材】カフェイン・アルコール類

犬にとって、カフェインやアルコールは、体内への吸収が早く、中毒を引き起こしやすいので注意が必要です。

カフェイン中毒の場合、数時間以内に心拍数の増加、嘔吐などの症状が現れた後、痙攣やてんかんなどの発作を起こすことがあります。また、アルコール中毒の場合、30分程度でぐったりする、嘔吐する、呼吸や意識が弱くなるなどの症状が現れ、呼吸や意識の低下がひどくなると、命にかかわりとても危険です。

カフェインやアルコールは、思わぬ食べものに含まれていることがあります。人間の食べるものを犬に与えることは、犬にとって、実はとても危険なことなのです。

カフェインやアルコールは、体内への吸収が早いので、中毒症状も早く出ます。万が一、カフェインやアルコールを含むものを食べてしまったり、飲んでしまったりしたときは、速やかに病院に連れていきましょう

【NG食材】貝類

犬は、そもそも貝類をうまく消化できません。そのため、貝類を食べると、嘔吐や下痢などの消化不良を起こすことがあります

また、特に、生の貝には、高い毒性を持つものがあるだけでなく、貝に含まれる「チアミナーゼ」という酵素を一度に大量に摂取したり、摂取し続けたりすると、ビタミンB1欠乏症により昏睡状態に陥ることもあるのです。万が一食べてしまった場合は、すぐ病院へ。

貝類を使用した犬用のおやつを適量与えることは、必要な栄養素摂取の方法として、問題はありません。
ただし、そのおやつを与えすぎたり、人間のものを与えたりすることのないようにしましょう。

手作りドッグフードの正しい調理法

手作りドッグフードで、まず気を付けるべき点は、与えるときの野菜やお肉のサイズです。手作りドッグフードは、肉や野菜を細かく刻んでおくこと(ミキサーを使ってもOK)。また、愛犬が食べやすい形にしてあげるようにしましょう。

葉物野菜、新鮮な牛肉や魚の刺身などは、生で与えることもできます。ただし、細菌や寄生虫などを処理するためにも、加熱調理してから与えてあげる方が安全です。なお、豚肉や鶏肉については、必ず加熱調理してから与えてください

また、加熱調理してから、すぐに与えることも避けましょう。手作りドッグフードは、冷ましたものをあげるのが基本。温かくても、人肌くらいの温度まで冷ましてから与えるようにします。熱いまま与えてしまうと、舌が火傷してしまう恐れがあるので注意してください。

犬は、与えると生でも食べてしまいます。また、熱いものでも食べてしまうことがあります。そのため、飼い主さんは、調理法や与え方にも十分に気を付けてあげてください。

まとめ

手作りドッグフードは、愛犬に美味しく食べ、健康に過ごしてもらいたい、という飼い主さんの愛情表現の
1つでもあります。

しかし、飼い主さんが好きそうだと考える食べものが、愛犬にとって、必ずしも安全なものとは限りません。
知識がないまま与えてしまうことで、愛犬に重大な障害が出てしまったり、最悪、死なせてしまったりすることもあるのです。

手作りドッグフードを与えるときは、まず、犬にとってNGな食材や栄養素は含まれていないかを十分にチェックして、愛犬の食べやすいメニューや調理法で作ってあげてください。

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