ペットの犬を家族の一員としてかわいがる方も増えており、「愛犬に手作りごはんを作ってあげたい」と考えている人、手作りドッグフードに対して抵抗がある人と千差万別意見はさまざまですね。
「手作りのドッグフードより市販のドッグフードのほうが安いのでは?」
「手作りのほうが愛犬も美味しく食べてくれそう!」
「調理に手間がかかりそう…」
などなど、手作り食やドッグフードのついては本当にいろんな意見や考えがあるため、どれが正解でどれが間違っているのか分からなくなるのも当然のことと思います。
実際、市販のドッグフードと手作りドッグフードを比較した際のメリットとデメリットについて確認していきましょう。
【ドッグフードを手作りする前に知っておきたいこと】
まず初めに、手作りドッグフードのメリット・デメリットを知っておきましょう。
【メリット】
- 食材から水分を補給しやすい。
- 食材を自分で得られる。
- 季節ごとの旬の食材を取り入れられる。
- アレルゲンの原因物質を避けることができる。
- 愛犬の健康状態に合わせて自由にレシピを変えられる。
- レシピによっては飼い主と同じ食事を取れる。
- 愛情をかけてご飯を提供できる。
手作りドッグフードのメリットは、なんといっても、愛犬の体質や健康状態に合わせて食材を選べることです。
特にアレルギーのある犬にとっては、原因物質を避けることができるので、手作りフードはとても良いでしょう。
また、市販のドッグフードで気になる化学合成物質や低品質な油脂などを避けることができるものも手作り食のメリットと言えます。
【デメリット】
- 栄養のバランス調整が難しい。
- ビタミンとミネラルのサプリメントを補う必要がある。
- 市販フードに比べ手間がかかる。
- 不適切な食材が紛れ込むことがある。
- 調理が適正でないと病原細菌が潜んだままの事もある。
- 保存が難しい、冷蔵庫の場所を取る。
手作りドッグフードのデメリットは、栄養のバランス調整が難しく、バランスが崩れやすいことです。
一般的な総合栄養食ドッグフードは、そのフードと水分を与えるだけで、必要な栄養素を満たせるよう作られています。ほとんどの総合栄養食に、ビタミンとミネラルの合成サプリメントが敢えて含まれているのはそのためなのです。
総合栄養食と言えるような手作り食を作ることは、非常に難しいのです。
【手作りドッグフードの注意点とは?】
手作りのドッグフードに切り替えてみる際にはいくつか注意点があります。手作りドッグフードに関する注意点を確認してみましょう。
*手作りドッグフードを作る際の量の目安は?*
手作りドッグフードを作る際にどのくらいの量を作ればいいのか、悩みますよね。参考として、体重5キロの犬の1日に必要な動物性タンパク質(肉・魚・卵など)食品の摂取量は70グラム~100グラムになります。
いきなり全てを手作りドッグフードに切り替えてしまうと、愛犬がごはんを食べなくなってしまうことがあるので、トッピングとして手作りドッグフードを導入するなら、1日30グラムの摂取量が目安です。
理想的な栄養バランスとして、タンパク質:60~70%、炭水化物:10%、野菜30~40が望ましいでしょう。
*犬に与えてはいけない食材を把握する!*
手作りドッグフードを作る上でとても大事なのが、犬に与えてはいけない食材を知ることです。
犬にとって毒性のある食材や可能性のある食材はあげないのが基本となります。人間が食べても無害なものでも、犬が食べてしまうと有害で、最悪の場合、命を落としてしまう食材もあります。
手作りごはんやおやつとして人の食べ物を与える前に、必ず食べさせてはいけない食材・与え方に注意が必要な食材をしっかり理解して、犬の手作りごはんを作る際には気をつけましょう。
犬に健康に長生きしてもらうためにも、犬にとって食べてはいけない食材の知識を持つことは大切なことです。
与えてはいけない食材
- 生の豚肉
- イカ、タコ
- カニ、エビなどの甲殻類
- 貝類
- スルメ
- ネギ類
- ニラ
- ニンニク
- なす
- ぶどう、レーズン、プルーン
- いちじく
- ドライフルーツ
- ナッツ類
- チョコレート
- コーヒー、ココア
- キシリトール
- アルコール
- スナック菓子
*手作りドッグフードに味付けをしない!*
ドッグフードは、人間が食べる食事のように味付けをしてはいけません!
味付けはあくまで人間の味覚や嗜好性に合わせたものですので、犬には塩分が多すぎて、消化しきれずに体調不良や病気の原因になってしまいます。味覚や消化器官が人間とは違うということを理解して、適した調理法で調理したものを与えましょう。
【手作り食を考える人におすすめしたい方法】
今日から毎日手作りのドッグフードを愛犬に食べさせるぞ、と意気込んでも、そのやる気が続く自信はありますか?
完全に手作りドッグフードに切り替えるということは、時間もコストもかかってしまいます。
私たち人間のように、今日は適当にあるものでいいや、なんてわけにもいきませんし、いきなり全てを手作りドッグフードに切り替えてしまうと、愛犬がごはんを食べなくなってしまうことがあります。
犬は普段食べている食事を安心して美味しく食べれますが、普段食べてこなかった手作りフードだと警戒して食べてくれなくなります。
お互いにストレスを感じてしまう前に、以下の方法でゆっくりと手作りドッグフードと向き合ってみましょう。
*週1~2回は手作りフードにしてみる*
毎日手作りフードにするのではなく、週に1~2回だけ、決まった曜日に、手作りフードの日を作ってみる方法です。
これなら飼い主さんも負担なく、手作りフードを続けられるのではないでしょうか。また、普段は質の良いドッグフードを食べてもらうことで栄養のバランスが調整でき、「手作り食にしたことで栄養が偏ってしまった…」というトラブルも防げることができます。
*ドッグフードを活用したトッピングご飯*
恐らくこの方法がもっとも手軽で、気軽に毎日続けられるのではないかと思います。
いつも与えているドッグフードの量を少し減らし、そこに茹で肉や魚、野菜、果物、などをトッピングする方法です。
この方法なら基本的な栄養素はドッグフードで摂れますし、極端に栄養が偏るという心配もほとんどありません。ただし、トッピングの内容によっては過剰摂取になることもあるため注意してください。
最近はトッピングすることを考慮して栄養成分値を調整しているドッグフードもありますので、そういったドッグフードを利用すると良いかもしれません。
*お湯でふやかす乾燥フードミックス*
お湯でふやかす乾燥フードミックスを利用する方法は、「いちから手作り食をつくるのは難しい…」、「栄養バランスが不安…」という方におすすめです。
もともと動物性タンパク質を含んだタイプや、自分で肉類を加えて作るタイプ等さまざまなタイプがあります。飼い主さんの考えやスタイルに合わせた商品を選べるのも乾燥フードミックスの魅力です。
手作り食初心者の方や、無農薬認定農場で収穫された食材にこだわりたい飼い主さんなどにもおすすめです。
【まとめ】
手作りフードは既製品のドッグフードにはない温かみと新鮮さがあります。
手作りフードを与えることで、愛犬とコミュニケーションが取れますし、犬が幸せそうに食事をする姿を見れたことで、喜びを感じる飼い主の方も多いです。できることなら、自分が作ったごはんを愛犬に食べさせたいと思うのは当然のことでしょう。
しかし、安易な気持ちで作ると、それが逆に愛犬の健康に悪い影響を与えることもあります。本気で手作り食を考えるなら、まずは犬の栄養学について学ばれることをおすすめします。
犬に健康に長生きしてもらうためにも、きちんとした知識を持つことは大切なことです。