犬に骨のおやつは危険? メリットや起こりうる危険と防ぎ方5つ紹介

犬はいつも骨をかじっているイメージがありますが、実際に犬に骨を与えてもいいのか疑問に思ったことがありませんか? 骨を与えると内蔵に刺さるので危険、と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

骨のおやつを上手に使えばカルシウム補給、ストレス解消、歯磨き効果などが期待できます。

ですが、与え方を間違えると歯が折れたり摩耗して歯髄がむき出しになってしまったりということにもなりかねません。

今回は犬に骨のおやつを与えるメリットや注意点について、詳しく紹介します。

愛犬に骨おやつをあげる3つのメリット

まずは、犬に骨のおやつを与える3つのメリットについて紹介します。

①骨に含まれる栄養が豊富

骨にはカルシウム・タンパク質・脂肪・リンなどの栄養素が含まれています。

また、骨の中心部にある髄にはコラーゲンが含まれています。犬は本能的にも骨に栄養が含まれていることを知っているようで、ほとんどの犬が喜んで骨をかじります。ただ、与え過ぎは消化不良だけでなく、便秘や下痢を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。

②歯磨き効果

硬い骨を噛むことによって歯や歯茎が刺激され、歯磨き効果もあります

歯を健康に保つことができれば歯周病になりにくく、歯石がつくことも予防できます。もちろん、歯磨きを併せて行えれば1番効果を期待できますが、骨のおやつを与えることでよりオーラルケアが充実しそうです。

③顎や歯が強くなる

硬い骨を噛み続けることで顎や歯が鍛えられ、強く丈夫になります。

犬にとっては顎や歯は食べるための大切な部位ですので、丈夫になることで高齢犬になってもエサやオヤツを美味しく食べることができます。歯の健康は、犬が長生きしていくためには欠かせません。

なぜ犬に骨おやつをあげるのは危険と言われてる?

犬に骨を与えるのは危険という話を聞いたことがあるのではないでしょうか?もちろん、与え方次第では危険な場合もありますが、前述したように骨を与えることにはメリットがたくさんあります。

骨が危険と言われるようになったのは、アメリカのドッグフードメーカーが、ドッグフードが誕生した約60年前にドッグフードを広げるための噂として、「犬に骨を与えると骨が刺さって危険です」と噂を流したことがきっかけと言われています。

昨今では米食品医薬品局(FDA)は、犬用おやつが起因する死亡例を確認し、特定の「骨」タイプのおやつが致命傷を負わせる可能性が指摘されたということです。

FDAによると2016年にアメリカで15匹の犬が、骨を加工したおやつや表面を骨でコーティングしたおやつを食べて死亡したそうです。このほか約70匹が病気になったと報告されています。

愛犬を危険にさらさない為にも、十分に配慮した環境で、安全な骨のおやつを飼い主が与えることが重要です。

骨おやつで起こりうる危険の防ぎ方5つ

犬に骨を与えるときに注意したいポイントをまとめました。注意点を確認してから与えてあげましょう。

①食べさせている間は目を離さないように!

骨のおやつは丸飲みによる窒息等の事故もあります。留守番中に与えるなど、あげっぱなしにはせず必ず飼い主さんの目の届くところで食べさせるようにしてください。

また、骨を噛んでいるときに骨に血がつくこともあります。歯ぐきから出血している場合は骨のおやつは取り上げましょう。また、次に与えるときはもっと柔らかい骨のおやつを与えるようにしましょう。

多頭飼育の場合、横取りされないように早食いしたり取り合いになったりする場合があるようです。早食いは丸飲みのリスクが上がります。お互いを気にせず食べられるような環境を作ってあげましょう。

②骨が崩れるぐらいに煮てからあげる

加熱した骨は砕けやすく、破片が犬の口や内蔵に刺さり傷つけてしまう可能性があるため、加熱した骨は与えないほうが良いと言われています。ですが、骨の太さや部位、種類、加熱方法や処理方法などによって骨の状態は変わります。

心配な飼い主さんは圧力鍋などを使って骨が崩れるくらいに柔らかく煮てあげましょう。この場合、歯磨き効果は期待できませんが骨の栄養はしっかりとれます!

③骨のサイズに注意

骨のサイズは犬の体や口に合ったサイズを選ぶことが大事です。小さすぎる骨は、丸飲みしてしまうこともあります。また、大きい骨は噛み砕くことができれば安全ですが、そのまま飲み込んでしまうと喉や食道に引っかかってしまう可能性もあります。

おすすめは愛犬が前足を使って骨を持てる程度の長さです。具体的には愛犬の鼻先から口角までの長さの2~3倍程度と覚えておいてください。愛犬の鼻先から口角までの長さが5cmの場合は10~15cm程度が目安です。鼻先から口角までの長さと同じ程度、もしくは短い場合は注意が必要です。

④鳥の骨には特に注意

犬の骨おやつには色んな種類がありますが、鳥の骨は特に注意が必要です。鳥の骨は加熱すると縦に割れて、割れた部分が鋭く尖るので、食道や胃を傷付ける可能性があります。最悪の場合、腸閉塞や腹膜炎になることもあります。

鳥の骨にはコラーゲンも含まれ栄養があるので与えたい場合は、先に紹介したように圧力鍋を使って骨が崩れるくらいやわらかく煮たり、さらに細かくカットして与えてあげましょう。

⑤あげすぎに注意

普段ドッグフードを食べている犬にいきなり骨のおやつを沢山与えると吐いたり下痢をしたりすることがあります。ドッグフードは総合栄養食で、栄養バランスが取れています。

骨にはリンやカルシウムなどの栄養がたくさん含まれているため食べすぎると栄養バランスが崩れてしまい、骨格の異常が起こることがあります。1回に与える量を決め、日常的に骨をあげないように十分注意しましょう。

まとめ

骨のおやつは、愛犬にとって心身共に大きなメリットがありますので是非与えてあげましょう。ですが、注意点をよく理解し飼い主が責任を持って十分に配慮することが重要です。

骨には栄養がたくさん含まれているので、始めてあげる時は少量にするなど工夫しましょう。くれぐれもあげすぎには気を付けてくださいね。

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