犬と猫は仲が悪い? 仲が悪くなる原因とケンカになる時のサイン

犬と猫を一緒に飼っている方は、双方がケンカをしてしまうシーンを見たことがあるかもしれません。
また、犬と猫を一緒に飼いたいと思っている方は、果たして2匹は仲良くしてくれるのだろうかと不安に思われることもあるのではないでしょうか。

犬と猫の関係性をよくするには、それぞれの性格を理解したうえで飼い主さんの忍耐が必要です。
最初の導入期は大変なこともあるかもしれません。しかし犬と猫のふれあいは、SNSでも多く親しまれているように、お互いがユニークな関係を築くサポートをするご家族としてやりがいを感じることもあるでしょう。

この記事では、犬と猫の仲が悪くなる原因と2匹がケンカになりそうなときのサインを解説します。
飼い主さんが犬と猫の特性を理解して、上手に2匹の仲を良好にするために誘導していくことが鍵になるでしょう。

犬と猫は仲が悪いの?

昔から犬と猫は仲が悪いと言われていました。

それは人が犬派と猫派に別れて議論するように、互いが人気のペットでありながらも、習性がまったく異なる種族であることからなのでしょう。しかし、仔犬と仔猫を同時に飼って、一緒に育っていれば良好な関係を築きやすく、大人になっても四六時中じゃれ合うほど仲良しになる確率は高くなります。

子どもの頃から共に暮らしていれば、どちらかが過剰に攻撃的で支配的な気質の場合を除いて、お互いに恐怖心を抱くことはないからです。ですから犬と猫は、ずっと分かり合えずに仲が悪い関係が続くとは言い切れません。

また、仲が悪くなるかどうかは犬と猫の習性という行動原理にも関係します。犬は本来、肉食動物であり、古来、人が狩りをするサポートとして使われていました。そのため猫も含めて自分より小さなものを追いかけることが彼らの役割だったのです。

ですが、それでも犬と猫が仲良く共存できないというわけではありません。気質や、過去のトラウマなども関係しますし、人と同じように動物にもそれぞれ個性があります。性格上、相性が合うか合わないかにも左右されるでしょう。

犬と猫の仲が悪くなるよくある原因

ここでは、犬と猫のありがちなケンカの原因を項目別に取り上げます。ぜひ参考にして、愛犬と愛猫の動作や表情を観察してみてください。

飼い主との遊びやおもちゃに満足できず、相手にちょっかいをかける

犬が猫に向かって前足を上げるのは「遊びたい」という意味かもしれませんが、猫はそれを「攻撃のサイン」と受け止めます。そうなると猫が犬に向かって前足を叩き、犬は怒り始めてケンカが勃発してしまうことになりかねません。

同様に、犬にすり寄ろうとする猫は友好的に振る舞っているかもしれませんが、犬はそれを威嚇と解釈します。とくにその猫が自分のおもちゃや食べ物の近くにいる場合は、犬が唸ったり吠えたりする原因にもなるでしょう。

お互いのテリトリーに入ってしまう

犬も猫も縄張り意識の強い動物です。とくに猫は犬よりも縄張り意識が強く、単独行動を好みます。家のなかにいることの多い猫は、新しく家に入ってきた動物を侵入者と見なすことも多いでしょう。

また、猫は犬以上に好みが激しい気質もあります。許せる相手もいれば、性格的に許せないといったことも猫にとってありがちです。またオス猫はとくに縄張り意識が強いので、去勢手術を施すことで和らぐ可能性が高まります。

相手のえさを食べてしまう

犬は雑食性(肉、植物、穀物)をもつ肉食動物です。それに対し、猫は犬以上に肉食動物のため、肉を主原料にしているキャットフードの缶詰を開けたときの刺激的な香りが犬にとってもたまりません。キャットフードは肉食の猫のために特別に作られていますが、そのジューシーな肉のおいしさは、犬も食欲をそそります。

また多くの猫はフリー・フィーディングといって、一日中フードを出しっぱなし(置きエサ)にすることもよくあります。愛犬の食い意地にもよりますが、愛猫のゴハンは犬に狙われることになるのです。

1人でいたい時に1人になれず、ストレスを感じてしまう

猫を飼っている人たちが猫に惹かれる理由のひとつは、単独行動を好み自立した雰囲気をもっていることです。猫は他者の目を気にせず自分で毛づくろいをしたり、自分で遊んだり、自由気ままにやりたいことをします。

一方で、犬は群れの動物なので、単独行動をしている猫が気になって近づきたいのです。犬は猫のパーソナルスペースを配慮することなく遊びを誘うため、猫が1人になれずストレスを感じてしまいます。しかしだからといって、猫はずっと1人を求めているわけでもありません。ペットとして長く人間と生活をしている猫は、犬や人と同じように寂しい思いをすることもあります。

犬と猫がケンカになる時のサインはこの3つ

ここでは、犬と猫が怒っているときのそれぞれのボディランゲージ(体の動作を利用した非言語コミュニケーション)を解説します。

言葉が話せない動物の発する重要なサインです。威嚇しているのか、あるいは心を許しているのか、犬と猫では正反対の意味を示す意思表示をすることも多くあります。

飼い主さんが誤解をして間違った対処をしないように、愛犬と愛猫の心理状態をしっかりキャッチしてくださいね。

猫が目を合わせる

猫が目を合わせるときは、敵意や警戒心を向けているサインと見てください。逆に目を合わせていないときは敵意がないと見てもよいでしょう。怒っているときの猫の目は硬く、焦点が合っています。瞳孔が狭くなっていることもありますが、なかには目を丸くしてまばたきをしない猫もいます。

猫が犬と目を合わせていないときは、相手を信頼している証拠といってもよいでしょう。

威嚇・唸り声をあげる

犬の場合は、じゃれているときでも軽く唸り声をあげるときが多くあります。しかし、猫に対して低い声で唸っていたり、口を平たく開けて牙をむき出しにしている場合は怒っているサインの可能性があります。その後、猫とケンカに発展してしまう恐れがあるでしょう。

猫は怒ると無口になったり、唾を吐いたり、唸ったりと、穏やかな雰囲気の普段とはまったく違う行動をとります。毛を逆立てたり、前足を硬くしたり、しゃがんで顔だけ相手に向かって見上げるといった大きな威嚇姿勢を見せます。

尻尾の変化

犬が怒っているときの尻尾の振り方は動きが硬いです。尻尾がニュートラルな位置から垂直な位置に移動したり、背中にアーチを描いたりする場合は、犬が攻撃的になっている可能性を示しています。尾が高ければ高いほど威嚇のサインです。

また、尻尾が高い位置にあると、肛門腺から犬の匂いが多く放出され、怒っていることを相手に示す意思表示にもなります。

猫が怒っているときの尻尾の状態は、毛が逆立ち、膨らんでいるように見えます。

また、尻尾を硬く伸ばしたり、体の下に巻き込んだりして、硬直しています。耳は緊張して頭にぴったりとくっつき、ヒゲもピンと張って硬くなります。

猫が尻尾を体に巻きつけて座ったり横になったりしている場合は、防御をしているほかにも体調が悪いこともあります。

まとめ

「犬と猫は仲良くできるか」という疑問はよくあるテーマです。本来、犬と猫は多くの点で異なるため、仲良くなるのは難しいとされますが、飼い主さんの忍耐と適切な環境があれば、犬と猫は親友になれるのです。

犬は社会性のある動物で、もともと遊び好きな傾向があります。
一方、猫は独立心が旺盛な動物です。

遊びたがっている犬は、猫にとっては攻撃的で威嚇的に見えるかもしれません。すると、犬は本当は遊びたいだけなのに、猫は攻撃から身を守ろうとしてしまいます。

同じように、犬(特に若い犬)は追いかけっこが大好きです。猫を追いかけるのも、犬の友達を追いかけるのと同じくらい楽しいのです。

一方で、猫のほうはそのような遊び心のある犬の行動を脅威と解釈するかもしれません。

犬と猫の共通点である「しっぽ」でも、物事を混乱させることがあります。

犬が尻尾を振るのは、友好的である証で「私は幸せです。遊ぼうよ」という優しいメッセージを相手に送っているのです。

しかし、猫は怒っているときに尻尾を振ります。

尻尾を振っている猫と犬が向き合うと、飼い主さんは混乱してしまうでしょう。

2匹が仲良くしている姿はとても微笑ましいものです。しかし、急いで仲良くしようとは考えないでください。仲良くなるのが難しい場合は、原因を理解して対策を考えるようにしましょう。

対策の仕方は、この記事で解説した方法を参考にして、愛犬と愛猫が出しているサインを見極めてください。

そして2匹がケンカになりそうなときは、飼い主さんが距離を置いて上げてお互いの様子を見守ってあげてくださいね。

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