犬の耳垢が多い原因と病気 絶対に見逃さないサイン5つ
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「最近、愛犬の耳垢が急に増えた気がする」「においが強くなってきた…」と心配になり、犬 耳垢 多い 原因を検索されている飼い主の方は多いようです。耳垢の増加は、外耳炎などの病気のサインであることもあれば、体質や生活環境が影響している場合もあります。本記事では、犬の耳垢が多いときに考えられる原因と病気、絶対に見逃したくない危険サイン5つ、自宅でできるチェック方法と受診の目安、日常ケアのポイントまで、順を追って分かりやすく解説します。

犬の耳垢が多いときにまず確認したいポイント

犬の耳垢が多いときにまず確認したいポイント
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犬の耳垢が増えていると感じたときは、まず「本当に異常なのか」「すぐ受診が必要か」を切り分けることが大切です。最初に確認したいのは、耳垢の量だけでなく、色・におい・耳の見た目・しぐさの変化です。

とくにチェックしたいポイントは、次の4つです。

  • 耳垢の色:薄い黄〜うす茶色か、黒っぽい・赤黒いか
  • 耳垢の質感:少量でサラサラか、ベタベタ・ねっとり大量か
  • におい:ほとんど無臭か、すっぱい・腐ったような悪臭か
  • 行動の変化:耳をかゆがる、頭を振る、触ると嫌がるなどがあるか

耳垢の量が急に増え、「悪臭」「赤みや腫れ」「強いかゆみ」が同時に起こっている場合は、外耳炎などの病気が疑われるため早めの受診が必要です。次の項目では、正常な耳垢の目安を詳しく解説します。

正常な耳垢の色・量・においの目安

犬の耳にもともとある正常な耳垢は、少量で、弱いにおいの、ややしっとりした汚れが目安です。耳垢の状態を以下のように確認すると、異常かどうか判断しやすくなります。

項目 正常の目安
薄い黄色〜薄い茶色、肌色っぽい色
耳の入り口にうっすら付く程度。毎日たくさんは出ない
質感 少ししっとり、またはやや乾いたカス状。ベタベタしすぎない
におい 鼻を近づけるとわずかに耳のにおいがする程度。強い悪臭はない
行動 触ってもあまり嫌がらない。頭を振る・かゆがる様子がほとんどない

特に意識したいポイントは、「量が急に増えていないか」「色が濃くなっていないか」「ツンとした悪臭がしないか」という点です。普段から月に数回、明るい場所で耳の中を軽くのぞき、正常な状態を覚えておくと、異変に早く気づきやすくなります。

耳垢が急に増えたときに見られやすい変化

耳垢が急に増えた場合、多くは耳の中で炎症や感染が進んでいます。「量」だけでなく、色・におい・耳の様子の変化をセットで確認することが重要です。

代表的な変化の例をまとめると、次のようになります。

観察ポイント よくみられる変化 考えられる状態の一例
耳垢の色 黒色、赤黒色、こげ茶色に変化 マラセチア性外耳炎、耳ダニなど
耳垢の質感 ベタベタ、ネバネバ、湿った感じ 細菌感染や真菌感染による外耳炎
におい 酸っぱいような臭い、腐敗臭、強い獣臭 外耳炎全般、特にマラセチア増殖
耳の見た目 赤み、腫れ、耳たぶの熱っぽさ 炎症が進行している可能性
行動の変化 頭を振る、耳をしきりにかく、家具に耳をこすりつける 痛みやかゆみが強い状態

「昨日まで気にならなかったのに、数日で耳垢が増え、においが出てきた」「耳垢の色が急に黒っぽくなった」場合は、早めの受診を検討することが望ましいです。急な変化ほど病気が隠れている可能性が高く、放置すると中耳炎・内耳炎など重症化につながることがあります。

犬の耳垢が多くなる主な原因

犬の耳垢が多くなる主な原因
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犬の耳垢が多くなる背景には、いくつかの原因が関係している場合が多いです。大きく分けると、耳の形や通気性などの体質的な問題・感染症・寄生虫・アレルギー・異物や水分の入り込みが主な要因です。

垂れ耳や耳毛が多い犬では、耳の中が蒸れやすく、細菌やマラセチア(カビの一種)が増えやすい環境が整います。この環境に、シャンプーのすすぎ残しやプール・水遊び後の水分が加わると、炎症や感染が起こりやすくなります。

また、耳ヒゼンダニなどの寄生虫は、大量の黒っぽい耳垢と強いかゆみを引き起こします。食物アレルギーやアトピー体質も耳の皮膚を弱くし、外耳炎の原因になります。耳垢が急に増えた場合、多くは何らかの炎症や病気が隠れているため、体質だけの問題と決めつけず、原因を切り分けることが大切です。 次の項目から、原因ごとに詳しく解説します。

耳の構造と通気性が悪くなりやすい理由

犬の耳は「L字型」に曲がった構造で、人よりも耳道が長く深いことが特徴です。さらに多くの犬は外耳道に細かい耳毛が生えており、垂れ耳の犬種では耳介がフタのようになってしまうため、耳の中が蒸れやすくなります。

通気性が悪くなると、耳の中の温度と湿度が上がり、細菌やマラセチアなどの微生物が増えやすい環境になります。その結果、耳垢の量が増えたり、ベタついたり、においが強くなりやすくなります。特に、シャンプーや水遊びで耳の中に水が入りやすい生活環境や、皮脂分泌が多い体質の犬では、耳道内の湿気が長時間こもりやすく、耳のトラブルが繰り返し起こる原因となります。

細菌やマラセチアなどの感染症

細菌やマラセチア(酵母菌)は、犬の耳の中に少量は常在していますが、耳の中が蒸れたり汚れが溜まったりすると、異常に増えて外耳炎を引き起こします。特に垂れ耳や耳道の狭い犬では、通気性が悪くなりやすく、感染症が起こりやすい傾向があります。

マラセチアが増えると、茶色〜黒っぽいベタベタした耳垢と強い酸っぱいようなにおいが出やすくなります。細菌感染が強い場合は、黄色〜黄褐色の膿っぽい耳垢や湿った悪臭、耳の強い赤みや痛みを伴うことが多いです。

どちらの感染症も、放置すると炎症が奥まで広がり、治療が長引く原因になります。耳垢の色やにおいがいつもと違う、急に量が増えたと感じた場合は、早めに動物病院で検査と治療を受けることが重要です。

耳ダニなど寄生虫によるトラブル

耳ダニ(耳ヒゼンダニ)は、耳の中に寄生して耳垢や皮脂をエサに増える寄生虫です。強いかゆみと、黒くポロポロした耳垢が大量に出ることが特徴で、子犬や多頭飼育の家庭、外飼いの犬によく見られます。

耳ダニがいると、犬は頭を激しく振ったり、床や家具に耳をこすりつけたりします。掻き壊しによる出血や、二次的な細菌感染で外耳炎が悪化することも少なくありません。耳ダニは犬同士で簡単にうつるため、1頭に見つかった場合は、同居犬も含めて検査と治療を行うことが重要です。

治療には、駆虫薬入りの点耳薬や飲み薬が使われます。自宅での耳掃除だけでは駆除できないため、耳垢が急に増えた場合や黒い粉状の耳垢が目立つ場合は、早めに動物病院で検査を受けてください。

食物やアトピーなどアレルギー体質

アレルギー体質の犬では、皮膚だけでなく耳の中にも炎症が起こりやすく、耳垢が増えたり、外耳炎をくり返しやすい傾向があります。代表的なのが食物アレルギーとアトピー性皮膚炎です。

食物アレルギーでは、特定のタンパク質(牛肉や鶏肉、乳製品など)に反応し、耳のかゆみ・赤み・ベタついた耳垢が慢性的にみられることがあります。アトピー性皮膚炎では、季節の変化や環境(花粉・ハウスダスト)に左右され、耳だけでなく顔や足先、脇、股などにもかゆみや皮膚炎が出やすくなります。

耳のトラブルと同時に、体をよくかく・なめる、皮膚が赤い・ベタつく、フケや脱毛がある場合は、耳だけの問題ではなくアレルギー体質そのものの治療が必要と考えられます。原因食材の除去食試験や、アレルギー検査、長期的なスキンケアが行われることが多いため、早めに動物病院で相談しましょう。

耳の中の異物やシャンプー液・水の入り込み

耳の中に草の種や砂、ほこりなどの異物が入り込むと、刺激から炎症が起こり、耳垢や分泌物が急に増えることがあります。散歩で草むらに頭を突っ込むことが多い犬や、好奇心が強く狭い場所に顔を入れたがる犬では特に注意が必要です。

シャンプーやプール、川遊びのあとに耳の奥まで水やシャンプー液が残ると、耳の中が常に湿った状態になり、細菌やマラセチアが増えやすくなります。結果として、ねっとりした耳垢や悪臭を伴う外耳炎に進行することも少なくありません。

入浴や水遊びの前後には、耳に水が入りにくいよう耳の入口を軽く押さえる、終わったらタオルで耳の周りを優しく拭いて余分な水分を取るなどの対策が有効です。異物が入った疑いがある場合や、耳の奥に水が入ってから頭を振り続ける場合は、自宅で無理に取り出そうとせず、動物病院での診察を受けてください。

耳垢が多いときに考えられる代表的な病気

耳垢が多いときに考えられる代表的な病気
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犬の耳垢が急に増えた場合、最も多い原因は外耳炎ですが、放置すると中耳炎や内耳炎に進行し、命にかかわる状態に発展することもあります。代表的な病気として、外耳の皮膚に炎症が起こる「外耳炎」、鼓膜の奥まで炎症が広がる「中耳炎」、さらに内側の平衡感覚をつかさどる部分まで炎症が及ぶ「内耳炎」があります。

また、耳垢が増える背景として、「マラセチア性外耳炎」「細菌性外耳炎」「耳ヒゼンダニ症」など、原因別の病気名で診断されることも多く見られます。耳垢の色やにおい、かゆみや痛みの強さにより、疑われる病気が異なるため、自己判断で様子見を続けることは危険です。少しでもおかしいと感じた場合は、早めに動物病院で診察を受けることが重要です。

外耳炎(最も多い耳のトラブル)

外耳炎は、犬の耳垢が急に増えたときに最もよく見られる耳の病気です。耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に炎症が起こり、耳垢の量・色・においが大きく変化します。

外耳炎になると、次のような症状が出やすくなります。

  • 耳垢が急に増える、色や粘り気が変わる
  • 強いにおいがする
  • 耳をしきりにかいたり、頭をよく振る
  • 耳の中が赤い、腫れている
  • 触ると痛がる、嫌がる

原因は、マラセチア・細菌・耳ダニなどの感染、アレルギー、耳の中の湿気や汚れの蓄積などさまざまです。放置すると慢性化し、治りにくい外耳炎に進行することが多いため、数日続く耳の異変は早めの受診が重要です。

マラセチア性外耳炎の特徴的な耳垢

マラセチアという酵母菌が増えると、耳垢の見た目やにおいが大きく変化します。代表的なのは「茶色〜こげ茶色でベタベタした耳垢」と「ツンとした酸っぱいような強い悪臭」です。量も多く、耳の入り口から見てもはっきり分かるほど溜まることがよくあります。

耳の中の皮膚は赤くなり、湿った感じが出るため、耳を触ると「じっとり」していたり、皮膚がふやけて厚くなることもあります。かゆみが強いため、犬が耳をしきりにかいたり、頭を振る行動が目立つのも特徴です。

マラセチアはもともと皮膚にいる常在菌ですが、湿気・汚れ・アレルギー体質などで環境が悪化すると一気に増殖しやすい菌です。茶色いベタついた耳垢と悪臭、強いかゆみが同時に見られる場合は、早めに動物病院での検査と治療が必要です。

細菌性外耳炎で見られる症状

細菌性外耳炎では、耳の中で細菌が増えることで、マラセチア性外耳炎よりも強い炎症が起こりやすくなります。代表的な症状は、耳からの悪臭・黄~黄緑色っぽい膿状の分泌物・強い痛みです。

耳垢は粘り気のある黄色や黄土色で、量が多くベタつくことが多いです。炎症が強い場合は、耳介の内側や耳の入口が真っ赤に腫れ、触るとキャンと鳴いて嫌がったり、頭を振ったり前足で耳を激しくかく行動が目立ちます。

さらに進行すると、耳の周りの毛が抜ける、耳介が熱っぽく感じる、耳をかばうように首をかしげるなどの変化も見られます。痛みや膿のような耳垢がある場合は、自宅ケアを続けず、早めに動物病院で検査と治療を受けることが重要です。

耳ヒゼンダニ症で見られる耳垢の特徴

耳ヒゼンダニ(耳ダニ)が寄生すると、耳の中にコーヒーかすや土のような、黒〜赤黒いボロボロした耳垢が大量にたまることが大きな特徴です。乾いた粉状〜かさぶた状で、指で触るとポロポロ崩れることが多く、マラセチア性外耳炎のようなベタベタした耳垢とは質感が異なります。強いかゆみのため、頭を激しく振ったり、耳をしつこくかいたり、耳を床や家具にこすりつける行動がよく見られます。

また、耳の中が赤く腫れていたり、ひっかき傷や出血がある場合も多く、放置すると二次的に細菌感染を起こして悪臭が強くなることもあります。黒く粉っぽい耳垢が大量に出て、かゆがり方が激しい場合は、早めの動物病院受診が必要なサインと考えてください。

中耳炎・内耳炎に進行した場合の危険性

中耳炎や内耳炎は、外耳炎が悪化して鼓膜の奥まで炎症が広がった状態です。耳垢が多い状態を放置すると、痛みやかゆみだけでなく、平衡感覚や聴力にまで影響が出る危険性があります。

中耳炎・内耳炎に進行すると、以下のような症状が現れやすくなります。

  • 頭を傾けたままにする、ふらついて歩く
  • 目が震えるように動く(眼振)
  • 強い痛みで触られるのを激しく嫌がる
  • 食欲不振や元気消失
  • 進行すると難聴や顔面神経まひ

内耳は音を感じ取る器官と、体のバランスを保つ器官が集まる非常に重要な場所です。中耳炎・内耳炎は、早期治療を逃すと後遺症が残ることもあるため、疑わしい症状があれば早急な受診が必要です。

耳垢の状態から分かる危険なサイン5つ

耳垢の状態から分かる危険なサイン5つ
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耳垢の変化から「危険なサイン」を見分けられると、外耳炎が中耳炎・内耳炎へ進行する前に受診しやすくなります。とくに、次のような変化が見られた場合は早めの動物病院受診が強く推奨されます

危険なサインの例 受診の目安
強い悪臭・頭をよく振る 当日〜翌日までに相談
黒色・赤黒いベタつく耳垢が急に増える 数日以内に受診
耳の赤み・腫れ・触ると痛がる できるだけ早く受診
耳を激しくかく・床や家具にこすりつける 我慢させず受診
元気がない・首をかしげて歩く・ふらつき 緊急受診レベル

耳垢が多いだけのように見えても、これらのサインが重なるほど重症化している可能性が高まります。少しでも異常を感じた場合は、自宅ケアを続けるより、まず動物病院で原因を確認することが重要です。

悪臭が強くなる・頭をよく振る

耳からのにおいと頭を振るしぐさは、耳の異常を見分けるうえで非常に重要なサインです。「耳のにおいが前より明らかに強くなった」「甘酸っぱい・すえたような悪臭がする」「頭を頻繁にブルブル振る・片側に傾ける」場合は、耳の中で炎症や感染が起きている可能性が高い状態です。

特に、次のような様子が同時に見られたら注意が必要です。

気づきやすい行動・におい 考えられる状態の例
頭をしきりに振る、片耳だけを振る 外耳炎、耳ダニ、中耳炎など
耳からツンとした悪臭、強い獣臭 マラセチア性外耳炎、細菌感染

悪化すると、痛みやめまいで食欲・元気の低下につながることもあります。数日様子を見るうちに自然によくなることは少ないため、悪臭と頭を振る行動が続く場合は、早めの受診が勧められます。

黒色や赤黒いベタついた耳垢が増える

黒や赤黒いベタついた耳垢は、外耳炎や耳ダニなどの病気が強く疑われるサインです。特に次のような状態が見られた場合は注意が必要です。

耳垢の状態 考えられる主なトラブルの例
濃い茶色〜黒色で、ねっとり・ベタベタ マラセチア性外耳炎、細菌性外耳炎
コーヒーかす状の黒いカサカサ 耳ヒゼンダニ症
赤黒く血が混じったように見える 強い炎症や掻き壊し、外耳炎の悪化

正常な耳垢は薄い黄色〜茶色で、少量でサラッとしており、強いにおいはありません。色が黒っぽく変わる・量が急に増える・ベタつきが強くなる場合は、早めの受診が必要なことが多いため、自宅で無理にかき出そうとせず、動物病院で原因の確認と治療を受けることが大切です。

耳の赤みや腫れ・触ると痛がる

耳の中や耳介(耳たぶの内側)が赤く腫れている場合、すでに炎症がかなり進んでいる可能性があります。特に「触ると嫌がる・頭を振る・キャンと鳴く」ようであれば、痛みを伴う外耳炎や中耳炎が疑われるため、早めの受診が必要です。

耳をめくって、左右の色や厚みを比べてみると変化に気づきやすくなります。普段より耳が熱っぽい、耳の縁がぷっくり分厚くなっている、耳の入り口が狭くなっているように見える場合も注意が必要です。

強い腫れや痛みがあるときは、自宅で無理に耳掃除をするとさらに悪化するおそれがあります。冷却シートや保冷剤を直接当てるのも避け、刺激を加えずにできるだけ早く動物病院で診察を受けることが安全です。

耳周りを執拗にかく・床や家具にこすりつける

耳の中がかゆかったり痛かったりすると、犬は前足で耳周りを激しくかいたり、頭を床・ソファ・壁などにこすりつけて不快感を紛らわせようとします。耳周りを執拗にかく・頭を色々な場所にこすりつける様子が増えた場合は、外耳炎や耳ダニなどによる強いかゆみが起きている可能性が高いサインです。

かきすぎると、耳の周りの毛が抜けて地肌が見えたり、傷ができて出血・かさぶたになることもあります。爪で引っかいた傷からさらに細菌感染を起こし、炎症や悪臭が悪化するおそれもあります。

以下のような状態が見られる場合は、早めの受診がおすすめです。

注意したい様子 考えられるトラブルの例
片方の耳ばかり激しくかく 片側の外耳炎、異物、耳ダニなど
頭や耳を床・家具にこすりつける 強いかゆみや違和感、痛み
耳周りの毛が薄くなる・傷や出血がある かき壊しによる二次トラブル

耳垢が多い状態とこれらの行動が重なっている場合、自宅ケアで様子を見るよりも、動物病院で原因を特定してもらうことが重要です。

元気消失や傾き歩行など全身の変化

耳のトラブルが悪化すると、耳だけでなく全身の様子にも変化が現れます。耳垢が多い状態に加えて、元気や食欲の低下、頭を傾けて歩くなどの症状がある場合は、緊急度が高いサインです。

代表的な全身の変化には、次のようなものがあります。

  • いつもより元気がなく、遊びや散歩に乗り気でない
  • 食欲が落ちる、水をあまり飲まない、または逆に増える
  • ふらつきやまっすぐ歩けない様子が見られる
  • 頭を片側に傾けたまま歩く、顔の左右のバランスが違う
  • 吐き気やよだれが増える、じっとして動かない

これらは中耳炎・内耳炎、神経症状、強い痛みや発熱が隠れている可能性があります。耳垢や耳のにおいの変化と同時に、上記のような全身症状が見られた場合は、自己判断で様子見をせず、できるだけ早く動物病院を受診することが重要です。

自宅でできる耳のセルフチェックの方法

自宅でできる耳のセルフチェックの方法
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自宅での耳チェックは、明るい場所で、できれば片手で耳をめくり、もう片方の手でスマホライトなどを使って行うと確認しやすくなります。耳の中をのぞき込むときは、犬が怖がらないように、声をかけながら優しく行うことが大切です。

基本の流れは、

  1. 耳の外側や耳の付け根の毛が汚れていないかを見る
  2. 耳をめくり、耳の中の色・耳垢の量と色・においを確認する
  3. 軽く耳の周りを触り、痛がったり嫌がったりしないかを見る
  4. チェック後におやつや褒め言葉を与え、「耳を触られること=うれしいこと」と覚えさせる

が目安です。強いにおい、ベタついた黒っぽい耳垢、赤み・腫れ、触ると嫌がる様子がある場合は、自宅ケアを続けずに早めの受診が重要です。

観察するポイントとチェック頻度

耳のセルフチェックでは、次のポイントを順番に確認すると状態を把握しやすくなります。

観察ポイント 見る・触るときのチェック内容
耳のにおい いつもより強いにおい・すっぱい/腐ったような悪臭がないか
耳垢の量 数日前と比べて急に増えていないか、ベタつきや湿り気が強くないか
耳垢の色 薄い黄〜薄茶色か、黒色・赤黒い・緑っぽい色になっていないか
見た目の変化 耳の入口の赤み・腫れ・ただれ・湿り気・かさぶたがないか
行動の変化 頭を振る、耳をかく、こすりつける、触られるのを嫌がる様子がないか

健康な犬でも、耳の簡単なチェックは週1回程度が目安です。垂れ耳や耳トラブルが多い犬種、過去に外耳炎になったことがある犬では、2〜3日に1回、においと見た目だけでも確認すると変化に気づきやすくなります。シャンプーや水遊びをした日は、乾き具合とにおいをその日のうちに確認すると安心です。

耳垢の色・量・においを記録しておくコツ

耳垢の状態を継続して把握しておくと、病院での説明がスムーズになり、異常の早期発見にも役立ちます。おすすめの記録方法を以下にまとめます。

項目 記録のポイント
日付・時間 耳をチェックした日と大まかな時間 5月10日 夜
耳垢の色 「薄いクリーム」「濃い茶色」「黒っぽい」など具体的に 右:茶色 左:黄土色
耳垢の量 「少量・中等量・多い」「いつもより増えた」など いつもより多い
におい 「ほぼ無臭」「すこし酸っぱい」「強い悪臭」など 酸っぱいにおい
行動の変化 頭を振る、かゆがるなど 右耳をよくかく

スマホのメモアプリやカレンダーに記録したり、耳の中を撮影して画像を残すと変化が分かりやすくなります。左右で違いがあるかも一緒に書いておくと、診察時に非常に参考になります。

すぐ動物病院を受診したほうがよいケース

すぐ動物病院を受診したほうがよいケース
Image: shiba-animalclinic.com (https://shiba-animalclinic.com/column/night-emergency/)

犬の耳垢が多くなったとき、少しでも「いつもと違う」「つらそう」と感じたら、早めの受診が重要です。特に次のような場合は、できるだけ速やかに動物病院への相談・受診を検討してください。

緊急度が高いサイン 受診の目安
激しく頭を振る・首を傾けて歩く 当日中に受診を検討
耳から強い悪臭・膿状の分泌物が出ている 当日〜翌日までに受診
耳を触ると強く痛がる・鳴く 早めの受診が望ましい
片側の顔や目の動きがおかしい、ふらつきがある すぐ受診(神経症状の可能性)
耳垢が急に増え、黒色・赤黒いベタついた状態になった 数日以内に受診を検討

こうした症状がある場合、外耳炎だけでなく中耳炎・内耳炎に進行しているおそれもあります。放置すると慢性化して治りにくくなるだけでなく、難聴や平衡感覚の異常など後遺症が残るリスクもあるため、早めの診察が安心につながります。

様子見できる状態と受診が必要な状態の違い

様子を見てよいか迷うときは、「犬がつらそうか」「変化が急かどうか」「悪化していないか」を基準にすると判断しやすくなります。

状態 様子見できる目安 受診が必要な目安
耳垢の量・色 少し増えた程度で、薄い茶色~黄土色。においは弱い 急に量が増えた、黒色・赤黒い・黄緑色の耳垢が続く
におい 鼻を近づけると少し感じる程度で、数日で変化なし 離れていても分かる強い悪臭が出てきた・日に日に強くなる
かゆみ・しぐさ 時々かく程度で、耳を触っても嫌がらない 頻繁にかく、頭を振る、こすりつける、触ると痛がる
耳の見た目 軽い赤み程度で、数日で悪化しない 赤みや腫れが強い、出血やただれ、耳たぶが熱い
全身状態 食欲・元気がいつも通り 元気がない、ふらつき、首をかしげる、吐き気などを伴う

1〜2日で落ち着く軽い変化で、犬が普段どおり元気に過ごしている場合は、頻繁にチェックしながら経過観察でよいケースもあります。対して、痛みや強いかゆみ、悪臭、急な悪化、全身の不調がある場合は「様子見せずに受診」が原則です。

迷うときは写真や動画で耳の状態を記録し、電話で動物病院に相談すると判断しやすくなります。

診察で行われる検査内容とおおよその流れ

動物病院では、耳の診察はおおよそ次の流れで行われます。初めて受診する場合も多いため、事前にイメージしておくと安心です。

1. 問診と視診・触診
耳垢が増えた時期、かゆみやにおい、シャンプー頻度、過去の外耳炎歴などを確認します。続いて、耳介の赤み・腫れ、痛みの有無、首まわりや全身の皮膚状態をチェックします。

2. 耳鏡検査(オトスコープ)
専用の器具で耳の奥を観察し、耳垢の付着場所、鼓膜の状態、腫瘤や異物の有無を確認します。外耳炎か、それ以外のトラブルかの大きな手がかりになります。

3. 耳垢の検査
採取した耳垢を顕微鏡で確認し、マラセチア(カビ)、細菌、耳ダニなどの有無を判定します。必要に応じて培養検査を行い、どの抗生物質が効きやすいかを調べる場合もあります。

4. 追加検査
中耳炎・内耳炎が疑われる場合や、痛みが強くて十分に観察できない場合は、鎮静下での精査や、レントゲン検査・CT検査などを提案されることがあります。

5. 治療方針と自宅ケアの説明
検査結果をもとに、耳洗浄や点耳薬、内服薬などの治療計画と、自宅でのケア方法・通院頻度について説明されます。疑問点はこのタイミングで整理して質問しておくと、自宅ケアがスムーズになります。

耳垢が多い犬に行われる主な治療法

耳垢が多い犬に行われる主な治療法
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耳垢が多い犬には、原因に合わせて複数の治療が組み合わせて行われます。基本は「耳をきれいにすること」と「原因となる炎症・感染・寄生虫・アレルギーを抑えること」の2本立てです。

代表的な治療の流れは次のようになります。

主な治療法 目的・内容
耳道の洗浄 動物病院で専用の洗浄液を使い、耳垢や膿、汚れを除去する
点耳薬 抗生物質、抗真菌薬、ステロイドなどを含む薬を耳に直接入れて炎症や感染を抑える
内服薬 痛み止め、抗生物質、抗アレルギー薬、ステロイドなどを飲み薬で使う
駆虫薬 耳ヒゼンダニなどの寄生虫が原因の場合に、耳または全身に使う駆虫薬
体質改善 アレルギーが関わる場合の食事療法やシャンプーの見直しなど

自己判断で市販薬や人用の薬を使うことは、悪化や慢性化につながる危険が高いため避ける必要があります。 治療内容や期間は、検査結果や症状の重さによって大きく変わるため、必ず動物病院の指示に従って継続することが重要です。

耳道の洗浄と専用イヤークリーナー

耳垢が多い犬の治療では、まず動物病院での耳道洗浄が基本となります。専用の器具と薬液を使い、耳の奥にたまった耳垢や膿を優しく取り除きます。無理にこすらず、耳道を傷つけないように行うことが重要なため、自宅ではまねをしないほうが安全です。

一般家庭で使うイヤークリーナーは、あくまで治療後や予防のための補助的ケアとして考えると良いです。アルコール入りはしみて痛みが出る場合があるため、獣医師に勧められた犬用製品を選びます。使い方の基本は、耳の中に適量を入れ、耳の付け根を数十秒ほど揉んでから、犬に頭を振らせ、出てきた汚れをコットンやガーゼで拭き取る方法です。

痛がるときや悪臭・大量の耳垢があるときは、自宅での洗浄は控え、必ず先に診察を受けることが大切です。

点耳薬・内服薬・駆虫薬による治療

耳道の洗浄で汚れを取り除いたあと、状態に合わせて薬による治療が行われます。自己判断で人間用の薬を使うことは絶対に避け、必ず動物病院で処方された薬だけを使用することが重要です。

薬の種類 主な目的・効果 よく使われるケース
点耳薬 抗生物質・抗真菌薬・ステロイドなどを耳の中に直接届け、炎症やかゆみ、感染を抑える 外耳炎全般、マラセチア性外耳炎、細菌性外耳炎
内服薬 抗生物質、抗真菌薬、消炎鎮痛薬、アレルギー薬などで、全身から耳の炎症や痛みを和らげる 症状が重い場合、中耳炎・内耳炎を疑う場合、強い痛みがある場合
駆虫薬 耳ヒゼンダニなど寄生虫を駆除し、かゆみや炎症を改善する 耳ダニが見つかった場合や強く疑われる場合

点耳薬は、獣医師から指示された回数と量を守り、耳の入口を軽くマッサージしながらなじませます。内服薬は飲み忘れや自己判断での中断が多く、再発や慢性化の原因になりやすいため、症状が良くなっても処方された日数はきちんと飲み切ることが大切です。駆虫薬は同居犬にも同時に投与が必要となる場合が多く、指示どおりに全頭へ行うことで再感染を防ぎます。

アレルギー体質が原因のときの対処

アレルギーが原因の耳トラブルでは、耳だけを治しても再発しやすいため、「耳の治療」と「アレルギー体質への対策」をセットで考えることが重要です。

まず動物病院で、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など根本の原因を確認します。そのうえで、以下のような対処が一般的です。

対処のポイント 内容の例
① アレルギー源を避ける 食物アレルギーなら療法食や除去食試験、環境アレルギーならハウスダスト対策や花粉の拭き取りなど
② かゆみや炎症を抑える 抗炎症薬(ステロイド・非ステロイド)、かゆみ止めの内服薬や点耳薬
③ 皮膚バリアを整える オメガ3脂肪酸入りサプリや皮膚用シャンプー、保湿剤など

自宅では、獣医師が指示したフード・薬・シャンプーを自己判断で中断しないことが大切です。また、耳だけでなく、顔・足先・わき・お腹など他の部位のかゆみもあわせて観察し、変化があればメモや写真に残して受診時に伝えると、治療方針が立てやすくなります。

耳のトラブルを起こしやすい犬種と体質

耳のトラブルを起こしやすい犬種と体質
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耳のトラブルはどの犬にも起こり得ますが、体質や耳の形によって明らかにリスクが高いタイプがあります。共通しているのは、耳の中が蒸れやすい・汚れがたまりやすい・皮膚がデリケートという点です。

代表的な例をまとめると、次のようになります。

耳トラブルを起こしやすいタイプ 主な理由の例
垂れ耳の犬種(コッカー、キャバリア、ダックス、ビーグルなど) 耳道の通気性が悪く、湿気と熱がこもりやすい
耳毛が多い犬(プードル、シュナウザー、ヨーキーなど) 耳道がふさがり、耳垢や湿気がたまりやすい
皮脂分泌が多い犬(シーズー、フレンチブルドッグなど) 油分が多く、汚れが付着しやすい・マラセチアが増えやすい
アレルギー体質の犬 炎症が起こりやすく、慢性的に外耳炎をくり返しやすい
水に触れる機会が多い犬(水遊びやシャンプーの頻度が高い) 耳の中が湿った状態になり、細菌・真菌が増えやすい

自分の愛犬がどのタイプに当てはまるかを知り、耳垢の量やにおいの変化をよりこまめにチェックすることが予防の第一歩です。

垂れ耳や耳毛が多い犬種が注意したい点

垂れ耳や耳毛が多い犬種は、耳の入り口がふさがれやすく、湿気や熱がこもりやすい体質です。空気が通りにくい状態が続くと、耳垢が増えやすく、細菌やマラセチアが繁殖しやすい環境になります。そのため、同じ生活環境でも立ち耳の犬より耳のトラブルが起こりやすくなります。

代表的なのは、トイ・プードル、シーズー、マルチーズ、コッカー・スパニエル、ダックスフンド、ゴールデン・レトリバーなどです。これらの犬種では、以下の点に注意が必要です。

注意したい点 ポイント
耳の中をこまめに観察 週1回を目安に、耳をめくって色・におい・耳垢の量を確認する
耳毛のケア 伸びすぎて耳の入り口をふさいでいる場合は、トリマーや動物病院で相談する
蒸れやすい状況を減らす 濡れた後はしっかり乾かし、長時間の耳カバーや帽子などで塞がない

自宅で耳毛を無理に引き抜いたり、奥まで綿棒を入れる行為は、耳を傷つけて外耳炎のきっかけになるため避けます。垂れ耳・耳毛が多い犬ほど、「少し汚れているかな」と感じる段階で早めにチェックや受診を心がけることが大切です。

皮脂分泌が多い犬・アレルギー体質の犬

皮脂分泌が多い体質の犬やアレルギー体質の犬は、耳垢が溜まりやすく外耳炎を繰り返しやすいグループです。皮脂が多いと耳の中がベタつき、汚れやほこりが付着しやすくなります。その結果、細菌やマラセチア(カビ)が増えやすい環境ができ、耳垢の量が増加します。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーがある犬は、皮膚バリアが弱く、耳の皮膚にも炎症が起こりやすいことが特徴です。耳周りや体をよくかく、季節やフードを変えたタイミングで耳トラブルが悪化する場合は、「耳だけの問題ではなく、全身のアレルギーの一部」と考える必要があります。

代表的に注意したいのは、ウェスティ、シーズー、フレンチブルドッグなど皮脂分泌やアレルギーが多い犬種です。耳垢の変化だけでなく、皮膚のベタつきや赤みも合わせて観察し、早めに動物病院で体質に合った治療やスキンケア、フード選びの相談を行うことが重要です。

耳垢が増えるのを防ぐ日常ケアと注意点

耳垢が増えるのを防ぐ日常ケアと注意点
Image: tsukumo-clinic.jp (https://tsukumo-clinic.jp/ent/wax/)

耳垢を増やさないためには、「耳の中を乾かす」「刺激を減らす」「普段から観察する」の3つが重要です。毎日の生活の中で、次のような点に注意するとトラブル予防につながります。

ケア・習慣 ポイント
日常のスキンシップ なでるついでに耳のにおい・汚れ・赤み・熱っぽさを軽く確認する
耳の中をむれさせない 濡れた後は耳の入口まわりをタオルで優しくふき、自然乾燥させる
シャンプー・水遊びのときの工夫 耳に水が入らないように注意し、入った可能性があれば早めにふく
体質に合ったフード選び アレルギーや皮脂分泌が多い犬は獣医師に相談してフードを選ぶ
定期的な健康チェック トリミングやワクチン時に耳も一緒に診てもらう

強くこする耳掃除や、自己判断での頻繁な洗浄は、かえって炎症と耳垢増加の原因になります。 耳の中に違和感があるときや臭いが急に強くなったときは、自宅ケアを増やすよりも、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。

正しい耳掃除の頻度とやり方の基本

耳掃除は「やりすぎないこと」が重要です。健康な犬であれば、耳掃除は月1〜2回程度が目安です。ただし、耳垢がたまりやすい犬や、動物病院で外耳炎と診断された経験がある犬は、獣医師の指示に従って頻度を調整します。

基本的なやり方は、以下の流れが安全です。

  1. 犬を静かな場所で落ち着かせる
  2. 耳の入り口を軽くめくり、耳の状態を目で確認する(赤み・悪臭・ベタつきが強い場合は掃除をせず受診)
  3. 犬用のイヤークリーナーを耳の穴の入り口に当て、指示量をそっと入れる
  4. 耳の付け根をやさしく30秒ほどマッサージして、汚れを浮かせる
  5. 犬に頭を振らせ、浮いた汚れと液を外に出させる
  6. 出てきた汚れを、ガーゼやコットンで耳の入り口部分だけを拭き取る

耳の奥まで器具を入れてこすらないこと、強く擦らないことが大切です。痛みや強い嫌がりが見られる場合は、掃除を中止して早めに動物病院に相談してください。

綿棒の使い方や自宅ケアのNG行為

自宅ケアでは、綿棒は「基本は使わない」か「ごく浅い部分だけ」にとどめることが安全です。

耳の穴の入り口に見える範囲の耳垢を、軽く当てるように拭き取る程度であれば問題ありませんが、奥に押し込むように使うと、

  • 耳垢を奥へ押し込んで外耳炎を悪化させる
  • 耳の皮膚を傷つけて出血や感染を起こす
  • 犬が嫌がって暴れ、鼓膜を傷つける危険がある

といったトラブルにつながります。

特に次のような行為は避けてください。

NG行為 危険な理由
綿棒を耳の奥まで入れる 耳垢を押し込み、鼓膜を傷つける可能性がある
乾いた綿棒でゴシゴシこする 皮膚を擦りむき、炎症や痛みの原因になる
イヤークリーナーを大量に入れて綿棒でかき出す 液が残って細菌やマラセチアが増えやすくなる
人用の綿棒や硬い綿棒を使う 犬の耳には太く硬すぎて、ケガのリスクが高い

耳の奥の掃除や、ベタベタした耳垢・悪臭がある場合の処置は、必ず動物病院に任せることが重要です。 迷ったときは自分で触らず、早めに受診すると安心です。

シャンプーや水遊び後に気をつけたいこと

シャンプーや水遊びの後は、耳の中に水分を残さないことが最重要ポイントです。湿った状態が続くと、マラセチアや細菌が増え、外耳炎になりやすくなります。

まず、シャンプー前に耳に水が入りにくいよう、コットンを軽く丸めて耳の入口にふんわりと詰めておきます(奥まで入れないことが大切です)。シャンプーや水遊びが終わったら、柔らかいタオルで耳の入口周りを押さえるようにして水分を拭き取り、コットンを外します。

その後、必要に応じて動物病院で勧められたイヤークリーナーを使い、いつも通りの耳掃除を行います。強いシャワーを耳に直接あてることや、ドライヤーの熱風を近距離で耳に入れることは避けます。

シャンプーやプールの後に、耳を気にしてかく・頭を振る・耳からにおいがする場合は、早めに受診を検討することが望ましいです。

まとめ:耳垢の変化に早く気づいて病気を防ぐ

愛犬の耳垢が急に増えた場合、多くは外耳炎などの耳の病気が隠れています。「いつもと違う耳垢の色・量・におい」「かゆみや痛みのサイン」を見逃さないことが、重症化を防ぐ最大のポイントです。

大切なポイントをまとめると、次の4つです。

  • 正常な耳垢は、少量で薄い茶色〜黄色、強いにおいはない
  • 黒色や赤黒いベタついた耳垢、悪臭、耳の赤みや腫れは早期受診のサイン
  • 頭を振る、耳を執拗にかく、傾き歩行などがあれば、すぐ動物病院へ
  • 自宅ケアは「やりすぎない」「奥まで触らない」を守り、異変に気づくための観察が目的

日ごろから耳の中をこまめに観察し、変化に早く気づくことが、外耳炎の慢性化や中耳炎・内耳炎への進行を防ぎます。不安な状態が少しでもあれば、自己判断で様子見せず、早めに動物病院で相談すると安心です。

犬の耳垢が急に増えたり、においや色が変わるのは、外耳炎や中耳炎、寄生虫、アレルギーなど病気のサインであることが少なくありません。日頃から耳の色・量・におい、かゆがり方や頭を振る様子などをチェックし、危険なサインがあれば早めに動物病院を受診することが大切です。犬種や体質に合った正しい耳掃除やシャンプー後のケアを続けることで、耳のトラブルの多くは予防できます。耳垢の小さな変化を見逃さず、日々の観察と定期的な診察で愛犬の耳の健康を守りましょう。

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