犬の去勢や避妊は、本来なら成犬になる前がベストです。
しかし、飼い始めた時期など、何らかの事情で成犬になったオス犬の手術を検討している飼い主さんもいると思います。
- 成犬でも去勢手術を受けられるの?
- どんなリスクがあるの?
- そもそも去勢手術は何に効果があるの?
去勢手術は高齢になってからの病気を予防できるなど、メリットが多いですが、もちろんデメリットもあります。
ここでは、成犬の去勢手術について調べてみました。愛犬が健康で楽しい生活を送るために、参考にしてくださいね。
犬の去勢に最適な時期は?
犬はほとんどの犬種が生後1年以内に成熟期を迎えるため、去勢時期は生後半年前後がベストです。生殖機能が発達する前に去勢することで、マーキングなどの行動も抑えられ、犬が発情時のストレスを感じずに過ごすことができます。
ただ、時期が早すぎると骨や関節に影響が出てしまうこともあるようです。犬種によってベストな時期もあるので、まずは獣医師さんに相談することをおすすめします。
さらに、時期が遅すぎると病気を引き起こす場合もあると言われます。犬を飼い始めたら去勢をするかしないかを決めて、する場合は時期について早めに検討しておきましょう。
成犬になってから去勢手術を受けることによる3つのリスク
犬の去勢時期は生後半年前後がベストとお伝えしましたが、成犬になってから去勢手術をすることも可能です。
しかし、時期が遅くなるほどリスクも増えていきます。
ここでは成犬になってから去勢手術を受けるデメリットについて紹介します。
身体にかかる負担が大きい
去勢手術は全身麻酔をしてから行うため、身体への負担が大きくかかります。場合によっては麻酔をすることで後遺症が出る犬もいます。それほど身体への負担がかかるので、時期が遅ければ遅いほど危険だと考えられます。
また、手術は精神的にも負担がかかります。そのため、去勢手術はできるだけ早くすることをおすすめします。
術後の回復スピードが遅い
犬も年齢を重ねるにつれて、術後の回復は遅くなっていきます。全身麻酔の負担も大きいので、子犬のころより回復に時間がかかることを覚えておきましょう。
遅くても5〜8歳までには手術を終えていた方が良いです。個体差がありますので必ず獣医師さんに相談をしてから決めましょう。
問題行動が改善しない
去勢手術をしないまま成犬になると、他の犬と喧嘩をしたりマーキングをしたりという問題行動が習慣化しています。習慣化してしまうと、手術をしても改善しないこともあります。
去勢手術のメリット・デメリット
犬の去勢は必要か悩むと思いますが、去勢手術をする・しないを決めるのは飼い主さんです。繁殖させないのであれば去勢をおすすめしますが、どちらにもメリット・デメリットがありますので、愛犬のためによく検討してください。
去勢のメリット
去勢手術をすることによって、発情によるストレスから解放され、病気も防げるというメリットがあります。
去勢をしていない犬は、発情期に勝手に外に出て徘徊することもあります。飼い主の目が離れたところで事故に遭うこともありますし、望まぬ交配をしてしまうことも考えられます。
これらを防ぐために外に出られないよう対策することもできますが、犬にとっては強いストレスがかかってしまいます。
さらに、未去勢の犬は病気のリスクも高くなります。去勢をすると、生殖器に関連する病気(精巣腫瘍、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア、前立腺肥大など)が防げます。
また、個体差や去勢時期にもよりますが、マーキングやマウンティングをしなくなるなどのメリットもあります。
去勢のデメリット
去勢手術をする場合、全身麻酔で身体に負担がかかるというデメリットは前述しました。
他に注意したい点は、手術後はホルモンのバランスが崩れ太りやすくなることです。食事の量が今までと同じでも太ってしまう可能性があります。
体質によっては手術前と変わらないという犬もいるようなので、愛犬の体重をしっかり管理しながら食事の量を調整してあげましょう。
去勢手術の最大のデメリットは子孫が残せないことです。愛犬の子孫を残したいという場合は、慎重に考えましょう。
犬の去勢や繁殖に関する素朴なギモン
犬はいつまで繁殖できるのか、去勢手術はどのくらい費用がかかるのかなど疑問に思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。ここでは知っておきたい犬の去勢や繁殖に関する知識を紹介します。
犬は何歳まで繁殖できるの?
健康なオスは老年まで繁殖が可能です。ですが、実際には10歳〜12歳で繁殖を終わらせるブリーダーも多いようです。
一方でメス犬は動物の愛護及び管理に関する法律により、交配時の年齢は6歳以下、出産回数は生涯に6回までと決められています。
去勢手術の費用の相場は?
犬の去勢手術の費用は動物病院にもよりますが、3万円程度と考えておきましょう。日帰りになるか入院をするかは獣医師の判断になります。入院する際はさらに料金が数千円かかります。
手術費用の他に術前検査や術後の経過診察があるので、その分の費用も用意しておきましょう。
子犬の去勢手術では、同時に乳歯の抜歯をすることもあります。
去勢・避妊の助成金ってあるの?
現在、国内では多くの犬が殺処分されています。飼い犬が生んだ子犬を捨てるケースもあるそうです。命を大切に守るためにも、犬の繁殖を望まないのであれば去勢・避妊手術をすることをおすすめします。
自治体によっては犬や猫の去勢・避妊の補助制度があるので、問い合わせてみましょう。
まとめ
犬の去勢・避妊手術は生後半年頃がベストな時期です。
成犬になってしまった場合は、高齢になるほどリスクもあるので獣医によく相談し、メリット・デメリットを判断した上で決めるのがおすすめです。
去勢してもマーキングなどの問題行動は消えないケースはありますが、望まぬ交配は確実に防げます。
また、愛犬の子孫を残したいという気持ちがある飼い主さんもよく考え、後悔のない判断をしてくださいね。