「犬の去勢を考えているけど、どれだけ費用がかかるかわからない!」
「去勢手術は本当に必要?」
犬の去勢手術を検討していても、手術費用や去勢手術の必要性がわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
仔犬や新しく迎えた愛犬に繁殖の予定がないならば、去勢手術をおすすめします。
そのため、飼い主は愛犬の一生をしっかり考えて、去勢手術を受けるかどうかを考える必要があります。
特に動物病院でかかる去勢費用は高額なので、納得できる病院を選ぶことが大切です。
本記事では、「去勢手術はどのくらいお金がかかるの?」と気になっている方に向けて、手術費用の目安や去勢の必要性について紹介します。
会計時に慌てないように、費用を事前に調べるための参考にしてください。
去勢手術の内容と費用の目安
去勢手術は以下の手順で行われます。
1.事前検査(問診・視診・触診・聴診など)
2.麻酔(全身麻酔)
3.手術(精巣と睾丸を摘出)
4.術後管理(傷口のケア・薬の管理など)
手術は全身麻酔をかけて犬が眠ってから行うので、手術中に痛みを感じることはありません。
しかし、健康な体にメスを入れたり全身麻酔をすることは犬にとって大きな負担になるので、手術は犬の体調が良い時に行うことをおすすめします。
去勢手術の必要性について
去勢手術は、必ず受けなければいけないわけではありません。
実際に、去勢手術の必要性が感じられず、手術を受けないという選択をする飼い主もいます。
しかし、去勢手術にはメリットがあることも事実です。
去勢手術を受けていると、発情中のメス犬と遭遇してもマウンティングをしたり、追いかけることがなくなります。
去勢手術を受けていないオスにとって、発情しているメスに近づけない状態は大きなストレスになります。
ところが、去勢手術を受けると性ホルモンの分泌が抑制されて性的衝動が減るため、犬のストレスを避けることが可能です。
ほかにも性ホルモンによる攻撃性を抑えたり、マーキングや生殖器に関する病気を予防できるといったメリットがあります。
去勢手術は絶対に必要ではありませんが、メリットがあることも考慮して手術を検討する必要があるでしょう。
去勢手術の費用
去勢手術の費用は、手術を受ける動物病院や犬種によって異なります。
小型犬や中型犬であれば、20,000円〜30,000円程度、大型犬は30,000円〜40,000円程度が目安です。
検査や処置などで、別途料金が発生する場合があることも考慮しておきましょう。
メスの避妊手術はお腹を切るため体の負担が大きく、経過観察のために1泊入院をすることが多いです。
手術費用は、メスの小型犬で30,000円〜60,000円程度、大型犬で50,000円〜80,000円程度です。
オスは基本的に日帰りで手術ができるので、メスと比べると費用は安く済む傾向があります。
去勢手術と一緒に考えること
合わせて実施する処置について
犬の去勢手術に合わせて、オスの場合には停留睾丸の処置、マイクロチップの埋め込み、乳歯の抜歯などを一緒に実施することがあります。
停留睾丸の治療や犬の歯の治療は、基本的に麻酔をかけて行うものです。
そのため去勢手術と合わせて行うと、改めて麻酔を打つ必要がなく、犬の精神的・身体的な負担を減らして処置することが可能です。
マイクロチップの埋め込みは注射器で行うため、基本的に麻酔は必要ありません。
しかし、中には注射器を怖がって暴れてしまう犬もいます。
犬が暴れる場合は麻酔を打ってからマイクロチップを注射しますが、去勢手術の麻酔で眠っているのであれば暴れる心配がなく、安全にマイクロチップを埋め込むことができます。
このように、複数の処置を同時に行うことで何度も動物病院へ足を運ぶ必要がなくなり、飼い主や犬にとっても負担を減らすことができるでしょう。
ペット保険の適用について
去勢手術には、ペット保険は原則適用されません。
ペット保険とは、犬の万が一のケガや病気の際に、かかった費用を一定の範囲内で補償してもらえる保険のことです。
犬には人間と同じように公的な保険制度がないので、病院でかかる費用は全額飼い主負担になります。
ペット保険に加入していると、治療費の自己負担額を減らすことができるので、飼い主にとってはとても助かる制度だといえます。
では、なぜ去勢手術はペット保険の対象にはならないのでしょうか。
それは、ペット保険とはケガや病気の治療に対する保険だからです。
去勢手術は犬の病気や問題行動を予防する目的で、健康体の犬に施されます。
したがって、去勢手術をペット保険の対象にすることは難しいのです。
しかし、何らかのケガや病気が原因で去勢手術が必要となった場合には、補償対象になることがあります。
このように例外もありますが、一般的な去勢手術にはペット保険は適用されないので、会計時には注意しましょう。
補助金・助成金の適用について
犬の避妊手術や去勢手術に対して、自治体や団体などから助成金や補助金が出る場合があります。
これらの補助金制度は全国一律のものではなく、自治体によって実施の有無や条件は異なります。
自治体の場合には、犬ではなく飼い主のいない猫などに向けたものが多いです。
しかし、獣医師会などの団体の補助金は、犬の飼い主向けのものもあります。
ここで、いくつかの都道府県を例に自治体・団体による補助金・助成金の内容を紹介します。
以下の例を参考に、お住まいの都道府県や自治体で補助金制度がないかを確認してみましょう。
自治体による補助金・助成金制度
【東京都・神奈川県・大阪府・京都府・兵庫県・福岡の場合】
これらの都道府県では、都や県・府による犬の去勢手術の補助金・助成金の支給は行っていません。
しかし、都道府県内の市区町村によっては、独自の補助金・助成金を支給しているところもあります。
そのため、都道府県では補助金制度がないとしても、諦めずにお住まいの市区町村で補助金制度がないかを確認してみましょう。
団体による補助金・助成金制度
団体による補助金・助成金制度の例を紹介します。
【新潟県央動物愛護協会】
対象条件:
(1)新潟県動物愛護センター又は上越動物保護管理センター及び下越動物保護管理センターから譲渡された犬猫
(2)同協会が実施する新しい飼い主探し情報事業により譲渡された犬猫
(3)動物病院の紹介で譲渡された犬猫
助成金額:オス5,000円、メス10,000円
【公益社団法人名古屋市獣医師会】
対象条件:
市内において犬猫を所有している市内在住の方、犬においては、狂犬病予防法に基づく登録が済んでいること
助成金額:
オス 名古屋市から1,600円、公益社団法人名古屋市獣医師会から3,200円
メス 名古屋市から3,200円、公益社団法人名古屋市獣医師会から6,400円
まとめ
犬の心身の健康や病気の予防といった観点から、去勢手術は犬にとって大切なことだといえます。
犬だけではなく、飼い主にとっても犬の問題行動を減らせたり、望まない妊娠を避けられるといった
メリットがあります。
犬の去勢手術の費用は約30,000円ほどが目安ですが、手術の内容や動物病院、犬種によっても大きく異なります。
そのため、手術を受ける前には費用や手術の内容についての確認が必要です。
愛犬の健康状態に合わせて、安心できる病院や手術方法を選びましょう。