犬の手作りの餌はどうなの?

現代には高品質なドッグフードが販売されており、人から見ても「おいしそう」と思うようなおやつなどもたくさんありますよね。

しかし、最近では飼い主さん達の中でも、市販のフードだけではなく、自分で調理をした手作りの餌を与える人も多くなってきています。

ここでは、犬に手作りの餌を与えるメリットとデメリットについての情報などについて紹介をしていきます。

犬の餌を手作りで与えるメリットとデメリット

犬の餌を手作りで与えるメリットとデメリット

犬の餌といえば総合栄養食のドッグフードが主流ですが、主に野菜や肉を使う手作りの餌には、多くのメリットがあります。

餌を手作りにするメリット

手作りの餌には、大きく分けて安全性の向上と健康増進効果という2点が期待できます。

1.安全な食べ物を与えることができる

100%手作りのものをあげれば、餌に使われる全ての材料を飼い主さんが把握し、コントロールすることができます。犬の健康を害する成分を入れずに作れるので、安心して餌をあげることができます。

2.犬に不要な添加物をあげなくて済む

安価なドッグフードには特に、色々な添加物が入っていることが多いです。酸化防止剤や着色料をはじめ、様々な添加物があり犬に必要のない成分が体に負荷をかけたり、消化に悪影響を及ぼしたりする危険性があります。これら全てを取り除くことができる点が手作りの餌の大きなメリットになります。

3.食事から水分を摂取しやすい

ドライフードに含まれる水分は、保存性を高めるため10%以下となっているのが普通ですが、手作りの餌なら、食材に含まれている水分を一緒に摂取することができます。普段より水を飲まなくなってしまう冬などの水分補給に役立ちますし、普段から水を飲まない犬にもおすすめです。

4.毛艶や便の状態がよくなる

アレルギーを持っている犬なら、アレルギーの食材を避けて手作りすることで、アレルギー症状の改善が期待できます。また、質のいい栄養素を摂取することができるので、犬の毛艶がよくなったり、便の悪い状態が改善されたりする可能性も高まります。

5.不快な口臭や体臭の改善につながることも

餌を手作りにした飼い主さんの中には、愛犬の口臭や体臭が良くなったことを実感する人も多くいます。市販のペットフードに比べて手作りは自身で作る分添加物が少ないので、腸内環境が整うことにより不快な臭いを軽減させることに繋がることが考えられます。

手作りの餌のデメリット

飼い主が作る餌には多くのメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットもあります。

1.手間がかかる

お皿に移して与えるだけのドッグフードと比べると手作りはとても手間がかかります。調理する手間はもちろんですが、毎回レシピを考えたり、新鮮な食材をお店に買いに行ったりする手間などもかかってきてしまいます。

2.保存ができない

手作りの餌は新鮮な食材を使っているため水分を多く含み、保存料もないため傷むのが早くなります。雑菌やカビの繁殖などを考慮して、作ったその当日かその翌日には消費しておく必要があるため、食べムラのあるタイプの子に合わせるのは難しいです。

3.栄養バランスの調整が難しい

タンパク質や炭水化物、食物繊維やオメガ3脂肪酸などをバランスよく摂取できる餌を作るのは案外難しいものです。しっかりと栄養管理して餌を与えないと愛犬の成長を阻害する原因になってしまうため注意が必要です。

4.市販のフードを食べなくなる可能性も

手作りのものに慣れてしまうと、市販のドライフードを食べなくなってしまう可能性があります。普段はそれでも大丈夫ですが、災害時などの非常時にも市販のドッグフードが受け付けないとなると、命に危険が及ぶリスクも出てきます。

次は手作りの餌を作る際におすすめな食材と、使用してはならない材料について確認していきましょう。

手作りの際におすすめな食材

手作りの餌に適している材料としては、人が食べるために売られている新鮮で安全なものがあげられます。

1.肉・魚

もともと肉食に近い雑食性の犬にとって、肉や魚から接種できる動物性のタンパク質は必須の栄養素です。鶏肉や、火を通した豚肉や牛肉、魚ではイワシ、アジなどを選び、順に食材を回しながらバランスよく食材を与えるとよいでしょう。

ラム肉もOKですが、実は豚肉よりカロリーが高く、アレルギー症状が出る可能性もあるので、様子を見ながら与えるようにしましょう。

2.穀物

白米や玄米などの炭水化物も与えましょう。雑穀から鉄分やミネラルなどの不足しがちな栄養素も摂ることができるため、積極的に餌に摂りいれることを推奨します。

3.野菜・果物

肉や魚だけでは補いきれないビタミンや、食物繊維を多く含んでいる野菜もあげてください。具体的な例としては、キャベツやにんじん、大根、さつまいもなどがおすすめになります。りんごなどの果物についてですが、りんごの中に含まれているペクチンという食物繊維によって消化不良を起こし、それによって下痢を起こしやすいため、様子を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。

手作りの餌で使ってはいけない食材

餌を手作りする時使用してはいけない食材もいくつかあるのでこちらも確認しておきましょう。

1.ネギ類

犬にとって玉ねぎや長ネギ、ニラなどのネギ類は、中毒症状を引き起こす有毒な食材です。ネギ類の煮汁やスープも同じなので、手作りの餌では絶対に使用しないでください。

2.生卵

卵を生のまま与えると、卵白による働きでビオチン欠乏症というものを引き起こす可能性があります。しっかりと火を通せば、貴重なタンパク源になるので大丈夫です。

3.調味料・香辛料

人が食べる食べ物のような味付けは犬には必要ありません。犬は人間の5分の1程度しか味蕾かないので味を感じ取りにくいです。また、必要な塩分量も少ないので調味料を使わなくても食材に元から含まれている量で足りています。味が濃いものは香りも強く、犬にとっては美味しそうと感じすぎてしまいます。また、香辛料は耐性が低いため胃腸が刺激され下痢や嘔吐、食欲不振を引き起こす原因になります。

4.チョコレート・ココア

カカオ豆に含まれる「テオブロミン」という成分も、犬は分解、排出することができないため有害な物質です。加熱をしても中毒性が残っているので、絶対に与えないでください。もしも犬が誤って食べてしまった場合は、すぐに獣医師の診断を受けましょう。

5.加工食品

ハムやソーセージをはじめとする加工食品には、人が食べやすいように調味料や添加物、脂肪や塩分などが多く使用されています。これらは犬の腎臓や心臓、胃腸の負担につながるので与えないように注意してください。

手作りの餌を与える際の適量を知る方法

手作りの餌の場合だと、ドッグフードとは違って目安になる量がありません。犬に適切な量を与えないと、栄養不足や肥満の原因にもなるため、餌の適量を調べる方法も知っておきましょう。

1.1日に必要なカロリーを計算する

一般的な犬が1日に必要とするカロリーのおおよその目安は以下の通りになります。

※成犬(避妊去勢済み)を想定して算出

体重必要なカロリー
 2〜5kg188〜374kcal
6〜10kg 429〜630kcal
11〜20kg 676〜1059kcal
21〜30kg 1099〜1436kcal
31~40kg 1471~1781kcal

犬種や年齢、運動量などによって必要なカロリー量は変わります。この数字はあくまでも目安として、犬の様子を見ながら与える量を調整してください。

2.カロリーに合わせて分量を調節する

仮に1日に必要なカロリーを400kcalとすると、1日に餌を2食与えている場合は1回に与える量が200kcalとなります。これを目安として、それぞれの食材の大体のカロリーを計算しながら、与える量を徐々に決めてみましょう。

3.体型の変化に応じて分量も変えていく

手作りの餌を与え続けていて、もしも肋骨や背骨に触れないくらい脂肪がついてしまったり、犬を上から見てみてくびれが見えないような体型になったりしていたら、肥満体型に近づいている可能性がありますので、日々の運動量を増やすか、食事量を減らしていくことも考えないといけません。

手作りの餌は長い期間続けていくことが大切です。

犬にとっては、食べるものが頻繫に変わるのは消化器官に負担がかかってしまうのでよくありません。餌を手作りすると決めたのなら、できるだけ長い期間続けるように頑張っていきましょう。

しかし、市販のドッグフードを食べなくなってしまうリスクや、飼い主さんの日々の負担を考えると、市販のドッグフードと手作りの餌を一緒に与えるのがおすすめです。

ドッグフードと、手作りの餌を組み合わせてローテーションをしながら愛犬にあげてみてはどうでしょうか?

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