犬は骨を食べてもよい? 与えてはいけないと言われる理由と正しい食べさせ方を解説
Warm toned close up portrait of cute beagle dog chewing on treats and toys while lying on floor in home interior

犬に骨を与えてはいけないと言われたことありませんか?

犬に骨を与えていいかいけないかは、賛否両論の情報が溢れていますね。犬の祖先であるオオカミの時代から考えると正しい答えは明らかになってきます。オオカミは超肉食動物で、獲物の肉も骨も丸ごとバリバリ食べていたことから、現代の犬も習性として骨が大好きな動物なのです。

硬い骨を食べると消化不良を起こすのではないか、内臓を傷つけてしまうのではないかと心配される飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。犬に骨を与えることについてはさまざまな情報が飛び交っていますが、犬の健康上のメリットとリスクの両方を含めて事実を整理することが大切です。

犬に骨を与えることは非常に危険な場合もあれば、正しい知識をもち簡単なルールを守ることで安全で犬にとってのメリットがたくさんあります。この記事では、与えてはいけないと言われる理由と与えるうえでの注意点を解説します。

正しく知ることで、骨が愛犬の健康維持に役立つフードの1つとなるでしょう。

なぜ骨を与えてはいけないと言われるのか

犬に骨を与えることは賛否ありますが、マイナスイメージとして発信したのはアメリカのドッグフードメーカーが次のような発信をしたのがきっかけでした。

「骨は飲み込むと内臓に刺さったり、消化不良を起こす心配もあるでしょう。」

しかし、犬の体は古くは野生のオオカミ時代から獲物の肉を骨ごと食べていた長い歴史があります。犬が本来骨を食べることは、習性ともいえるでしょう。ただ、現代では犬はペットとしての家族の一員であるので、野生ではありませんね。犬の習性を満たしつつ正しい与え方を知ることが愛犬の体を守ることにつながります。

ドッグフードの誕生と由来

いまから60年以上ほど前に、アメリカでドッグフードの販売が開始されました。

当時の一般家庭では犬に骨を与えていて、ドッグフードメーカーはそこに着目したのです。

ドッグフードを世の中に普及させるために、骨は消化の問題もあり「犬に骨を与えるのは危険」といった、犬に骨を与えてはいけないというイメージづけをしました。

消化吸収によい加工したドッグフードを推進する意図があったのですね。当時ペット後進国であった日本は、犬の知識も現在ほど深くなくその噂を疑いませんでした。結果、骨は「犬の口や内臓に刺さって傷をつけるから危険」という認識が広まったのです。

現在では、世界的に犬が骨を噛むことに関する正しい情報が統一されています。

与え方を間違えると危険を伴うこともありますが、正しい知識をもてば骨の栄養素や犬本来の楽しみを与えることができるのです。

骨は本当に刺さらないのか

祖先であるオオカミの時代から、獲物を骨も含めて丸ごと食べてきたので、現在の犬の体も肉や骨を消化する能力が優れています。犬の消化力は人間よりもはるかに強く、強酸性の胃液によって短時間で骨を綺麗に消化することが可能なのです。

とはいえ、丸飲みしてしまうと喉が詰まったり内臓が傷ついたり、消化不良を起こす可能性はあります。

しかし鶏の骨は唯一、加熱すると縦に裂けて、犬が飲み込むと内臓に刺さって危険です。骨の大きさも犬が飲み込めてしまうサイズなので、注意が必要です。

正しい食べ方に注意をして、丸飲みを防げば食べさせても問題はないでしょう。

正しい食べさせ方

噛みやすい硬さ、大きさにする

硬すぎたり大きすぎると、無理な力が加わり歯のエナメル質を傷つけてしまい、「虫歯」「歯が欠ける」などの歯の問題につながります。犬の消化力が強いといっても、小さすぎる骨だと丸飲みしてしまい、消化しきれず嘔吐や腸で詰まってしまうこともあるのです。

牛や鹿、イノシシなどの大型動物の腰骨や大腿骨は、骨髄が詰まっていて骨も大きいので安全です。愛犬が飲み込めない大きさの骨を与え、長く噛めるようにすると歯磨き効果も増します。ただし、噛みすぎて歯を傷つけないように10〜15分を目安にしましょう。

生の骨は、ミネラルやその他の栄養素を多く含んだ素晴らしい供給源です。骨は、犬の適切な成長を助けるミネラルであるリン酸カルシウムで構成されているので、犬の骨格強化にも有効です。

骨に含まれるカルシウムは、一般的に販売されているカルシウムサプリメントの4倍も消化率が高いと言われています。大型犬の仔犬は成長が早く、リン酸カルシウムの補給が必要になるため、生骨は特に重要な栄養素です。

いきなり与え過ぎない

骨に慣れていない場合は、消化不良で下痢になることもあります。骨のなかでも、やわらかい軟骨の部分など消化の負担にならない骨で少量ずつ与えてみましょう。市販で売られている乾燥した骨もおすすめです。

生の骨を粉末にしてフードに加えるのも工夫のひとつです。骨を粉砕する場合は、鶏肉の手羽先や首など、柔らかくて中が空洞になっているものを選びましょう。

犬の体が骨に慣れたら、胃腸を正常に保ち、お腹のトラブルを予防する働きがあります。生骨は犬の消化管によく、体内を洗浄する効果があるのです。便秘や下痢にも役立ちます。

加熱した鶏の骨に注意する

加熱した鶏の骨は崩れやすく、縦に割れて先が尖った状態になります。

そのまま飲み込むと、胃や腸などが傷ついたり穴が開いたりといった内臓を傷つける恐れがあるので、鶏の骨は与えないように注意しましょう。特に小型犬は骨の欠片が腸閉塞を起こすことがあります。

鶏の骨には、カルシウムやコラーゲンなどがたっぷり含まれていて、犬の栄養価として優れています。硬い骨の部分ではなく軟骨の部位を圧力鍋等で加熱し、簡単に崩れる状態にして食べやすく消化しやすい工夫をしましょう。

噛むことは犬にとって自然な本能です。危険だからといって、栄養価のない工場生産のプラスチック製の代用品ではなく、加熱した鶏の骨だけは避けるようにして質の高い生の骨を与えたいものです。生の骨を噛むことは、骨が大好きな犬の習性が満たされるとともに、顎の筋肉も鍛えられるでしょう。

食べ終わるまで目を離さない

愛犬に骨を与える場合は、丸飲みしないように安全に食べているかを確認できる状態で与えましょう。

犬が飲み込んだり、喉に詰まらせたりするような骨の破片が出ないようにするためです。窒息の危険性や口の擦り傷と潰瘍の恐れもあります。

また消化しきれず、腸閉塞の危険性もあることを念頭に置くことが大切です。愛犬の留守番中や飼い主さんが近くにいない状態では与えないようにしましょう。

おすすめは、食後のおやつとして生の骨を噛ませてみることです。歯垢を除去する効果があり、歯磨きにもなります。

生骨は菌の発生を防ぐために定期的(数日後)に骨を交換するようにしましょう。

愛犬がストレスで過剰に自分の体を舐めたり、引っかいたり、その他の神経質な行動をとることはあれば、骨を与えてみることをおすすめします。

まとめ

犬に骨を与えるメリットは多くあります。

アレルギーの少ないジビエ肉(鹿やイノシシ)や牛の生の骨は、愛犬のバランスのとれた食事のなかで健康的で安全なものです。

「栄養」「肉体」「精神」に良い効果をもたらす生骨は、何千年もの間、犬種の健康を維持するために必要なものとして与えられてきました。

生の骨は犬の歯をきれいにし、必要な栄養素を与えてくれるのです。危ないと思われがちな生骨ですが、正しい与え方をすれば愛犬の健康と幸福に多くの恩恵を与えてくれるはずです。愛犬に合った骨であれば完全に消化でき、ナチュラルな生の骨は愛犬の毎日の食事の重要な一部となります。

特に歯ブラシで歯を磨かない犬には、歯(特に奥歯の臼歯)の歯石を除去して真っ白な歯を保つ方法が必要です。そのために、骨を毎日10分〜15分噛ませてみましょう。

仔犬の頃から生の骨を与えていると、歯の健康状態が長く持続します。仔犬期は、飼い主さんの靴やクッションを噛んでボロボロにしてしまうことがありますが、骨を与えることで愛犬が本来の楽しみを感じてくれればお互いに幸せですね。愛犬への骨の与え方に注意して、質のよい骨を食べさせてあげましょう!

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