犬の耳は通常だと薄いピンク色ですが、黒くなっている場合は汚れていたりダニや病気に感染していたりする恐れがあります。
特に耳から異臭がしたり、腫れていたりする場合は病気の可能性が高いので、なるべく早く動物病院へ連れて行く必要があります。
本記事では、
「犬の耳が黒くなっている原因は?」
「病院に連れて行くべき?」
とお悩みの飼い主さんに向けて、犬の耳が黒い時に考えられる原因や、耳が黒くなるのを未然に防ぐ方法を紹介します。
記事の内容を参考に、定期的な耳の健康観察やケアを行ってあげてくださいね。
犬の耳が黒い時に考えられる原因
犬の耳が黒い時は、以下の4つの原因が考えられます。
- 単なる汚れ
- ダニ
- 異物がある
- 病気
それぞれの原因について詳しく解説します。
単なる汚れ
第一に考えられる原因は、単なる汚れです。
ラブラドールレトリバーやダックスフンドなど垂れ耳の犬種は、耳の通気性が悪く蒸れやすいため、汚れが付着しやすいです。特に梅雨などの湿度の高い時期は、非常に蒸れやすいため注意しなければいけません。
また、耳の毛が多いミニチュア・シュナウザーやトイプードルなども通気性が悪いため、毛をこまめにカットする必要があります。
耳の汚れを防ぐために、定期的に耳掃除をして清潔な状態を保つようにしましょう。
ダニ
ミミヒゼンダニが犬の耳に寄生すると、黒い耳垢が大量に発生することがあります。
黒い耳垢はミミヒゼンダニの糞で、放置していると激しいかゆみを引き起こすこともあります。
ミミヒゼンダニは、すでに寄生されているほかの犬と接触することで移るケースが多いです。
ほかにも、飼い主の手や服などにミミヒゼンダニの成虫や卵が付着し、部屋中にばらまいてしまうことで愛犬に感染することもあります。
ミミヒゼンダニを放置すると、外耳炎や内耳炎、中耳炎などの病気になってしまうので、悪化する前に動物病院で適切な治療を受けなければいけません。
異物がある
耳の中に異物があると、炎症が起こり耳垢が黒くなることがあります。
散歩中に草木や虫が耳の中に入ったり、シャンプー中の水が耳の中に入ったりすると、炎症が起こりやすいため注意が必要です。
散歩から帰ったあとは耳の中をチェックしたり、シャンプー後は耳もしっかり拭いたりして、耳の中に異物が残らないようにしましょう。
病気
ミミヒゼンダニの寄生や汚れ・異物から耳の中で炎症が起こり病気になった場合は、耳の中や耳垢が黒くなることがあります。
病気になると耳から異臭がしたり腫れたりするので、少しでも異常を感じたら早急に治療が必要です。
愛犬の耳が黒い原因が単なる汚れとは思えない場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
犬の耳が黒い時に考えられる病気は?
犬の耳が黒い時は、以下のような病気が考えられます。
- 耳ダニ感染症
- 外耳炎
- 中耳炎
- 内耳炎
耳ダニ感染症
耳ダニ感染症は、犬の耳にミミヒゼンダニが寄生することで発症する病気です。
耳ダニ感染症を発症すると、
- 耳をかゆがる
- 耳周辺の毛が抜け落ちる
- 耳が炎症を起こす
- 耳から異臭がする
- 黒い耳垢が出る
などの症状が見られます。
ミミヒゼンダニは犬の耳に常在するダニではなく、すでにダニに寄生されている犬から感染するケースが多いです。
外耳炎
外耳炎は、犬の外耳が細菌や耳ダニの寄生などが原因で、炎症を起こすことにより発症する病気です。外耳炎になると、耳から異臭がしたり黒い耳垢が出たりするようになります。
発症しやすい犬種として、垂れ耳であるゴールデンレトリーバーや耳の中の毛が多いトイプードルなどがあげられます。
垂れ耳や耳の毛が多いと耳の中が蒸れやすく外耳炎を発症しやすいので、定期的に綺麗にして清潔な状態を保ち、外耳炎を予防しましょう。
中耳炎
中耳炎は、犬の中耳で炎症が起こることにより発症する病気です。外耳炎が進行することで発症することが多く、激しい痛みをともなうことがあります。
また、稀に中耳内の顔面神経や眼の交感神経にまで炎症が及ぶことがあるため、早期の治療が必要です。
中耳炎を発症させないためにも、外耳炎の症状が出た時点で治療を受けさせるようにしましょう。
内耳炎
内耳炎は中耳が炎症を起こす病気で、中耳炎が進行することで発症することが多いです。
内耳は聴覚と平衡感覚を保つ器官なので、内耳炎になると感覚障害や難聴が引き起こされます。
さらに、内耳の近くにある神経まで炎症が広がると、顔面神経に障害が出る恐れもあります。
こんな症状が見られる場合は注意
愛犬の耳が黒い時に、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
- 異臭が生じている
- 腫れの症状が生じている
- 激しく頭を振ったり、耳を足で掻いたりする
上記の症状が見られる場合は、病気の可能性があるため、動物病院へ連れて行く必要があります。
しかし、拭き取って耳が綺麗になるなら、耳垢や汚れで黒くなっているだけの可能性が高いです。愛犬の耳を一度綺麗に掃除して、様子を見てみるのもよいでしょう。
ただし、異臭や腫れ・かゆみなどの症状が見られる場合は、悪化させないために耳は触らず動物病院へ連れて行かなければいけません。
ここからは、それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
異臭が生じている
犬の耳に異臭が生じている場合は、耳垢が原因であることが多いです。耳垢が大量に付着していたり黒い耳垢が出るようであれば、耳ダニ感染症の恐れがあります。
また、外耳炎・中耳炎・内耳炎を発症した場合も異臭が生じます。
「愛犬の耳が臭い」と感じる場合は、かかりつけの動物病院を受診しましょう。
耳ダニ感染症や外耳炎・中耳炎・内耳炎などの病気は、悪化を防ぐために早期治療が大切です。
万が一、異臭以外に腫れや痛みなどの症状がある場合は耳掃除をせず、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
腫れの症状が生じている
耳の黒くなった皮膚が腫れている場合も、耳ダニ感染症や外耳や内耳などで炎症を起こしている可能性が考えられます。
耳の皮膚が腫れている場合、触れると症状が悪化することがあるので、触らず動物病院で診察を受けましょう。
また、犬が耳を触らないように注意する必要があります。
激しく頭を振ったり、耳を足で掻いたりする
激しく頭を振ったり、耳を足で掻いたりする時は激しいかゆみを感じていることが多いです。
外耳炎・中耳炎・内耳炎でもかゆみを生じることがありますが、特に耳ダニ感染症に感染すると激しいかゆみを引き起こしやすくなります。
愛犬が耳ばかり気にする場合は耳の病気が疑われるため、動物病院で適切な治療を受けましょう。
耳が黒くなるのを未然に防ぐ方法
愛犬の耳が黒くなるのを防ぐためには、定期的な耳の観察と耳掃除をしっかりと行うようにしましょう。
もし耳垢が出てきたら、コットンなどの乾いたもので耳の表面を優しく拭き取ってあげます。
また、犬の耳掃除にはイヤーウォッシャーでの洗浄もおすすめです。
イヤーウォッシャーは液状の薬で、直接犬の耳に投与して耳の根元部分を軽く揉んであげます。
そうすると犬は反射的に首をブルブルと振り、耳の奥にある耳垢も自然に耳の表面に排出されます。
出てきた耳垢は、目に見える部分であれば軽く拭いて綺麗にしてあげましょう。
週3〜4回を目安に使用すると、愛犬の耳を綺麗にできます。イヤーウォッシャーはペットショップで購入可能なので、気軽に手に入れられます。
耳の中の毛が多い場合は、定期的なトリミングを行ってあげましょう。
まとめ(犬の耳が黒い原因)
犬の耳が黒い時は、以下の4つの原因が考えられます。
- 単なる汚れ
- ダニ
- 異物がある
- 病気
単なる汚れや異物の場合は飼い主さんの耳掃除で改善できる場合がありますが、ダニや病気であれば専門的な治療が必要なため、専門家である獣医にかかるのが確実です。
愛犬の耳が黒い時に、異臭や腫れ、かゆみなどの症状があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
明らかな異常はなく単なる汚れと思える場合でも、不安な時は個人で判断せずにかかりつけの獣医に相談することをおすすめします。
犬の耳は定期的な観察や耳掃除で清潔な状態を保てるので、こまめに綺麗にしてあげてくださいね。