犬が息を吸う時に震えるのは病気のサイン? 考えられる10の原因
  • 愛犬が震える原因はどんなものがあるの?
  • 病院にすぐに連れて行くべき?
  • そもそも病気の可能性はある?

と心配されている方に向けて、それぞれ解説していきます。

愛犬が震えているのを見ると、体に異常があるのではないかと心配になりますよね。

犬が震えるのにはさまざまな理由があります。

警戒心や注目されたいなど対処の必要がないものもあれば、寒さや高齢のためなどサポートが必要なもの、病気や発作などの動物病院への受診が必要なものなど、震えの原因によって対処法は様々です。

この記事では、犬が震える原因とその対策を解説しています。

愛犬の様子を見て緊急の対処が必要かどうか、病院にいく必要があるかなどの判断材料にしてください。

犬が息を吸う時に震えるのどのような時?

震えは「年齢のせい」と自己判断するのはとても危険です。

犬が震える理由は、「精神的原因」「肉体的原因」の2つがあります。

犬の震えは高齢のせいだけではなく、重大な病気や神経症状の可能性もあるのです。

どのような時に震えるのか次の章で詳しく説明していきます。

まずは、この記事で紹介している震えの原因に当てはまっているか確認しましょう。

病院に行くべき症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

また、少しでも判断に迷うようであれば、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

犬が息を吸う時に震える10の原因と対策

犬に震えの症状が見られる時に考えられる原因と対策を紹介します。

愛犬が震えている原因が何か判断できれば、すぐに対策してあげてください。

犬は言葉を話せないので、痛みや病気で震えていたとしても伝えることができません。

緊急で動物病院の受診が必要な場合もありますので、愛犬をよく観察して原因を考えましょう。

①興奮している

犬が息を吸う時に震える原因の1つは興奮です。嬉しいことや興味のあることで頭がいっぱいになり、興奮状態になり震えることがあります。興奮が原因の場合は、息を吸う時に震える動作以外にも、下記のような動作が見られます。

  • 動きが激しくなる
  • ハァハァと息をする
  • 吠える
  • 一点を見つめている

病院に行かなくても問題ありませんが、興奮がずっと続くようであれば落ち着かせる必要があります。おすわりやお手など簡単な命令を出し、別のことに集中させるようにすると、興奮状態が緩和されていくので試してみてください。

②注目されたい

震えることで注目してもらえると学習している犬は、飼い主に注目されようとわざと震えてアピールすることもあります。犬が震えていた時に大げさに「どうしたの?」「大変!」「大丈夫?」などと反応してもらえた経験から、震えると飼い主が注目してくれると学習しているためです。

また、いたずらなどで怒られている時にわざと震える犬もいます。これも上記のケースと同様で、犬が震えているのを見て怒るのをやめたり、急に優しくしてもらえたりする経験があり、震えると良いことがあると学習しているためです。

このような場合は、犬が目的を達成することで震えがおさまるので心配ありません。目的を達成したにもかかわらず震えが続くようであれば、他の原因の可能性を考えてみましょう。

③寒い

犬は寒さで震えることがあります。震えることで熱を発生させる「シバリング」という正常なもので、私たちが寒くてブルブル震えるのと同じ行動です。特に子犬や高齢犬、脂肪の少ない犬、小型犬、毛が短い犬は、寒さに弱いため震えの症状が出ます。

寒さで震えている場合も病院へ行く必要はなく、温度調整(室温は24〜26℃が望ましい)や洋服を着せるなどして快適な生活環境を整えてあげましょう。

寒さの震えの場合、動物病院への受診は必要ありませんが、命に関わる低体温症には注意が必要です。特に子犬は低体温になりやすいため、以下の症状があり温度調整をしても改善しない時は病院に行ってください。

  • 元気がなくなる
  • 体温が下がる
  • 体が冷たくなる
  • 体が固まる

④痛み

息を吸う時だけでなくリラックスしている状態や寝ている時にも震える場合は、なにかしらの痛みによって震えが出ている可能性を考えてください。

椎間板ヘルニアなどの骨格系の痛みが原因のこともありますが、膵炎など内臓からくる腹痛などの痛みでも同じような症状が見られることもあります。

痛みが原因の震えは、震え以外にも下記のような症状が出ることがあるので、当てはまっていないか確認しましょう。

  • 下痢や嘔吐
  • 触ると「キャン」と鳴く
  • じっとしていて動かない
  • 唸るなど攻撃的になる

このような症状は体の異変を疑う必要があります。すぐに動物病院を受診し、愛犬の様子や症状を伝えましょう。

⑤病気

病気からくる震えの特徴は、実際に触れるまで震えていたことが分からないほどの小刻みな震えです。震えの症状以外にも、食欲がない、呼吸が荒い、ぐったりしている、などの症状が見られます。

病気の原因は感染症などの発熱が一番に考えられますが、脳障害や中毒症状、低血糖、臓器の機能障害などの可能性もあるため、早急な受診が必要です。

⑥ストレス・不安・恐怖

恐怖や緊張、ストレスを感じると、自律神経のバランスの変化によって震えが生じます。怒られている、病院の診察台に乗る、雷や花火などの大きな音がする、知らない人が近付いてきた時などがあります。

ストレスや不安、恐怖が原因だと考えられる場合は、病院の受診は必要ありません。しかし、精神的に負担がかかり続けると免疫力が低下し病気になりやすくなってしまうので、ストレスを取り除く工夫をしてあげましょう。病院が嫌いな犬であれば、診察後に褒めておやつを与え、怖くない場所だと覚えさせるなどがあります。

⑦警戒心

知らない場所に行ったり、見知らぬ人に会ったり、自宅の周りを工事しているなど何か自分の身に危害が及ぶことを警戒している場合は、警戒心から震えることがあります。警戒心の強い犬によく見られ、自分を守るための行動なので、対策の必要はありません。 

震えるだけでなく、よだれの量が多くハァハァと荒い呼吸が続くようであれば過度なストレスがかかっているので以下を実践してみてください。

  • 声をかける
  • 場所を移動する
  • 優しく触れる
  • おもちゃやおやつで意識をそらす

⑧高齢による筋力の低下

高齢になると筋肉量が低下するため、震えが生じることは珍しくありません。活動スペースの床に滑り止めを敷いて、踏ん張って歩きやすい環境を整えてあげましょう。肥満や運動不足になれば筋肉量が低下してしまいやすくなるので体重管理と運動させる習慣をつける必要があります。

多くの犬は歩いたり走ったりすることが喜びなので、ある程度高齢になっても自分の足で歩けるよう子犬のころから室内環境や運動をさせるなどして足には気をつけてあげましょう。

⑨痙攣発作

愛犬が震えていて、呼びかけても反応がないのであれば、痙攣発作の可能性があります。痙攣発作以外の原因で、意識まで失われることは非常にまれです。痙攣発作は数時間以内に命を落としてしまうか、脳に深刻な後遺症を残してしまう可能性があるので、緊急性が高く素早い対応が求められます。また、意識はあっても自立あるいは自力歩行ができない場合には、神経症状としての運動失調が疑われます。

どちらの場合でも早期治療が必要なため、すぐに動物病院に受診しましょう。痙攣が起きている時は、異常な動きや苦しんでいる表情が見られますが、意識がない状態なので痛みや苦しみは感じていません。パニックになるかもしれませんが、落ち着いて発作が止まるのを待ち病院へ行きましょう。

⑩何らかの神経症状

神経症状として震えが起こっていることもあります。神経症状の場合は、繰り返し震えが起きる、激しく震える、なにか同じ行動をした後に震える、意識がないなどの特徴があります。たとえば、血糖値の極端な低下やてんかん発作の予兆、脳腫瘍などは神経症状からの震えが見られるので、動物病院への受診が必要です。神経症状の原因は遺伝など先天的なものの可能性もあり予防は難しいですが、専門的な治療もできるので早期治療が大事です。

このような症状の時は、すぐに病院へ行くべき

様子を見て震えがすぐに収まる場合は問題ありませんが、震えが痙攣に進行してしまう場合もあります。

元気や食欲がなくなる、吐いてしまうなど、震えに加え何らかの体調不良を示す症状があるなら動物病院へ行きましょう

大切な愛犬が震えていると心配で慌ててしまうこともあると思いますが、慌ててしまえ

ば冷静な判断が難しくなります。

痙攣発作が起きている場合は症状が落ち着くまで様子を見る、病気や痛みだと思われる場合は他の症状が出ていないか確認する必要があります。

このように緊急時ほど飼い主の冷静な判断が求められるので、落ち着いて対処することが大切です。

また、緊急時に相談ができる犬の専門家がいると安心できるので、あらかじめ信頼できる動物病院や獣医師を見つけておくとよいでしょう。

まとめ(犬が息を吸う時に震える)

震えという症状は、生理現象でもあり、病気のサインでもあります。

犬が震えている時の状況や震え以外の症状を総合的に評価しないと、異常かどうかの判断はできません。

飼い主さんだけで判断するのは危険です。

少しでも判断に迷うようであれば、原因を確認しておくと安心なので獣医師に相談しましょう。

実際に愛犬が震えている状況を見せるのは難しいですが、震えている動画を撮って見せるとより正確な診断材料になるのでおすすめです。

震えは細かい動作なので、飼い主さんが愛犬の異変に気付けるよう、普段から体を触って愛犬とコミュニケーションをとる習慣をつけておきましょう。

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