仔犬にはどれくらいの頻度で、どれくらいの量の餌を与えたらよいのでしょうか?
犬種や仔犬の体質、生活環境などによっても異なりますが、おおよその目安を知っておき、仔犬の健全な成長を万全にサポートしてあげましょう。
仔犬に与える1日の餌の量と回数の目安は?
仔犬の消化器官が発達するには時間がかかります。なので、一度に多く食べると消化不良を起こしてしまう危険性があるので、成犬よりも1日に餌を与える回数を増やす必要があります。
また、仔犬は成犬と比べて低血糖になりやすいので、餌が不足してしまわないように気を付けなければいけません。
あくまでも目安にはなりますが、生後2ヶ月頃は1日に4回、3〜5ヶ月は1日に3回と分けて与えると良いでしょう。
チワワやティーカッププードルなどとも呼ばれているトイプードルなどの超小型犬では、生後3〜4ヶ月頃でも1日4回位に分けて与えたほうが良い場合もあります。
便が緩くなってしまう場合は、1回あたりの餌の量が多く、消化不良を起こしていることが考えられます。逆に羊や兎の便のように小さく固い塊のような便が出るようであれば、餌や水分が足りない証拠です。仔犬の便の様子を見ながら、与える量や回数を調整してみてください。
体が急激に成長していく仔犬の間は、一生の内でもっとも多くの摂取カロリーを必要とします。
食べ盛りである人の子供も成長期のダイエットは悪影響でしかないように、太りやすい犬種であると言われるから、去勢や避妊手術をしたから、体の大きさが好みよりも大きくなると嫌だからという理由で、仔犬期に餌を少しだけしか与えないのは良くありません。
生後1歳頃までは、肥満になることを不安に思うのではなく、骨や筋肉などの体全体の組織が健全に成長できるようサポートするのがとても大切です。
ドッグフードのパッケージの側面や裏面に書かれている月齢と体重別の与える量を参考にし、仔犬にとって十分な量のフードを与えてください。
犬にとって必要なカロリーは、月齢や体重だけではなく、季節や生活環境によっても変わってきます。
夏は体力の消耗を抑えるため活動量が減るので、エネルギーの消費量が減ります。そのため、必要な摂取カロリーも減ることになります。逆に寒い冬は、体温を上げるため多くのエネルギーが必要になります。
長時間の散歩をしたり、犬の保育園や犬の幼稚園で1日を過ごしたりしてたくさんの活動をした日も、エネルギーを多く消費しています。そのような場合は、仔犬には多くのカロリーを摂取させる必要があります。
柔軟に対応しながら、仔犬に与える餌の量を調整してあげましょう。
犬に必要なエネルギー量は、体重あたりの体表面積に比例すると言われています。
小型であればあるほど、通常ですと体重あたりの体表面積が広いので、小型犬は大型犬と比べて栄養価の高いものが必要になります。
犬種のサイズによって種類を分けられたドッグフードが販売されているのはそのためです。愛犬に合ったものを選んであげてください。
犬にとって必要なカロリーの計算式もありますが、その計算方法が複雑で、小型犬か大型犬かによっても計算方法が変わってくるので、そちらを過度に気にする必要はないでしょう。
メーカーにて必要カロリーを計算し記載された、フードのパッケージにある給与量を参考に与え続けつつ、仔犬のワクチン接種時や、フィラリアやノミ、ダニなどの予防薬をもらいに行く際に、一緒に子犬の体重や体格が適正であるかどうかを獣医師さんにこまめに確認してもらうことをおすすめします。
仔犬の餌が適正でない場合はどんなことが起きる?
仔犬が餌を食べ過ぎてしまった場合、軽症であれば軟便の症状があり、重症な消化不良を起こすと下痢や嘔吐などの症状がみられます。
実は、仔犬の成長がゆるやかになっていく生後5ヶ月過ぎまでは、与えるフードは計量をせず、軟便にならない範囲で仔犬が食べたいだけ与えるというブリーダーの方も少なくありません。十分な量の餌を摂れていないと、心身の成長に悪影響が生じてしまうからです。
仔犬が痩せてしまうと免疫力が低下するため、感染症などにかかりやすくなる危険性がでてきます。また、痩せすぎは肝機能の低下の原因にもなってしまいます。
仔犬のうちは、成犬より体内の水分量が多いため、生後4カ月頃までは全体的にぽっちゃりしていると感じる程度で問題ないです。仔犬を飼い主さんの手で触ってみて、背骨や肋骨、腰骨がはっきりとわかるようであればむしろ痩せているという証拠なので注意してください。
仔犬が気づかぬうちに痩せてしまう原因のひとつには、仔犬の適正体重を飼い主さんが把握できていないという場合が挙げられます。
ドッグフードのパッケージには、体重による餌の量の目安が記載されていますが、その体重はその犬の適正体重のことなので、すでに痩せている4kgの仔犬に4kgの表示がされている餌の量では足りません。愛犬の適正体重を知るためにも、動物病院で獣医師さんによる定期的なチェックが受けられれば安心です。
ブリーダーの方やペットショップにてはじめに伝えられた1日の餌の量を飼い主さんが同じ量のまま与え続けてしまい、給与量が足りなくなってしまうこともあります。仔犬は成長期なのでぐんぐん成長します。その成長にあわせて与えるフードの量も増やしていかなければなりません。
仔犬の時期には、餌の量が少ないことによる栄養不足になってしまわないよう特に気を付けましょう。
仔犬の餌を選ぶときのポイントとは?
ドッグフードは様々な種類のものが販売されています。買うときは、フードの表記に「総合栄養食」と書かれているものを選んでください。
三大栄養素と呼ばれる、炭水化物や脂肪、タンパク質以外にも、犬にとって必要なビタミンやミネラルがバランス良く配合されているのが、総合栄養食です。
粗悪な原材料や過度な添加物を使った安価なものは、癌などの病気の原因になるともいわれており、できるだけ良質なドッグフードを選ぶのも重要なポイントです。
ざっくりとした目安ですが、1kgあたり1,000円以上のものを選ぶといいです。同じブランドの中に「パピー用(仔犬用)」がある場合は、1歳頃まではそれを選んで与えましょう。
同じ種類のドッグフードだけに食べ慣れてしまうと、療法食や災害時の避難先などで提供される食事を愛犬が受け付けなくなる可能性があります。
1袋食べ終わる度に、全てで3種類くらいの違うメーカーやタンパク源を使用したドッグフードを変えながら与えると良いとも言われています。
ドッグフードは封を開けると少しずつ酸化していき、酸化すると栄養素が減少していきます。また、それを食べると下痢や嘔吐、腹痛の原因にもなります。また酸化が進むにつれて毒性が強くなるため動脈硬化や心筋梗塞、肝機能の低下などの症状がでてきます。なので開封したあとは1ヶ月以内に使い切ってください。
仔犬の餌をふやかす方法は? どれくらい、いつまでふやかしたらいい?
熱湯を使ってドッグフードをふやかすと、栄養素が壊れてしまう可能性があります。
なので、ぬるま湯か常温の水で、ゆっくりと時間をかけてふやかすのが理想です。また、ふやかす際にミネラルウォーターを使わないようにしてください。犬は人間ほどミネラルを必要としないので、ミネラルを摂取しすぎてしまうと、尿路結石などの病気の原因になってしまいます。
乳歯が生え揃っていないときは、飼い主さんの指でおしてみて、フードに硬い芯が残らないくらいまでふやかします。乳歯が少しずつ生えてきたら、少し芯が残るくらいで大丈夫です。
消化機能や噛む力の発達は個体差があるので一概には言えませんが、生後4ヶ月に入ったら、一般的にはフードをふやかす必要はないかと思います。
まとめ
一生のうちで一番多くの摂取カロリーを必要とする仔犬の時期は、その時期に合った餌をしっかりと食べさせましょう。
仔犬の適正体重を動物病院でこまめに確認しつつ、仔犬が痩せないよう注意しながら、正しく食事管理をし、健全な成長を促してあげてください。