「愛犬がよく耳を舐めてくる!」
「手や足も舐められるけど、耳を頻繁に舐められる」
犬を飼っていると、愛犬に耳を舐められるという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
犬が人の耳を舐めるのは、愛情表現や情報収集によるものだといわれています。犬にとって、人の耳を舐めることはコミュニケーションの一環でもあるのです。
本記事では、犬が耳を舐めてくるときの心理や注意点を解説します。犬が耳を舐める心理を知って、ぜひ愛犬とのコミュニケーションに役立ててみてくださいね。
犬は気になるものを舐める
犬には、「気になるものは口に入れてみる」という習性があります。口に入れることで、それが何なのかを確かめているのです。瞬間的にそれは体内に取り入れてよいものなのか、危険なものなのかを判断することができます。
飼い主さんからすると「お腹がすいているのかな?」と思うかもしれませんが、言葉を話せない犬にとって、舐めるという行動はとても重要な意味を持ちます。
犬は、相手を舐めることで自分の意志を伝えることも可能です。そのため、何かの意味があって舐めていることが多いのです。
犬が何を伝えたいのかを知るためにも、愛犬が舐めてくるときの心理を知っておきましょう。
犬が耳を舐めるときの3つの心理
犬が人の耳を舐めてくるときは、以下の3つの心理があるといわれています。
- 飼い主さんが大好きという愛情表現
- もっとかまってほしいとき
- 舐めたときの味が気に入っている
ここからは、それぞれの犬の心理について詳しく解説します。
飼い主さんが大好き! 愛情表現
愛犬が飼い主さんの耳を舐めるのは、愛情表現である場合が多いです。「もっと一緒にいたい」「大好き」という敬意の表れです。飼い主さんとしては、愛犬がこのように愛情表現をしてくれているのは嬉しいですよね。
愛犬が耳を舐めてくれたら、撫でてあげたりして飼い主さんからも愛情表現をしてあげましょう。飼い主さんからの愛情が感じられると、愛犬も精神的に安定します。
もっと見て! かまってほしいとき
愛犬が飼い主さんの耳を舐めてくるのは、かまってほしいサインかもしれません。
愛犬は、飼い主さんの様子をよく観察しているものです。耳を舐めることで「飼い主さんが笑ってくれた」「喜んでくれた」と思い、もっとかまってもらいたくて同じ行動を繰り返しています。
かまってほしくて耳を舐めてくる愛犬の姿は、とても微笑ましいですね。
しかし、執拗に耳を舐めてくるときはしつけを行った方がよいかもしれません。場合によってはわがまま行動に発展する恐れがあるからです。
執拗に耳を舐められるときは、あえてかまってあげないというのもひとつの対処法です。
おいしい! 味が気に入っている
愛犬が耳を舐めてくるとき、実は飼い主さんの耳を舐めたときの味が気に入っている可能性もあるのです。
人間の耳には、皮脂や汗で塩分が含まれています。犬は塩分などのしょっぱい味が好きな傾向があるので、味が気に入って飼い主さんの耳を舐めているのかもしれません。
もし飼い主さんだけではなく初めて会う人の耳もよく舐めるときは、愛犬にとって人の耳の味がお気に入りなのかもしれませんね。
舐める部位によって異なる意味合い
実は、犬が舐めてくる体の部位によって意味合いが異なることをご存知でしょうか。
口元や手など、愛犬と接しているといろんな部位を舐められた経験があると思います。その部位によって、愛犬からのコミュニケーションの意味合いは異なっています。
それでは、部位によってどのような意味合いがあるのかを見てみましょう。今回は「口元」と「手」を舐めてくる意味合いを解説します。
- 口元……飼い主さんをリーダーだと認めている敬意の表れです。もしくは、子犬の頃に母犬が口移しで餌を与えていて、お腹がすくと母犬の口元を舐めてお腹がすいている合図をする名残から、飼い主さんを母親だと思っている可能性があります。
- 手……主に遊んでほしいとき、撫でてほしいときに手を舐めることが多いです。ほかにも安心しているときは、飼い主さんの手を舐めることが多くなるでしょう。
愛犬が口元や手を舐めてくるのは、上記のような意味合いがあります。愛犬が体のどの部位を舐めているかで愛犬の気持ちがわかるので、ぜひ観察してみてくださいね。
犬が人を舐めてくるときの注意点
犬が人を舐めてくるときの心理を知ると、なんだかかわいく思えてしまいますね。しかし、犬に体を舐めさせることは特に問題はないのでしょうか。
犬が人を舐めてくるときは、以下の3つの注意点があります。
- 細菌感染を引き起こす恐れがある
- 他人を舐めることで怖がらせてしまう恐れがある
- 犬が強迫性障害の可能性がある
もし「おかしいな」と感じたら、すぐに舐めるのをやめさせましょう。
細菌感染に注意
犬に舐められると、犬が持っている細菌がうつり、細菌が原因で病気になってしまう恐れがあります。犬の口の中に潜んでいる可能性がある細菌は、以下の通りです。
- パスツレラ菌
- レプトスピラ・インテロガンス菌
- ブルセラカニス菌
- ポルフィロモナス菌 など
もし粘膜や皮膚の傷口からこれらの細菌が入り込んでしまった場合は、病気になる可能性があります。そのため長時間犬に体を舐めさせるのはできるだけ避けましょう。
特に口元は細菌がうつりやすいため、注意が必要です。犬に舐められたあとはしっかり手洗い・うがいを行うなど、感染対策を徹底しましょう。
他人をむやみに舐めさせない
愛犬が飼い主さんや家族を舐めるだけの場合は「かわいいな」と思うだけで、特に問題はないことが多いでしょう。しかし、初対面の相手の耳や口元をいきなり舐めることは、相手に「怖い」と思われる原因にもなります。
相手をびっくりさせてしまう可能性があるので、飼い主さんや家族以外の他人は舐めさせないように注意しましょう。
強迫性障害なら獣医師に相談する
犬が「舐める」という行動に強い執着を見せるときは注意が必要です。
舐めるのをやめさせようとしてもやめなかったり、異常なほど執拗に舐めているときはストレスによる病気の可能性があります。ストレスで発症する強迫性障害の場合は、執拗に舐める行動を繰り返したり、異常なほど体をかくという行動を見せるようになります。
執拗に犬が体を舐めてくるときは、舐める行動をやめさせましょう。そして、日常生活でストレスを抱える原因がわかっている場合は、そのストレスの原因を取り除いてあげましょう。
適度な運動や日光浴などが、有効な予防法になります。
まとめ
基本的に、犬は嫌いな相手や警戒している人の体を舐めることはありません。そのため、犬が人の体を舐めるというのは愛情や好意がある証なのです。
愛犬が愛情表現で耳を舐めてくれることは、飼い主さんにとってはすごく嬉しいことですよね。
しかし、あまりに長時間舐められ続けると細菌感染の原因にもなるので、適度な範囲でやめさせてもよいでしょう。執拗に舐める場合は、適度な運動などで気を紛らわせてあげることをおすすめします。
愛犬の愛情だけを受け取って、飼い主さんからもスキンシップをとって愛情を返してあげましょう。