犬が頻繁に身体をかゆがっていたり、ドッグフードが合わなかったりという場合はアレルギーの可能性があります。ドッグフードの購入者レビューを見ていると「アレルギーがあって特定の食品などが食べられない」といった話をけっこう見かけますよね。もしかしたら愛犬もアレルギーがあるのではと気になっている飼い主さんもいるのではないでしょうか。
- 犬のアレルギーはどんなものが原因なの?
- アレルギーの検査はどんな方法なの?
- 検査費用の相場はどれぐらい?
このように思っている方に向けて、この記事では犬のアレルギーの症状や検査方法、料金についてまとめてみました。人間の犬アレルギーについても少し紹介しています。
アレルギーの基礎知識
アレルギーとは、免疫が過剰反応して身体に何らかの症状が出ることです。犬の場合は、主に眼や皮膚に症状が出ると言われます。
アレルギーというと花粉症が代表的ですよね。人や犬の身体には、ウイルスや細菌など病気を引き起こす異物から体を守る「免疫」の仕組みがあります。ダニや花粉・食物などが体内に入った時に、体がそれらを異物とみなすと、免疫が過剰に反応して「アレルギー反応」を起こしてしまうのです。
犬のアレルギー検査・費用や方法は?
アレルギー症状を改善するには、原因となる物質を取り除く必要があります。原因は検査しなければわかりませんが、費用や方法が気になりますよね。
ここでは犬のアレルギー検査方法について見ていきます。
犬のアレルギー検査は受けるべき?
アレルギー検査は、特に症状がない場合は必要ありません。「体をかゆがる」「涙が出る」など、何らかの症状がある場合は検査を受けましょう。
アレルギーを発症しやすい犬種は、柴犬、シーズー、フレンチブルドッグ、ミニチュアシュナウザー・ウエスティ等が知られています。ほかの犬種でも症状が出ることがあるため、愛犬の様子をよく観察しておきましょう。
犬のアレルギー検査の費用は?
検査費用は動物病院によって異なりますが、だいたい20,000〜30,000円程度の場合が多いようです。
検査の種類は、ハウスダストなど環境による症状か、ドッグフードなど食べ物による症状かによっても変わります。検査方法も採血が一般的ですが、まずはかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。
犬のアレルギー検査の方法は?
アレルギー検査は、主に下記の方法で行われます。
【皮膚での検査】
- 皮内反応試験/ アレルゲンを体内に注入して反応を見る方法で、即時型アレルギーを調べることができます。実施している動物病院は少なめです。
- パッチテスト/ 皮内反応試験は即時型アレルギーを調べるのに対し、パッチテストは遅延型アレルギーの検査です。
- 皮膚生検/ 局部麻酔をして症状が出ている皮膚を数ミリ切り取り、外部機関に送って病理検査をします。
【血液での検査】
- アレルゲン特異的IgE検査/ 犬のアレルギー検査で一番多いのがこの検査です。血液中のIgE抗体がどのアレルゲンに反応しているか調べます。アレルギーがないのに陽性となってしまうなど、検査機関によってばらつきがあるようです。
- リンパ球反応試験/ 食物アレルギーが疑われる場合、血液からリンパ球を分離しアレルゲンと混ぜて培養させます。この時にリンパ球がどの程度増えたかでアレルギーの診断をします。
- アレルギー強度検査/ 血液中のリンパ球の値からアレルギー反応を調べる方法です。
【食事での検査】
- 除去食試験/ 今まで食べていたフードなどのアレルゲンを除去し、改善するかを調べる方法です。この期間はアレルギー用のドッグフードと水しか与えられません。
人間の犬アレルギーはどんな検査?
人間の犬アレルギーは、犬と接触することで症状が出ます。また、犬に限らず他のペットなどでも症状が出るようです。犬アレルギーが疑われる場合は、まずは検査を受けましょう。
犬アレルギーかも?と思ったら
犬アレルギーになると、犬に触った時や一緒の空間にいる時に何らかの症状が出ます。犬だけではなく他の動物でも反応が出る場合もあります。
犬アレルギーは、犬の唾液や皮膚に含まれるリポカリンやアルブミンというタンパク質が原因です。
症状は他のアレルギー同様に鼻水やくしゃみなどですが、重症になると呼吸困難などを起こす場合もあります。
犬を飼い始めて症状が出た場合は犬アレルギーが疑われるので、まずは病院で相談してみましょう。
アレルギーの原因を確認するには検査が必要です。検査費用は、医師が必要と判断したら保険適用になりますが、それ以外は自費となります。
犬アレルギーの検査方法
アレルギー検査は血液検査がメインで、少量を指先から採取する方法が多いです。
検査を受けるのがお子様で怖がる場合は、事前に検査方法を確認しておきましょう。
検査結果は数日で分かりますが、早いところだとその日のうちに分かることもあるので病院に問い合わせてみましょう。
犬のアレルギー・こんな時は?
犬アレルギーについて調べたい、予防したい、原因を特定したいと思っている飼い主さんも多いと思います。ここでは、検査に関する疑問点などについてまとめました。
現時点で症状はないけどアレルギーか調べたい時
犬のアレルギーは症状が個体によって違います。犬アレルギーについて調べたい時は、以下で紹介するポイントを参考にして下さい。
今は症状はないけれど以前にアレルギー症状があった。検査で原因を特定できる?
今後またアレルギーが発症するのを防ぎたいと考え、検査を希望する飼い主さんもいると思いますが、症状が出ていない時には検査をしても原因が特定できないことが多いです。
愛犬がアレルギー体質があるかどうか知りたい
アレルギー体質であるかを把握したい場合にはアレルギー強度検査で調べることができますが、アレルギー体質であっても必ず発症するわけではありません。
愛犬がアトピー性皮膚炎の体質であるかを知りたい
検査方法は季節によって変わってきます。日本では春〜秋にかけて花粉やダニなどの環境アレルゲンが飛散するため、アレルゲン特異的IgE検査をします。
また、冬は環境アレルゲンが少ないため、1年中測定値に大きな変動がないアレルギー強度検査をすることが多いです。
愛犬が食物アレルギーの体質であるかを知りたい
リンパ球反応検査、またはアレルゲン特異的IgE検査を行います。食物アレルギーの場合は1歳未満の子犬の時から何らかの症状が出ているはずなので、成犬で症状のない場合は検査の必要はありません。
トリミングした後にかゆがっている時
愛犬が体をかゆがっているからシャンプーをしたのに、よくならなかったり、ますますかゆがったりということもあります。
シャンプーの洗浄力が強いと、必要な皮脂までなくなったことでかゆみが出ることがあります。
シャンプー後にかゆみが出やすいのは、元々皮膚が燥肌している犬と、アルカリ性肌アレルギーの犬です。乾燥肌は放っておくとアレルギーへと変貌するので注意しましょう。早めに動物病院で相談することをおすすめします。
まとめ(犬のアレルギー検査費用)
愛犬のアレルギー症状が長引くと心配ですよね。アレルギーが疑われる場合は、一度検査を受けてみることをおすすめします。
ただ、血液検査の精度には検査機関によって差があり、数値が高くても必ずアレルギー症状が出るとは限りません。とりあえず高い数値が出たものを避けて、気になる症状が出なくなるか観察していきましょう。生活環境を改善することで症状がやわらぐこともあります。
人間の場合も同様で、本当に犬にアレルギー反応があるのか、どの程度の反応なのかなど、日々観察する必要があります。
アレルギーは対処療法しかないため、悪化させないことが重要です。