犬の耳だれは病気のサイン? 対処法についても徹底解説!

「犬の耳から変な液が垂れている。原因がわからないな」などと思っていませんか? 犬の耳だれは放置してはいけません。早急に直さなければ症状が悪化し愛犬にストレスがかかってしまいます。

また、誤った耳の掃除は下記のようなリスクがあります。

  • さらに症状を悪化させてしまう
  • 鼓膜を傷つけてしまう

この記事を読むことで犬の耳だれの対処法や原因がわかるようになり、犬に快適な生活を提供できますからぜひ参考にしてください! 

犬の耳だれとはどんな状態のことを指す?

「犬の耳だれ」とは、耳から液体が出てくる状態のことです。耳漏(じろう)とも呼ばれます。犬の耳だれは決して珍しい症状ではありませんが、放っておくと状態が悪くなるので注意が必要です。まずは、犬の耳だれについて知っておきましょう。

耳だれ液の色

愛犬の耳の中や周りを拭いてみて分泌液がついていたらそれか耳だれ液です。

耳だれ液の色は、黄色や茶色、黒色です。細菌や真菌、ダニなどの感染原因によって色や量に違いがあります。犬の耳の周りを拭く時は、病気になっていれば痛みを伴う場合もあるので優しく拭いてあげましょう。

耳だれの匂い

愛犬の耳をめくり臭いを嗅いでみてください。嗅いでみて、くさいと思ったら注意が必要です。何らかの病気の可能性があります。

このような愛犬の異常にすぐに気づくためには、普段から愛犬の体のチェックを欠かさないことが大切です。犬の耳を嗅いでみて通常の状態の匂いを覚えておきましょう。

耳だれの質感

耳だれの質感は、ベタッとした液体状のものです。さらに悪化するとドロリとした粘性ものもになります。また、さらに酷くなれば血液が混じった耳だれが出てくることもあります。

耳だれから考えられる病気一覧

犬の耳だれから考えられる病気を紹介します。もし、愛犬が平気そうでも耳だれを放置してはいけません。下記のような病気は悪化や再発することも多いので、すぐに対処が必要です。

外耳炎

犬の耳だれの一番多い原因として考えられるのは、「外耳炎」です。犬の耳は耳の入り口から「外耳」、鼓膜を通って「中耳」「内耳」の道があります。この最も耳の入り口に近い「外耳」部分が炎症を起こしている状態を「外耳炎」と言います。

耳を拭いてみて黄色のどろっとした耳だれ液がついた場合は、細菌感染による外耳炎の疑いがあり、細菌感染の外耳炎の場合は膿んだような匂いがします。また、茶色の耳だれ液の場合は、真菌感染によるもので独特な臭いがあり、量の多い黒い耳だれ液は耳ダニが原因だと考えられるでしょう。

特に外耳炎になりやすいのは以下のような垂れ耳の犬種です。

  • ダックス
  • トイプードル
  • コッカー
  • レトリバー

外耳炎になってしまう原因としては、耳が蒸れた状態が続き、菌が繁殖してまうことです。垂れ耳の犬種の場合は特に風通しが悪く蒸れやすいため、定期的に拭いてあげるなどお手入れが必要になります。

外耳炎の症状は、耳にかゆみや痛みが生じます。痛みで犬自身が耳を触らせないよう攻撃的になることも。そのほかにも、首を振る、足で耳の後ろの部分を掻く、耳を下にして頭を傾けるなど耳に違和感を持っているしぐさが見られます。

中耳炎や内耳炎に発展してしまうこともある 

外耳炎がひどくなると、鼓膜を通って中耳炎や内耳炎に発展することが多いです。中耳炎・内耳炎になってしまうと、外耳炎よりも強いかゆみや痛みも伴うことが多く、鼓膜の内側の炎症なので治療も難しく時間もかかります。

「外耳」からさらに奥にある「中耳」で炎症が起こると「中耳炎」になります。

中耳炎になると下記のような症状があるのですぐに動物病院に行きましょう。

  • くさい臭いがする
  • 強いかゆみや痛みがある
  • 耳が赤く腫れている
  • 湿疹ができる

軽度では、外耳炎と同じような症状がみられる程度ですが、重度になると強い炎症による痛みから下記のような症状が出ることがあります。

  • 耳を触られることを嫌がるようになる
  • 腫れで耳の穴が塞がってしまう
  • 耳の中から膿が出る

中耳炎の主な原因は外耳炎の悪化です。そのため、外耳炎を早い段階で完治させることが大切です。

中耳のさらに奥、「内耳」に炎症が起こるのが「内耳炎」です。中耳炎が慢性化し、内耳炎になるのが一般的です。

内耳炎になると下記のような症状があります。

  • 強いかゆみや痛みがある
  • 顔面の神経のマヒがある
  • 耳が聞こえづらくなる

また、瞳孔の大きさが左右で変わっっていたり、第三眼瞼(だいさんがんけん)が出てくる、などの目の症状がみられることもあります。内耳炎になれば愛犬には強いストレスがかかっており、重症かつ重度の感染がみられる場合は、入院治療が必要です。

家庭でできる耳だれ対処法

外耳炎や中耳炎、内耳炎にならないように家庭でできる耳だれの予防を紹介します。

対処法

愛犬に耳だれの症状が見られたら、コットンなどで痛みを伴わないように優しく拭いてあげましょう。そして、できるだけ早く動物病院に連れて行ってください。獣医師に耳垂れ液の色や愛犬の様子を伝えるとスムーズです。耳だれ液を拭くのに使ったコットンを持って行っても良いですね。

予防法

本来、耳には奥でできた耳垢を手前から外に出す『自浄作用』が備わっているので、基本的には耳掃除は必要ありません。また、間違った耳の洗浄をしてしまうと、外耳炎の原因になってしまうこともあります。そのため、基本的な耳の中の掃除は、耳垢を全部とりきるのではなく、自浄作用により出てきた見える範囲の汚れを拭き取る程度の手入れで十分です。綿棒を使った耳掃除は鼓膜が傷つくこともあるのでやめましょう。

犬の耳を観察する頻度は週に1度程度おこなってください。耳垢が外に出てきている場合は、乾いたコットンか、イヤークリーナーでコットン湿らせて、出てきている汚れを優しく拭いてあげましょう。もしも犬の耳を観察した時、赤くなって炎症を起こしていれば、耳を触られるだけで痛みがある可能性があります。その場合は耳掃除は控えて獣医師に相談しましょう。

一度、外耳炎になった犬は再発しやすいため、液体のイヤークリーナーを耳に入れる方法で耳中を洗浄することもおすすめです。しかしながら、犬の症状や性格によっても方法が変わるため、獣医師の判断のもと手入れをしましょう。  

まとめ

愛犬の耳から耳だれ液が垂れていたら、

  • 外耳炎
  • 中耳炎
  • 内耳炎

になっている可能性があります。

できるだけすぐに動物病院へ連れて行きましょう。もし、比較的軽度の症状がみられる「外耳炎」の場合でも、放置していれば、鼓膜を通り「中耳炎」や「内耳炎」になる恐れがあります。中耳炎や内耳炎になれば痛みを伴うこともあるので愛犬への強いストレスになってしまいます。

犬の耳だれは垂れ耳の犬種に多く、主な原因は耳の中の蒸れから発生する菌によるものです。1週間に1度程度は愛犬の耳をチェックし、耳垢やにおいに異常がないか確認しましょう。特に梅雨の時期などは湿気で耳の中が蒸れやすいので注意してください。

犬は言葉を話せないので、かゆいことや痛いことを伝える術がありません。耳だれがあり耳からくさい臭いがする、よく耳をかいている耳を触られるのを嫌がるなどがあれば外耳炎や中耳炎、内耳炎の可能性があります。愛犬がかゆい思いや痛い思いをしないよう、飼い主がしっかりと観察して管理してあげましょう。

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