最近テレビでも見かけることが多くなった犬猫の保護施設。保護施設があると知っていても具体的に何をしているのか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
- 犬猫の保護施設ってどんなところ?
- 自分も何か力になりたいけど方法が分からない
- 自宅では飼えないけれど、他にサポートする方法はある?
と考えている方に向けて、保護活動の内容や具体的な支援方法を知ってもらい、行動するきっかけにしてもらえたらと思います。
実際のボランティア活動は時間やお金、環境、犬猫の知識が必要になります。ですが、その他にもサポートの方法はあります。自分に合った形で犬猫たちをサポートしましょう。
この記事では、犬猫の保護施設でボランティアとして活動する方法と他の形でサポートできる方法をご紹介します。
犬猫の保護施設はどんなところ?
①保健所や動物愛護センター
下記のように様々な事情で飼ってもらえず、持ち込まれた犬猫を一時的に保護します。
- 迷い犬
- 迷い猫
- 飼い主の飼育放棄
- 多頭飼育崩壊
- 繁殖引退
- ブリーダー崩壊
迷い犬や猫の元の飼い主を探したり、新しい飼い主を探す活動をしている施設が多いです。しかし、保護できる頭数に限りがあるので、保護した後新しい飼い主が見つからなければ殺処分となってしまいます。
②動物愛護団体
保健所や動物愛護センターと連携して、引き取り手が見つからない犬猫を引き取り、飼養、新たな飼い主を探すため譲渡会を開催しています。譲渡会以外にも、ドッグトレーニング、去勢避妊の助成などの取り組みを行っている団体が多いです。
保護された子の中には、アニマルセラピーや動物介在活動を行う団体で活躍するようになったり、聴導犬として訓練を受けて活動する子もいます。
ボランティアの主な活動内容
保護活動・搬送
捨てられた子や迷子になっている犬猫の保護、飼えなくなった犬猫の引き取りや搬送を行います。
保護・搬送のボランティアは車での活動が多いため、犬猫の適切な扱いと運転免許証が求められます。具体的な内容としては、譲渡ボランティアの自宅まで搬送、譲渡先までの運搬などがあります。
譲渡ボランティア
譲渡ボランティアとは、保護された犬や猫を保護施設から一旦譲り受け、自宅などで飼養しながら新たな飼い主を探すボランティアです。新しい飼い主が見つかれば、必要な受け渡し手続きや助言を行います。
譲渡ボランティアになるためには、犬猫を適切に飼育するための基準を満たしている必要があり、飼育場所の確認や講習を実施している団体もあります。
ミルクボランティア
保護施設には親がいない犬猫の赤ちゃんも多くいます。そんな目が離せない時期の赤ちゃんに哺乳したり、人慣れが必要な時期の犬猫のお世話を行うボランティアです。固形フードが食べられるようになるまでお世話をすることが多く、ワクチンなどの接種も済ませて里親の元に渡る流れです。
ミルクボランティアは、4〜5時間おきに哺乳をしたり、2〜3時間おきに排泄の処理をする必要があるので、家にいる時間が多い方に限られます。また、夜中も哺乳や排泄のお世話ができるか、何かあればすぐに病院や保護施設に連れていけるか、などさまざまな項目を満たさなくてはいけません。
ミルクボランティアは大変な内容ですが、保健所や愛護センターなどの施設では、手がかかる子犬や子猫の世話をする余裕がなく、ミルクボランティアが無ければ優先的に殺処分となってしまうことも少なくありません。また命を救うだけでなく、ミルクボランティアで小さい頃から人や環境に慣れておけば、新しい飼い主にも馴染めるため飼いやすくなるメリットもあります。
一時預かり
一時預かりは、里親が見つかるまでの間、一時的に犬猫を預かり世話をするボランティアです。里親にはなれないけれど、力になりたいという方はこの方法をとる場合もあります。
活動する団体によって、里親に譲渡するまでお世話をする形や、一定期間を経て人に慣れれば団体に返すといった違いがあります。月に数回、里親を見つけるための譲渡会へ連れて行き、里親が見つかるまで様々な場所に出向く必要があります。
里親が見つかったとしても新しい環境で馴染めず帰ってくる子も多いのが現状です。そのためトライアル期間の間は、新しい犬猫を迎えず待っているのが一般的です。里親に正式譲渡になれば、娘や息子を送り出す親の気持ちのような達成感と幸福感があり、長く続けている人も多いようです。
啓蒙活動
人と動物が幸せに暮らしていけるよう、犬猫のお世話の方法を普及するイベントへやボランティアの参加を促すポスターの作成などで、動物愛護を呼びかける取り組みです。
また、愛護団体や保護施設のなかには、保護犬や保護猫の写真展やTシャツの作成など珍しい啓蒙活動を行い、活動を知ってもらう工夫をしているところもあります。
ボランティアへの参加方法
保護施設のボランティア活動内容のなかでやってみたいものが見つかりましたでしょうか。見つかった方は、住んでいる市町村の動物愛護センターや、気になった動物愛護団体があれば、まずは電話やメールで問い合わせてみましょう。
命に関わるため、ボランティア活動をするためには、自身の経験や生活状況で無理がないか、要件に合っているか面談が行われます。お世話のための時間が取れるか、今まで犬猫を飼ったことがあるか、現在飼っている場合はその犬猫が去勢済みかどうかなどの項目を満たしている必要があります。
問題等がなければ登録申請や、飼養場所の確認などが行われボランティア活動のための登録完了です。登録が完了すれば、晴れて活動開始となります。
この時に注意したいのが、ボランティアの登録費用や年会費が発生する団体もあります。ミルクボランティアや一時預かりボランティアで必要になるフードやペットシーツなどのお世話にかかる費用を負担してくれる団体もあれば、ボランティア側で出さないといけない団体もあります。事前に知っていれば問題ないことも、登録した後で知れば団体への不満にもつながるでしょう。
素晴らしいことをしているのに、不満があっては勿体ないですよね。お互いに気持ちよくボランティア活動するためにも、団体や保護施設のことを事前に調べておきましょう。調べてみて分からないことは登録前に質問しておきましょう。
保護施設への支援の仕方は様々。5つのサポート方法
ボランティア活動はしたいけど、時間や住んでいる場所、アレルギーなどあらゆる理由でできないという方も少なくないと思います。そこで、そんな方でも保護施設へ支援できる5つのサポート方法を紹介します。
寄付によるサポート
多くの犬猫を救うには治療費や生活費など多くの資金が必要となるので、個人からの寄付を受け付けている団体もあります。メンバーや会員となり、引き落としやカードで払っていく方法もあります。以下、金額ごとにできることを挙げていますので寄付の参考にしてください。
- 1,000円 犬猫にワクチンを一本打つことができる
- 5,000円 犬猫一匹分の健康診断、血液検査ができる
- 10,000円 犬猫一匹の不妊手術ができる
募金活動
カフェや動物病院、レストランなど保護施設への募金箱を設置している所もあります。どの団体や保護施設へ寄付したらよいか分からないという方は、行きつけの動物病院や犬猫カフェに募金箱が設置してあれば寄付しやすいですよね。まずは、お会計のお釣りを寄付してみるのはいかがでしょうか。
物資の支援
保護犬や猫を抱えているとかなりの物資が必要になるので、団体によってはフードやペット用品などの差し入れを受け付けているところもあります。
お金を支援する余裕がないという方でも、飼っている犬猫の口に合わなかったフードや愛犬や愛猫が亡くなってしまった後のペット用品などそのままいけば捨ててしまうことになるものも物資として差し入れすれば他の子の命が救えます。
団体や施設では、まずは命を助けることを優先としているため保護している犬猫へかける費用は医療費が第一優先です。そのため、使わなくなったトイレや首輪、おもちゃなどあらゆるものが支援になります。
企業サポート
企業と愛護団体がコラボレーションして商品を販売していることもあります。その商品を購入することで、売上の一部が団体へ寄付される仕組みになっており、商品を購入することで支援が可能です。
SNSを使用して発信
SNSを使用して愛護団体などが発信している情報をリツイートしたり、いいねをしたり、拡散したりすることも立派な啓蒙活動のひとつです。保護施設や愛護団体の取り組みはテレビやメディアで紹介されることも増えてきましたが、まだまだ知らない人が多いのが現状です。
ボランティア活動に参加する人が増えるよう、まずはボランティア活動を知ってもらうことが大事です。SNSでのリツイートやいいね、はこれまで紹介したボランティア活動の中で一番ハードルが低く参加しやすいのではないでしょうか。
まとめ
保護施設や愛護団体では、動物の保護や引き取り、新しい飼い主を見つける活動、子犬子猫のお世話などさまざまな活動をしています。まずは住まいの近くにある保護施設や愛護団体を調べてみましょう。活動内容に参加できるものがあれば勇気をだして参加してみてください。
ボランティア活動を見てみて、自分にはできないと思った方もいるでしょう。実際にボランティアとして活動するのは難しくても、サポートできる方法はあるので、諦めないでください。
「ボランティアに参加したい」という気持ちがあればそれだけで素敵なことです。いきなり活動や寄付はハードルが高いですが、使わなくなったものの支援やSNSでの発信はハードルが低く参加しやすいのではないでしょうか。自分に合った方法でサポートできればよいですね。