譲渡会ってどんなところ?引き取り条件やメリット

最近では、耳にすることも多くなった犬や猫の「譲渡会」。犬や猫をペットショップから買うのではなく、引き取りたいという多くの人の気持ちから、譲渡会が開かれる件数も増え、徐々に認知度をあげています。

譲渡会では、どのような犬、猫に出会うことができるのか、犬、猫の譲渡を希望する場合どのような準備をすれば良いのかなど、まだまだ詳しく知られていない譲渡会についての情報をまとめました。

新しい家族を迎え入れる方法の一つとして、譲渡会を検討している方は是非チェックしてみてくださいね。

譲渡会とはどんなところ?

【譲渡会とはどんなところ?】殺処分の現実

日本では、毎年多くの犬や猫たちが保健所など行政機関に持ち込まれ、殺処分されています。ペットとして飼われていた犬や猫が、引っ越しや騒音の問題を理由に、行政に引き取られてしまうのです。そして、迷子になってしまった犬や猫、捨て犬や捨て猫も多く引き取られています。

悲しい現実ですが、それでも近年殺処分数は減少しています。理由としては、民間の動物愛護団体が犬や猫を引き取る数が増加したことや、動物愛護法の改正により保健所側でも安易で自分勝手な引き取りの申し出を拒否できるようになったりしたためと考えられています。

【譲渡会とはどんなところ?】譲渡会という取り組み

譲渡会は、保健所、動物愛護団体やNPO法人のもとで保護されている犬や猫を、新たな家族のもとへ譲り渡す取り組みです。

里親になるには、それぞれ決められた条件などが存在します。審査などもあり、ペットショップで犬や猫を購入する時とは全く違った手順でやりとりが進みます。譲渡も、当日は犬や猫を譲り渡してもらえないことが多いです。さまざまな制約もありますが、殺処分についての情報が新聞やニュース、ネットで知られるようになった現在、ペットショップではなく譲渡会で犬や猫を家族として迎えたいという人も増えています。

どんな犬、猫に出会えるの?

では、譲渡会ではどのような犬や猫に出会えるのでしょうか。

犬は、大人になった成犬がほとんどで、仔犬に出会える確率は低いです。品種や年齢、性格はさまざまです。雑種の犬もいれば、純血種の犬もいます。

猫は、年齢、性格、体格もさまざまです。犬と違いまだ幼い仔猫にも出会えます。これらの仔猫はいわゆる野良猫の赤ちゃんとして屋外で生まれ、保護された猫たちです。そのため猫の出産シーズンである春から秋にかけてはよく見かけることになるでしょう。反対に、冬には出産時期の関係からあまり見かけません。

譲渡会のメリット

保護されている犬や猫たちにとって、新しい家族と出会える譲渡会はとても素晴らしい仕組みです。そして、犬や猫を迎え入れる私たちにとっても、譲渡会はペットショップとは違うメリットがいくつもあるのです。

まずは、犬や猫の性格を把握することができます。

保護され、お世話されている犬や猫たちは、その過程で保護主にどういった性格かチェックされていることが多いです。新しい家族とのマッチングのためにも、性格のチェックは欠かせません。犬や猫も性格は一匹ずつ違います。活発で遊ぶのが大好きな子から、大人しく甘えん坊な子もいます。中には怖がりで、あまり親しくない人と関わるのを苦手とする子もいるでしょう。理想とする犬や猫に出会えるまで、じっくりと考え、自分自身、または家族の生活スタイルにあった犬や猫をお出迎えしてあげてください。

そして、人と暮らした経験のある犬、猫と出会うことができます。

保護されている犬や猫は、それそれ違いますが、保護される前に人に飼われていて、しつけが済んでいる場合もあります。例えば、トイレのしつけ。仔猫や仔犬へのトイレトレーニングは時間がかかり大変なイメージを持たれる方も多いでしょう。すでにトイレのしつけが済んでいる犬や猫の場合、家に迎え入れてもスムーズに暮らすことができる可能性が高くなります。

さらに、仔犬、仔猫ではないということもメリットになり得ます。

まず、仔犬や仔猫よりも成犬、成猫の方が大人になることで体が丈夫になっています。感染症にかかりにくくなることはもちろん、病気や怪我のリスクもぐっと減ることで、飼い主の負担が減ります。

生理現象である、食事や排泄の回数も少なくなっているのもポイントでしょう。仔犬や仔猫は、1日に10回以上排泄することもよくあります。トイレシーツを変えたり、トイレの面倒をみる負担が減ることは、日常において大きな意味を持つでしょう。

そして、何よりも成犬、成猫は人に慣れています。仔犬や子猫と違い、落ち着きがあるので、ゆったりとした時間を楽しめるでしょう。

引き取りの条件は何?

さて、譲渡会で犬や猫を引き取る際には、条件はあるのでしょうか。譲渡会を開催している保護団体によってその条件はまちまちですが、多くの団体では以下のようなことを条件としています。

  • 家族として迎え入れた犬、猫を最後まで責任をもって飼うことができること
  • もし、買い続けることができなくなってしまった時の預け先があること
  • 年齢が、決められた範囲内にあること

これは、高齢の方がペットをこの世に残して先立たれないために考えられています。

  • 完全に室内で飼育すること
  • 避妊手術、去勢手術、予防接種を決められた時期に行うこと
    例え室内での飼育でも、避妊手術や去勢手術を勧めている団体は多いです。計画のない妊娠、子作りを防ぐためにも、手術でしっかりと管理しましょう。予防接種は飼い主の義務です。貰い受ける際にしっかりと確認し、忘れずに接種しましょう。
  • 検査代、ワクチン代を支払うこと
    犬、猫を保護していた間の検査費用やワクチン代を、譲り受けるときに請求されるシステムの譲渡会も多いです。

もちろん、保護団体により条件はそれぞれなので、事前にしっかりと確認の上で譲渡会に参加しましょう。

犬や猫が一匹でも多く幸せに暮らせるように

冒頭でも説明したように、犬や猫の殺処分の問題は深刻です。しかしながら年々、殺処分数が減っているのは喜ばしいことです。一匹でも多くの犬や猫が幸せに暮らせるように、私たち一人一人にできることは何かを考えて行動していきたいですね。

譲渡会も、保護された犬や猫が幸せに暮らすための取り組みの一つです。最初はなかなか参加しづらいと感じるかもしれませんが、会場ではかわいい犬、猫が待っています。ペットショップからではなく、保護犬、保護猫を譲ってもらいたいと考える人はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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