犬の避妊手術後の散歩や食事などの生活で注意するべきことは?

「犬の避妊手術をする予定があるけれど、その後どのように犬と生活すれば良いかがよくわからない」と考えている方も多いのではないでしょうか。

犬の避妊手術は病気予防などに有効な手段となっていますが、ホルモンバランスの変化によって意識しなければならないところも出てきます。

この記事を読めば避妊手術に対する正しい知識を持つことができます。内容を参考にして、犬になるべく負担をかけないような生活スタイルの知識を身につけましょう。

犬を避妊した直後の散歩方法

避妊手術後は傷が開いてしまったり、傷口から雑菌が入ることもあるので散歩は控えましょう。散歩を控える期間については担当の獣医師によってまちまちのようですが、1〜5日間が一般的なようです。

避妊手術後の散歩で気をつけるべき内容は以下の通りです。

  • 激しい運動を避ける
  • 天気が悪い場合は行かない

激しい運動をすると傷口が開いたり痛みが激しくなる可能性がありますし、天気が悪いと傷口に雑菌が入り傷口が膿んでしまう可能性があります。基本的にはすぐに散歩に行く必要はありませんが、散歩に行きたがる、外でしか排泄をしないという場合は、獣医師さんに確認して短時間だけ散歩に行きましょう。

散歩の頻度

避妊手術後、1〜5日間散歩を控えたあと傷口の状態を確認し、問題がなければ通常の頻度に戻しましょう。

愛犬が痛そうにしている、赤みが引かない場合は無理して散歩に行く必要はありません。またその状態が長く続く場合は、傷口から雑菌が入ってしまい膿んでしまっている可能性もあるのですぐに病院へ行きましょう。

散歩の時間

避妊手術後、外でしか排出をしないなど、すぐに散歩に行く場合は排出をするまでの短時間で十分です。

無理に動けば傷が広がってしまうので、ゆっくりとしたペースで歩いてあげましょう。散歩に行けるのが嬉しくてテンションが上がってしまう犬は、興奮して激しい動きをしてしまうことがあります。その場合は、「お座り」や「待て」などの命令で落ち着かせてから散歩に行きましょう。

傷の状態が問題なければ、徐々に散歩する時間を長くしていきましょう。抜歯後1〜2日までは、犬の状態を見ながら散歩の時間を調節する必要があります。

犬を避妊した後の食事はどうする?

避妊手術後は、全身麻酔と手術の影響で普段より元気・食欲がないことが想定されます。手術後のお水は一度に通常の量は与えず、初めは普段の4~5分の1程度から始め、むせる・吐くなどがないことを確認してから追加してください。

食事は、全身麻酔のために手術の前日絶飲・絶食しているため急にたくさん食べると嘔吐や下痢をすることがあります。そのため帰宅後のごはんの量は様子を見ながら与え、2/3程度にしてください。

避妊後によくあること

全身麻酔や手術、病院でのお泊まり。愛犬がこれまでにはない怖い思いをしたことは間違いありません。もちろん飼い主にとっても初めての経験になると思いますが、飼い主が不安な気持ちでいれば犬に伝わってしまい、犬も不安な気持ちにさせてしまいます。

避妊後によくあることを知っておいて、手術を終えて不安な愛犬を安心させてあげましょう。

震えている

手術後、病院へ迎えに行った時や帰宅してしばらく経ってからも犬が震えていることがあります。このとき震えているのは以下のような理由が考えられます。

  • 痛みやしびれがある
  • 手術が怖かった

痛みやしびれがある

寒い時に体が無意識にブルブル震えることを「シバリング」といいます。「シバリング」は痛みやしびれを感じているときにも起きるので、麻酔が切れ術後の痛みが出てきて、震えている可能性があります。

しびれの場合は神経に異常が出ているかもしれないので、2~3日たっても続くようなら動物病院に相談してください。

手術が怖かった

犬にとって知らない場所で飼い主がいないのはそれだけで不安です。さらに知らない人間に囲まれて麻酔注射を打たれ、気がついたら意識が朦朧としている状態です。怖い思いをしているのは間違いありません。その怖い思いがトラウマになって震えている可能性があります。

そのような場合は、室温管理をする、ハウスやベッドを近くに置いてあげる。優しく話しかける、愛犬の好きなものを用意するなど、まずは家が安心できる場所だと分かってもらうことが大切です。

なかなか排泄がない

手術の前日、全身麻酔のために絶飲・絶食をします。そのため排便のリズムが崩れて、術後1日程度は排便や排尿をしないことがあります。麻酔がなかなか抜けずに排泄しないことも珍しくないので、水や食事は変わらず与えて排泄を待ちましょう。

また、力んだりしゃがんだりすると、痛みが走って排泄をしにくい可能性もあります。しかし、丸1日以上おしっこが出ない場合は尿毒症の危険や他のトラブルの可能性もあるので、すぐに動物病院へ相談しましょう。

トイレに失敗する

避妊手術後、トイレに失敗することもよくあります。失敗する理由としては、避妊したことによるホルモンバランスの変化で尿道周りの筋肉が弱まっている可能性があります。そのため、避妊手術後にトイレに失敗したとしても叱らないでください

術後の1週間から2週間程度はトイレの失敗が続いてもしばらく見守ってあげましょう。その後もトイレの失敗が続くようであれば、もう一度トイレトレーニングをしたり、トイレに工夫をしたりなどして対処しましょう。

もしもホルモンバランスの影響であれば、性ホルモンの投与や治療薬などで改善できることもあります。どうしてもトイレができない場合は、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

体脂肪が増える

避妊手術をすると、ホルモンバランスの崩れによって体脂肪が増える傾向にあります。いつも与えていたごはんの量でも体脂肪が増えてしまい肥満に繋がります。肥満はさまざまな病気の引き金になるので、意識的に太らせないようにすることは大事です。

愛犬を太らせないために以下を実施しましょう。

  • ローカロリーフードへの切り替え
  • しっかり運動をする
  • 体重や体形をこまめにチェック

まとめ

犬の避妊手術後から数日は、傷が開かないよう散歩は控えましょう。排泄をしない場合の散歩はゆっくりと歩き、犬が興奮している場合は落ち着かせて激しい運動をさせないように気をつけてください。また、水や食事は嘔吐しないように様子を見ながら徐々に与えましょう。

術後は、トラウマや痛みや傷口の違和感などで、ひどく怯えていたり、トイレを失敗したりと通常通りではないことが予想されます。そんな場合でも飼い主がしっかりと適切な対処を行い、愛犬を安心させてあげましょう

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