犬のダイエット【運動編】

飼い犬の約半数が肥満と言われるほど、ダイエットが必要な犬は多いです。

犬でも太りすぎてしまうと一連の健康問題に直面することが多く、体重の問題が持病を悪化させてしまうこともあります。 少しでも気になることがあれば、今日から対策を行いましょう!

犬の太りすぎはどこから?

人間でも犬でも適正体重の15~30%の脂肪が超過すると『肥満』と診断します。

獣医師に判断してもらうのがベストで理想的な方法ですが、自宅で体型をチェックできる方法もあります。まず、抱っこしながら肋骨に触れてみましょう。肋骨が感じられなかったり、歩いているときに息切れする、歩くのが以前よりも少し遅くなった、普段より良く寝ている…等、これらに当てはまるようであれば、もうぽっちゃりを超えている可能性が高いです。

太っているとこんな事に…

飼い主さんの中には、「犬はぽっちゃりしてる方がかわいい」と思われる方もいるかもしれません。しかし肥満にはリスクこそあれ、愛犬にとっていい点はなにもありません。

【肥満のリスク】

  • 寿命の大幅な短縮
  • 循環器と呼吸器の問題
  • 関節炎などの骨関節疾患
  • 心血管疾患
  • 糖尿病

 …等々です。肥満はさまざまな病気の原因となりえます。

ぽっちゃり犬は、見た目はまるまるして可愛くても、そのまま放置したり、肥満の悪化の原因を取り除かない飼育方法は「優しい虐待」とも言えるでしょう。

運動量を見つめ直す

あんまり運動をしないのにも関わらず、沢山フードやおやつを与えてしまい、必要以上に摂取カロリーを得てしまうのが一番の原因になります。

「家の中で歩かせているから大丈夫」「小型犬だから大丈夫」と考えている方も多くいます。摂取カロリーと運動で使うエネルギーの量が合っていないケースが非常に多く見られます。

食事のチェックと同時に『いつ』『どこへ』『どれくらいの時間』散歩に出たのかをノート等に記録してみてください。

具体的に動いている時間を記録して数字でみると「もしかしてこれは運動不足かも!?」と感じるかもしれません。運動により消費エネルギーが増えれば、ダイエット効果が期待できます。

どんな運動方法がいいの?

痩せるためには、瞬発力を使った運動ではなく、持久力をつける運動が重要です。持久力がつく筋肉を育てると、脂肪の燃焼にも役立ちます。

そのためには、長時間歩くことや、水泳などが効果的です。飼い主さんのライフワークや愛犬の個体差に合わせて、無理のないダイエットに取り組みましょう。

*遊ぶ時間を増やす

ダイエットをすることでストレスがたまると問題行動を引き起こす場合もあります。不満が募り、吠えたりしてしまう子がいます。不満を解消させるためには、一緒に遊ぶ時間を増やしたり等と工夫をして、食べることを忘れられる様にしてあげると良いでしょう。ボール遊び等、一緒に遊んであげることによって、犬の本能的な探求心を満たします。更に飼い主さんとのコミュニケーションにもつながるので、一石二鳥の習慣です。

*散歩、長時間歩く

ダイエットに有効な運動の一つは、長時間のんびり歩き続けることです。散歩コースは、常に平地を歩くよりも、ちょっと坂道がある場所を選ぶと良いかもしれません。

ただ急に、長時間歩きすぎたり、ジャンプしたりするような運動は、骨関節に負担をかけてしまいます。急激な運動量の増加は避けて、散歩の回数、時間を増やしたり、距離を徐々に伸ばすなどの方法を試してみましょう。ポイントは「少しずつ」です。犬の個体差等もあるので、無理のない範囲で少しずつ時間や距離等を増やしていくことを心がけて下さい。

*水中療法(水泳)

水を張った水槽の中で行う水中療法「ハイドロセラピー」もダイエットに向いています。水中は浮力があるので、陸に比べて関節への負担や衝撃が少なく、普段使わない筋肉を使う等のメリットがあります。また、筋力をつけることで、基礎代謝をあげる役割も果たしてくれます。

ただし、きちんと水中療法について学んだ専門知識のある指導員のいる所で行いましょう。

自宅のプールや川などで遊ばせる時は、犬用のライフジャケットの着用、いざという時の命綱等で、目を離さず、必ず飼い主さんの監視下で泳がせましょう。安全第一に事故のないよう、万全な対策、配慮をしましょう。

共通して、疲れたかなと思ったら無理はさせず、休憩させてあげましょう。また、犬にも個体差があったり、老犬や心臓に疾患がある犬には、適さないこともあるので注意が必要です。愛犬の健康を目指して無理なダイエットをした結果、体調を崩してしまえば本末転倒。かかりつけの獣医さんに相談しながら、その子に適したダイエット方法を見つけ出し、無理なく安全に取り組んでください。

意識を変える

太っている犬は、食べることだけが好き!という考えになってしまっています。なのでまず、食べる以外のことに興味を向けてあげましょう

飼い主さんや、犬友達と一緒に遊ぶなど、食べることを忘れられる楽しい時間を作ってあげましょう。食事と食事の間の時間を我慢して過ごすのではなく、食事の事を忘れてしまうほどの楽しい時間を過ごすようにしますしょう。

また、犬は感情をキャッチし、同調する動物です。飼い主が楽しそうな表情をしていると元気になるし、飼い主が落ち込んでいると犬も悲しそうにします。

その為、ダイエットのために「散歩に行かなければならない」という飼い主が仕方なく散歩に連れ出す様な気持ちがあると、犬はその気持ちを感じ取ってしまいます。飼い主自身が楽しい気持ちになって、愛犬と一緒に楽しく散歩に出かけられると良いでしょう。

自分で散歩に行けない場合は、家族に頼ったり、お散歩代行サービスを利用するなどもオススメです。決して無理をせず、犬も飼い主も楽しめるストレスフリーなダイエットが一番です。

まとめ

犬は、自分の意思で食べ物を選んだり、自分で散歩に行ったりすることはできません。

愛犬のダイエットを成功させるには、食事と運動のバランスを見ながら、飼い主さんが根気よく続けてあげることが大切です。特に家族で飼っている場合は、必ず家族全員で取り組みましょう。飼い主さんの生活スタイルに合わせ、焦らず長い目で考えて、お互いの負担にならないようなダイエットの計画を立てましょう。

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