犬と猫が喧嘩を始めた! 対処法と普段からの対策を解説

犬と猫が家族にいる方は経験しているかもしれませんが、一緒に飼っていると、2匹が喧嘩している!と焦って困ったことはありませんか。それは、犬と猫が喧嘩をする理由を理解することで避けられるかもしれません。愛犬と愛猫を観察して、喧嘩の原因を解明したいものですね。

習性からみると、猟犬であれば猫を小動物と見て追いかけるのが好きです。たとえそれが遊びであっても、猫にストレスを与えて猫の怒りの感情を刺激してしまいます。

仔犬と成猫の場合は、猫は犬に興味を示さないか、あるいは怖がって反応が鈍くなるかもしれません。またその逆に、仔猫は成犬と遊びたがります。訓練された犬はそれを嫌がる傾向にあり攻撃的な反応を示すときもあります。

犬と猫が喧嘩をする際には、こうしたよくある理由がいくつか考えられるでしょう。この記事では、その理由を踏まえて、いざ喧嘩したときに飼い主さんがどう対処するのがベストか、普段からの対策も合わせて解説していきます。

なぜ犬と猫は喧嘩するのか?

犬と猫は異なる種族であるため、通常自然界では友達になりません。野生の犬は猫を獲物と見なし、猫は犬を脅威の対象と見なします。これはそれぞれがもつ動物古来の習性で、もともと脳に組み込まれていることなのです。

現代では犬も猫もペット化されて、その習性も和らいではいるでしょう。しかし家のなかで犬と猫が一緒に暮らすと、食べ物や縄張り、人の注意を引くことなどをめぐってお互いに競争することになります。

以下は、それぞれの項目でありがちな注意点です。

縄張りで喧嘩する

犬も猫も縄張りに敏感な動物です。お互いのテリトリーに入ってしまうと威嚇したり攻撃的になるといった習性が顕著に現れてしまい、喧嘩に発展することがあります。

相手のエサを食べてしまう

基本的に、犬は1回の食事で全部食べ終えますが、猫はエサを全部食べずに残しながら時間を空けて食べることがあります。つまり猫は置きエサをする場合がありますので、残っているフードを犬が食べてしまう恐れがあります。

習性の違いから喧嘩する

犬は機敏にアクティブに動いていたい動物です。一方、猫はゆったり自由気ままに過ごしていたいといった気質の大きな違いがあります。そんな猫に犬がちょっかいを出してじゃれ始めると、猫は煩くて仕方がありません。これも習性の違いから来るお互いの温度差の違いで、お互いに分かり合えずに喧嘩になることもあるでしょう。

これで対処!喧嘩の時に飼い主さんができること

習性の異なる犬と猫ですが、仲良くすることができないわけではありません。動物行動学に詳しいワシントン州立大学の獣医師、レティシア・ファヌッキさんはこう言います。

「犬と猫がお互いを好きになるとは限らないけれど、その可能性を高めることはできます。それは、犬も猫も、幼い頃に同時に飼うと親友になるということです。そしてお互いが成長するとともに平和的な関わり方を学ぶことができるでしょう※」

仔犬と仔猫を同時に迎えられるなら、犬も猫も飼い主さんも苦労はなく、いちばん良い方法だということですね。しかしながらどちらかが先に来た場合や何かの拍子で喧嘩が始まってしまった場合は、飼い主としてどう対処すればよいのでしょうか。

※:「Dear Dr. Universe: Why do dogs and cats fight? – Karri, 10, Essex」ワシントン州立大学ホームページより

喧嘩が終わるまで見守る

犬と猫は喧嘩しているように見えて、ただ単に遊んでいるだけの場合もあります(まとめにて解説)。喧嘩を普段から見慣れていても、エスカレートして大きな怪我に発展しないように見守りましょう。お互いが飽きたり、落ち着いたりして喧嘩が収束するまで見届けます

止めに入る準備もする

双方が気が立っているときは、飼い主さんに対しても噛んだり引っかいたりする可能性もあります。
喧嘩が落ち着くまでは触れないようにし、暴れ方がひどく本気で怒っていてなかなか収束しない時は、
どちらかの名前を呼んで気を引いてください。または、手をたたいて音を出すなど、喧嘩への集中力を途切れさせる工夫が必要です。

それぞれの判断にゆだねることも大切

犬と猫の喧嘩は、甘噛みをするだけのじゃれあいもあります。また怒っていても猫の方から離れていったりとお互いが喧嘩にならないよう行動することもあるのです。飼い主さんが焦って止めに入らず、まずは犬猫にまかせて見守りましょう。

喧嘩を未然に防ぐ。普段からできる対策

成犬、成猫の状態から一緒に飼い始めたり、すでにペットがいる家に新しいペットを迎え入れたりすると、喧嘩をしやすくなります。大人になってからの場合は、たとえ同じ種類の動物であっても喧嘩が起こるのはよくあることです。猫同士の場合でも新しい仔猫を迎えたときに、ほかの猫たちが受け入れるまでに半年以上かかったケースもあります。

しかし、ペットの攻撃性を回避しながら社会性を育むコツがあるのです。私たち人間もそうですが、知らない人が突然家のなかに入ってきたら、びっくりして攻撃的になりますよね。それは動物も同じです。
まず先にいるペットを安心させるためにも、新しく迎えたペットを紹介することです。

すでに家のなかで暮らしている犬や猫は、とくに新しいペットが自分のテリトリーに侵入してくることを好みません。まずはどこか別の場所で顔を合わせる必要があるのです。

高低差ですみ分け

犬が猫を追いかけないよう、あらかじめクレートトレーニングがされている犬をクレートまたはケージのなかで落ち着いた状態を保てるよう促します。猫は、逃げ込めるようなキャットタワーや三段ケージなどで高いところに登れるように用意しておきます。

高いところが好きな猫の逃げ道を作ることがポイント。そして猫は犬よりもパーソナルスペースが好きなので、犬に邪魔されない場所を確保することが大切です。

食事の場所と時間をずらす

犬と猫は食事の内容が異なります。それぞれのエサを食べてしまうと体調不良の原因にもなるので注意しましょう。しかし競争心はお互い強いので、相手のエサを食べてしまい喧嘩の原因にもなります。相手の食べ物に関心を持ちにくいように双方が食事をする場所と時間を別々にして与えるようにしてください。

猫の爪を切っておく

喧嘩の際に犬が猫パンチをくらって怪我をしないように、猫の爪を切っておきます。とくに鼻ぺちゃ犬で人気の高いフレンチブルドッグやパグなどは顔が平たく、眼球が出ていますから目を傷つけやすいです。
顔を攻撃されないように見守ってあげましょう

まとめ

犬と猫はそれぞれ習性が違うので、喧嘩をしている原因が分かれば、予め対策をすることができますね。
また、よく2匹を観察すると双方の違いが日々感じられて面白いですよ。

犬と猫は、体でコミュニケーション(ボディランゲージ)をとりますが、方法は異なります。よくある例は、
尻尾を振ることです。犬が尻尾を振っているときは、「嬉しい!遊びたい!」という意味が多く、猫の場合はストレスを感じて怒っているときに尻尾を振る場合もあります。それは、猫が「私に近づくと事態が悪くなるよ」という威嚇を体で表現しているのです。

動物の遊びはときに荒っぽく見えることがあるので、犬と猫の喧嘩は、単に遊んでいるだけの場合もあります。最後にあなたの犬と猫が、遊んでいるのか喧嘩しているのかを見分ける方法をお教えます。

しばらく2匹の動向を観察してみて、愛犬も愛猫も逃げようとしていなければ、両方とも喧嘩ごっこという遊びを楽しんでいます。さらに、犬が猫を追いかけていると思ったら、今度は猫が犬を追いかけるといった追いかける相手を交代することもあります。それは、単にお互いが楽しんで遊んでいると判断して、
怪我に注意しつつ微笑ましく見守ってあげましょう。

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