「保健所から犬や猫を引き取りたい」と思った時、考えるのが里親になるための条件や費用などですよね。
ペットショップでの購入であれば、費用さえあればすぐに犬や猫をお迎えできますが、保健所から引き取るにはいくつかの条件があります。
今回の記事では、保健所から犬や猫を引き取る際の費用や条件、流れなどをお伝えします。ぜひ参考にしてください。
そもそも保健所とは?
保健所は、動物に特化した業務を行う公的機関の1つです。
「動物保護センター」「動物愛護センター」など都道府県によって名称は異なりますが、捨てられた犬や猫、野良犬や野良猫などを保護する役割を担っています。
収容期間は原則10日ほどと短く、引き取り手が見つからない場合は殺処分の対象になってしまいます。
中には殺処分ゼロを目指している保健所もあります。動物保護のボランティア団体と連携し、犬や猫を別の施設へ引き渡すなどの活動をしています。
保健所で保護されている犬や猫の特徴について
保健所の犬や猫たちは、飼い主からひどい虐待を受けていたり、捨てられて怖い目にあったりした子たちがたくさんいます。
怖い目にあってきた子たちを引き取るには、当然のことですが「二度と悲しませない」という心の準備が必要になってきます。
保護されている犬や猫には、以下のような特徴があります。すべての個体にあてはまるわけではありませんが、こういった特徴があるということを覚えておきましょう。
- 年齢や病歴などの詳細は不明なことがある
- 犬猫どちらもミックス(雑種)が多い
- 保護されている犬の多くは雑種の中型犬
- 特定のものを怖がったり、特定のものに興奮したりなどの特徴がある
保健所から犬や猫を引き取る際の条件
住んでいる地域によって対応や条件が異なるので、事前に問い合わせておきましょう。具体的な条件は以下のような項目となります。
- 犬や猫を譲渡してもらえる保健所のある地域に住んでいる
- 犬や猫を養えるだけの経済力がある
- 引き取り手側の責任者が成人である
- 60歳、または65歳以上の場合、犬や猫の飼育が難しくなった時の引き取り先がしっかり確保できる
- 家族全員の同意が得られている
- 去勢・不妊手術などの確実な繁殖制限措置ができる
- 犬や猫を飼育することが問題のない住居に住んでいる
- 譲渡前後の訪問調査や指導などを受けられる
条件が多く厳しいように思う人もいると思いますが、これらはすべて保護犬や保護猫をこれ以上増やすことがないように決められたものです。
また上記の条件だけでなく、保護犬や保護猫と実際に直接会った時に相性などが良くないと判断されると譲渡を断られてしまうこともあります。
保健所から犬や猫を迎えるための流れ
保健所にいる犬や猫を迎えるために、最初にすべきことは引き取りたい子を探すことです。
犬や猫の詳細情報は、各保健所がホームページなどで公開している場合や、譲渡(見学)時間や見学会を設けているところもあります。地域の保健所に問い合わせてみるのが良いでしょう。
地域によって多少の違いはあるものの、保健所の犬や猫を迎えるまでのおおまかな流れを紹介します。
1.見学会を受講
保健所にいる犬を引き取るためには講習を受けなければいけません。引き取る犬や猫が決まった後に、受講するケースも地域によってはあるようです。
2.申し込み申請
保健所にいる犬や猫を引き取るための申し込みを行います。
3.相性の確認・面談
引き取りたい側と犬や猫との相性の確認や、保健所の職員との面談が行われます。相性が合わなかった場合や、飼育していくことが困難だと判断された場合は断られることも……。
4.譲渡申し込み・誓約書を提出
引き取りたい犬や猫が決まったら、譲渡申し込み・誓約書などの必要書類を提出します。
こうした手続きの後、ようやく犬や猫を引き取れるようになります。
このほかに、引き取り先のお家の視察や、犬や猫を引き取った後に定期的な報告書の提出義務、家庭訪問などを行う地域もあります。
引き取りの時に必要になるもの
- 犬や猫と一緒に帰るために必要なもの(キャリーバッグなど)
- 譲渡費用
- 印鑑
- 身分証明書
この他にも、賃貸物件に住んでいる場合、犬や猫を飼ってもいい物件と分かる書類などが必要になります。引き取り当日に慌てることがないよう、前もって準備しておきましょう!
保健所で犬や猫を引き取るための費用は?
お金などかからず、簡単に犬や猫を引き取れると考えている方も多いですが、それは間違いです。ほとんどの場合では、一定の引き取り費用を払う必要があります。
とは言っても、ショップからの購入や、ボランティア団体から引き取るよりも安いのは間違いありません。
では、実際に引き取った後の飼育費も含めどれくらいのお金が必要なのでしょうか?
必要な費用は地域によって違う
先ほどお金がかからず引き取れると思うことは間違いと言いましたが、大多数の地域では犬や猫の譲渡料は基本無料です。
正確には『登録料』などの事務手数料にのみお金がかかることがあります。基本的には保健所から引き取るための費用は10,000円以内で済むと考えて良いでしょう。
引き取るための費用の他にも、不妊・去勢手術を行う必要がある場合があります。地域によっては補助金などが出ることもあるためしっかり確認しておきましょう。
引き取った後の飼育費も用意する
リードやケージ、ベッドなどの道具を用意するのにだいたい3〜4万円、加えてワクチン代やフード代、日々のトリミング代などが追加でかかってきます。
犬や猫に関する平均的な月間の支出額は、一般的には1万5千円前後です。家族の生活費もありながら、犬や猫の養育費を支払えるかどうかも併せてしっかり考えてみましょう。
まとめ
保健所やボランティア団体から犬や猫を迎え入れる流れや条件、譲渡費用や飼育費などをご紹介しました。
保護されている犬や猫は、引き取り手が見つからなければ残念なことに殺処分されてしまいます。そのため、二度と同じようなことにならないため、させないために引き取り手には厳しい条件がもうけられています。
ペットは一緒に暮らす大切な家族であり、おもちゃなどではありません。しっかりとした覚悟をもって引き取りの決断をしましょう。
里親になりたいと検討している方に「この子となら、一生一緒に暮らしていきたい」と思えるようなステキな出会いが訪れますように!!