仔犬期をとっくに過ぎているのに、いまだにトイレを失敗してしまう…なんて悩みを抱えている飼い主さんも少なくないと思います。
また、訳あって成犬を迎えることになった、などと成犬からのしつけに悩んでいる飼い主さんも安心してください。成犬からでも、トイレのトレーニングや、「待て」のしつけなどは、もちろん可能です。トイレトレーニングに「もう遅い」なんてことはありません。しっかりやり方を把握していれば、何歳からでもマスターできるのです。
成犬になってからのしつけは難しい?
ある程度習慣が身についてしまった成犬をしつけることは、今までの習慣を忘れさせて新しいものに書き換えをしなくてはなりません。そのため、まっさらな状態の仔犬に教えるよりも、成犬へのしつけの方が時間と労力がかかります。ですが、愛犬の性格を理解し、根気強く実施することで不可能ではありません。
第一に重要なことは、飼い主が一貫したリーダーシップを発揮して犬との信頼関係をきちんと作ることです。
トレーニングを始める前に
まず、ハウスやハウスやケージ、専用のクッションベッドなどを用意し、愛犬専用の場所を作ってあげましょう。自分のニオイがする自分専用の場所を用意してあげることで、トイレトレーニングがスムーズにいきます。
トイレトレーニングは、犬を飼育するうえで欠かすことのできないしつけであり、早急に対応する必要がある項目でもあります。近年は犬も家族の一員という考え方が定着化しつつあるため、犬を室内で飼育することが一般的になっており、室内にトイレを設置する家庭が多いです。
トイレには自分のテリトリーを主張する役目もあり、安心して休める場所に決定してあげることが望ましいです。決まった場所にトイレを覚えさせることができれば飼育スペースを区切ることができ、人も犬も適切な距離で快適に過ごすことができます。
トイレは人の出入りが少ない静かな場所に
外で排泄するのが習慣となっている子もいますので、室内でのトイレトレーニングをするのでしたら、時間をかけて行ないましょう。トイレの場所は、人の出入りが少ない静かな場所が効果的です。ただ、あまりにも遠い場所や、到着するのが困難な場所は避けましょう。
トイレトレーニングの方法
*トイレまで誘導
食後の後、目覚めた後、床を嗅いでくるくる回っている時は、トイレのタイミング。最初はトイレシーツまで愛犬を連れて行きましょう。
排泄のタイミングで、愛犬に向かって“飼い主さんが決めた言葉”をかけ続けます。「いちに、いちに」や「ワンツー、ワンツー」など簡単な言葉で大丈夫です。この一連が愛犬に根づくと、言葉と排泄行為が頭の中で関連付けられ、最終的には合図で排泄をしてくれるようになるはずです。
注意点としては、優しく声をかけるようにしましょう。大声で発するなど、プレッシャーをかけないようにしましょう。愛犬が萎縮してしまい、出るものも出なくなってしまいます。あくまでも、言葉の合図はバックミュージックのように柔らかく、愛犬から視線をそらしてさりげなくが基本です。
もし誘導するのが難しい場合は、しつけ用スプレーを使用するのをおすすめします。使い方は簡単で、普段使っているトイレシーツにスプレーするだけ。ニオイでそこがトイレの場所と認識させる成分が配合されているので、トレーニングがスムーズに進みます。また、人間には感じられない程度のニオイなので、お部屋が臭くなりません。誘導が上手くいかない場合は、こちらを使用してみてはいかがでしょうか。
*おおげさにほめる
うまく排泄することができればよくほめてあげましょう。「すごい!」「えらい!」などと明るく高い声と大きな動作でほめて、愛犬が喜ぶように声をかけるのが良いでしょう。ほめられる理由を理解したら、犬自身もトイレと定めた場所を認識して、その場所で用を足すようになります。トイレ場所で成功した際は、おおげさなぐらいほめてあげてください。
*叱るのはNG
ポイントは失敗してしまった場合には怒らないことです。トイレシーツ以外の場所で粗相をしてしまった場合は、叱らずに、ニオイが残らないようによく拭き、片付けましょう。排泄は生理現象の一つですから、怒られてしまうと犬は何を怒られたのか理解できずに困惑してしまいます。我が強い子はそのまま飼い主に反感を持つようになり、攻撃してくる恐れもあります。神経質な犬は排泄=駄目なことと認識してトイレを我慢してしまい、膀胱炎などになってしまう子もいますので、注意が必要です。成犬は性格や習慣が形になっているので、その子の性格を尊重しつつ、根気強く教えていきましょう。
成犬には根気が大事!
成犬へのトイレトレーニングは、今までの習慣を忘れさせて新しい習慣を身に着けさせる必要があるため、成犬へのトイレトレーニングは仔犬に教えるよりも長期的な計画の元行うようにしましょう。
成犬の場合は、排泄するタイミングがある程度決まっている子も多いようです。四六時中目を離さないのは難しいので、寝起きや食後といった「排泄しやすいタイミング」と言われている時間帯は、よく観察して排泄の記録をつけていくと効果的でしょう。
また、どうしても排泄してほしくない場所は、犬が入れないように囲いをするなどして、少しでも犬が失敗するリスクを減らしてあげましょう。
犬が成功しやすい環境を整えてあげることで、成犬でもトイレトレーニングがしやすくなります。成犬ですとその子のペースがありますので、焦らずに長い目で余裕をもって取り組むことが大切です。
そして何より、成功したときは、大げさに褒めてあげることが大切です。褒め言葉だけ、撫でるだけ、ではなく、たっぷりと褒め言葉をかけながら撫でたり、スキンシップを取ったりしてあげてください。